探偵雑誌日記(2019/03-04)

「横田順彌死去」

SF作家で古典研究家でもあった横田順彌が死去した。

作家としては、はちゃめちゃSFと呼ばれる、独特の作風だった。

一方では古典的なSFの研究家であり、アンソロジーを編んだ。

日本におけるSF前史とその作家に詳しく、押川春浪の研究では有名だ。

SF前史の作者を主人公にした作品群も多い。

作者の著作の多くは、絶版になり古書でも入手困難本は多い。

死後の最初の復刊が出るようだが、本格的な復刊があるのかどうかは不明だ。

横田は多数の作家と作品を発掘したが、横田の作品を復刊させる人は出るのだろうか。(2019/03/03)

「島田一男の復刊」

島田一男は第二次大戦後直ぐの雑誌「宝石」の新人だ。

「宝石」は直ぐに作品募集したら、多数の応募があった。

しかも第1期のレベルが高かったことは、後の活躍でもわかる。

島田一男もその一人であり、すでにプロ的に成功するとの評価があった。

それ以降、高齢の死去までに多数の分野の多数の作品を残した。

他の作家と同様に、死後は流通する本は市場から消えた、正確にはそれ以前でも新作以外は絶版は多かった。

全部の復刊はありえないだろうが、代表作の復刊を期待したい。

時代小説の「同心部屋捕物帳」シリーズはドラマ化された代表シリーズで、春陽文庫判が古書で残るくらいだ。

再編集されて文庫版で復刊された、2冊出版されたところだが今後も期待したい。(2019/03/18)

「森下雨村の復刊」

森下雨村のデビューは10代であり、ジャンル的にも早い。

雨村はペンネームだったり、編集の仕事をしたりで専門作家を最初は目指さなかった。

そのために、代作を行ったことも判っている。

作品のジャンルは多彩で細く長くのイメージがある。

復刊も単発的に行われている。

復刊された本も、あるていどを過ぎると絶版になるだろう。

雨村の復刊も散発的に行われ、今後も続くと予想される。

少年小説も復刊されており、文体や内容的におおやかな面がある。

エッセイや翻訳も復刊対象だ。(2019/04/02)

「新章文子の復刊」

新章文子の短編集が復刊された。

しばらくの間は、乱歩賞受賞作以外の復刊の記憶がない。

代表作の短編集だが、私を含めて、既読作品の比率は低いと予想する。

長編も、1作以外は入手困難であり、作者としての読書比率も低いと思う。

新刊作品(含む復刊)が存在する事が一番の条件であり、次に古書市場に存在する事が必要だ。

無理に分類すれば心理サスペンスの呼び方がある、本格ミステリではない。

それが復刊が少ない理由とも思えるが、読んだ作品が少ないので怪しい。

昭和30台以降の作者で、本の入手困難者は多い。(2019/04/17)