探偵雑誌日記「雑誌は計時変化の劣化が早い紙質」
雑誌にも色々ありますから、全てとは言えません。
ただ性格上で、紙質は単行本と比べて悪い事が普通です。
初期に既に悪い事が多いですが、同時に計時変化で劣化が激しいです。
これが重なると、同時期の出版でも、単行本と比べて雑誌の古書の劣化は激しいです。
古書では、美本・並本・難有等で状態を表しますが、雑誌は判断が難しいです。
古い雑誌では、初期から、乱丁・落丁は存在します。
それが劣化すると、読書より判読という作業になります。
これは、普段の新刊や最近の発行の古書になれた人には、難しいでしょう。
珍しい古い雑誌を購入しても、読まずに持っているだけはかなり多いです。(2011/11/06)
探偵雑誌日記「時代小説の古雑誌」
雑誌は、ブームかマニア的でないと古書まで探す事は少ないです。
現在、出版は時代小説ブームです。
ただし、専門雑誌は見当たらないです。
戦前・戦時は、出版統制が影響して、無難な時代小説が多く書かれていますし、雑誌もありました。
一部の総合雑誌や、探偵小説雑誌等がマニアに探されています。
ここへきて、時代小説の古雑誌がかなり見かけるようになりました。
捕物帖や旅日記もの、怪談や明朗ものなど多彩です。
歴史小説は純文学扱いで、伝奇小説の分野のものです。
復刊される事のない作者名が見かける事になります。(2011/11/21)
探偵雑誌日記「情報のない古雑誌」
書誌というものは、少数の作家以外は完全なものはありません。
単行本や長編に限れば、ある程度の作家は整備されつつあります。
しかし、短編・エッセイ等になると単行本未収録はありますので、初出誌を探す必要があります。
その殆どが、雑誌なのですが、探偵小説専門誌以外の一般紙に書いたものはほとんど見つからないです。
短い作品や、編集者の意向で書いたオリジナル性の少ない作品は、作者にとっては捨てているのかも知れません。
本人も、同時代の編集者も単行本に取ることはありません。
そもそも、短編集はあまり売れないとされており、かなりの作品が埋もれます。
そもそも、単行本が出る作家が少ないのです、作品数が少なく、マイナー作家であれば、単行本が無い作家も多いのです。
そして、そんな作家程に情報が無いのです。(2011/12/06)
探偵雑誌日記「発行時は、保存性よりコスト優先」
古い雑誌がまだ残っている事はかなり奇跡的です。
もともとは雑誌は、長期保存性はほとんど考慮されないからです。
紙質や装丁や活字等が全て、コストを考慮して作られる事が多いからです。
長い時間経過後に読まれる内容かどうかは、その時点では不明です。
立派な本でも、未来に内容が読まれない可能性もあります。
そもそも雑誌は、定期的に発行するために内容は充分に推敲や校正出来ない事が多いです。
締め切り間際の編集の大騒ぎは、どの程度実話かは不明です。
しかし予定を守る事が優先される事は確かでしょう。
初出優先の表記をみますが、作者によって後日変更が行われた文は重要視するべきでしょう。(2011/12/21)