「多数の名義が迷わす」
別名義は海外も日本も、昔も今も多く存在する。
ただ、昔に限れば書誌が遅れている日本では扱いが微妙だ。
別名義とにた名義をどのように扱うかが、はっきりしていない。
簡単に言えば、同一人物かどうかが判らない。
原因の1つが、昔は誤植や間違いが多発しているからだ。
誤植が原因でペンネームにした「本田緒生」や、1作のみで誤植名でアンソロジーに採用された「青地研吉」がいる。
「中村美代子」と「中村美代」が同一かは不明だし、久生十蘭の名義は異説がある。
それに代作が絡むと、整理出来なくなる。(2015/11/02)
「同人誌復刻と電子版復刻」
商業出版は少ないが、個人・同人での復刻出版がある程度行われている。
通常は3桁の部数でマニア向けだが、ネット時代でその程度の需要はある。
同時に、アマゾンのロングテール出版に載せる電子出版も行われている。
こちらは実数は非公開だが、多い数が出る時もあるらしい。
青空文庫の編集版も電子書籍として出ている。
独自の電子書籍リーダー機器用に編集したもので、価格的にはゼロでも良さそうだ。
実際にゼロもあるが、手数料込みもある。
紙ベースになると同じにはならない。
マニア向けレア本は、当然ながら割り嵩なのだが購入は迷う。(2015/11/17)
「戦前雑誌の2種類の復刻」
日本語も時間と共に変わる。
古文や文語体ではなくとも、古い口語体も読むのは難しい。
漢字や不調や表記には、現在では使用しないものが多い。
それの編集復刻は、文字を作る事から始まるので難しい。
現在の文章に直す事で、可能になる。
あるいは、写真やコピーでの復刻もある。
画像の復刻と考えるか、コピー版と考える。
カラーコピー時代の産物とも言えるし、画像のデジタル処理の進歩とも言える。
どちらが人気かは個々に変わるだろうが、量産は写真でのデジタル化だ。(2015/12/02)
「少年小説と少女小説」
少年小説と少女小説という分野分けは広く有るようだ。
いつごろか、その中に探偵小説や冒険小説や、今でいうエンターテイメントが含まれる。
明治から昭和30台を舞台にした小説では、上流階級では少年少女はこれらを読んではいけないと教育されていた設定が目立つ。
貧しかった時代に、その階級が制限されていたら誰が読んだのか疑問を持つ。
だが現実には、あまり広くは知られていないが存在する。
もっと言えば、かなりの物が埋もれている可能性がある。
戦後のある時期からは、小学X年とか中学Y年とかの雑誌が急増した。
付録に小説が載る事が多く、それが探偵小説の時もある。
それ以降では、単行本や文庫本で読者層をその年代に設定した叢書も生まれた。(2015/12/17)