探偵雑誌日記(09/03-04)

探偵雑誌日記「拡大鏡」

現在の雑誌は、単行本と較べて読みにくい訳ではありません。ただ紙質によっては時間の経過によっては読みにくくなる可能性は 高い場合はあります。

戦後直ぐは、紙不足という事は知られています。また紙の質も劣る事は当然です。

昭和30年台の「酸性紙」の本に較べると劣化の程度は低いですがどうしても汚れや劣化は目立ちます。

そして活字の大きさは、現在よりもかなり小さいです。その上に漢字の字体が古くて画数が多いものがあります。これを合わせると 普通の人が古い雑誌を肉眼で読むのはかなり厳しいです。

これは戦後直ぐだからではなく、かなり最近までもありました。古書、特に時代が古い本を読む人は大抵は拡大鏡を使用します。 少なくても保有しています。部分的に読み難い所は大抵あるからです。

あとは紙からほこりか汚れが指に写るので、指サックしたり、ぬれタオルをそばに置いたりする事もあります。

結果的に読む速さは非常に遅くなります。結構捜した本を読む時に時間がかかるのはバランスは取れているかも知れません。 (2009/03/01)

探偵雑誌日記「落丁古書」

本と落丁とは、なかなか切り離せません。しかし技術進歩で非常に希にはなっています。

ただしこれが古書になると、増加します。発行時には正常であっても、読書・保管等でいくつかのページが破損・剥がれて落丁 状態に変わるからです。

古書を購入する時は、全ページの有無を確認する必要がありますが現実は難しいです。

それは販売側も同様と言えます。ただ、欠損は表裏の表紙に近い部分に発生しやすいので最低でもその部分は調べる必要はあります。 ただ通販だと、それも出来ません。

その破損の程度が古書でのやむをえない程度かどうかは、問題になりやすいです。基本的に内容が抜けているのは事前情報として 開示する必要はあると思います。

探偵雑誌では最後の1ページの欠損は致命的になる事が多いです。目次の欠損も多いですがこちらは微妙です。

あらかじめ欠損があっても購入する事もあります。(2009/03/16)

探偵雑誌日記「雑誌の判型変更」

雑誌に多いのは、「A4」「B5」の判型ですが勿論それ以外も存在します。

雑誌を継続して購読する・バックナンバーを集めて本棚等に並べる事はよくあります。その時に本型(サイズ)が揃っていると 見た目も揃いなかなか良いものです。

しかし何故か、雑誌はしばしば判型を変えます。「誌面一新」という謳い文句が登場しますが、判型が変わる事も多いです。

戦後直ぐにだされた雑誌は、特にその傾向が多いです。寿命自体が短命でしたし、雑誌名を変えるケースも多いです。

雑誌「ロック」も一度判型を変えています。少ない発行回数の中でです。

それも珍しくありませんが、保管面では結構厄介です。雑誌の保存状態が悪い傾向の理由のひとつに、その判型による保管性の悪さ があるののでは無いかと感じます。

雑誌のデザインや判型等の装丁は意外と重要ではないかと思います。(2009/03/31)

探偵雑誌日記「雑誌掲載のみの作品」

一部の有名作家は、雑誌掲載作品もその後に単行本化されています。

しかし多くの無名作家の作品は、そのまま単行本化されません。読まれるとすれば、元の雑誌のみです。

その中間に、各種アンソロジーに選ばれる事があります。ただし選者により代表作になってしまう傾向はあります。

無名作家といっても、単行本がないために後年には知られざる作家になってしまった事もあります。

単行本がある作家は選ばれたともいえない部分はあります。どうしても個人の作家の事情や運・不運があります。

忘れられた作家の再評価は難しいものです。資料性のみでは限界があります。作品内容では、複雑な内容の理解が必要です。

多数の読者の意見等を参考にする事は出来ないからです。(2009/04/15)

探偵雑誌日記「雑誌初出と現行流通テキスト」

作家の多くは、雑誌・単行本の掲載機会があるときに、作品に手を入れる事が良くあります。

時々、初出復刊とか決定版復刊とか言われるのは、後者が一番最後に手を加えた改稿版という意味です。

作者改稿で必ずしも良い方に、変わる保証はありません。ただ平均すれば、改善されていると期待出来ます。

初出復刊は資料性、決定版復刊はたぶん改善最終との意味に近いと思います。

現在の電子化が進む前は、あまりにも多くの変更を度々出来にくい環境です。

それに対して現在は、逆にあまりに手を加え過ぎる傾向にあると思います。過度の修正は、元々があまり練られていないという 印象を与えかねません。(2009/04/30)