探偵雑誌日記(2018/05-06)

「欧米の1930年以前作品の翻訳」

欧米の1930年代はミステリーの黄金期だとされている。

未紹介の作品が多数あるとされているが、翻訳と紹介はゆったりと進んでいる。

それ以前にはホームズ談を始め多数あるが、古典または古典以前とも言われている

1930年以前の作品は、より紹介され難く、実態も噂レベルが多い。

ただし、こちらもゆったりと、翻訳と紹介が行われている。

翻訳は著作権が発生するので、原作の権利が消滅していても、翻訳はどこでも出せない。

それは新刊と同じ扱いになるが、作者が有名でも作品が知られていないこともある。

日本でも戦前・大正から昭和の作品は入手は容易でない、海外でも似た事情はあると思える。(2018/05/06)

「山本周五郎の復刊」

山本周五郎の著作権が切れているが、いよいよ復刊が始まった。

もともとが、新潮文庫で長くベストセラー的に増刷が行われていた。

著作権切れで、それ以外の出版社も復刊しはじめた。

文字や体裁を新しくした復刊は読者にはうれしいが、ヘビー愛読者にはどうだろうか。

どれだけ多数の著作に復刊が拡がるのかが注目される。

かなり多くの作品が継続的に読まれている作者なので、単独での効果は不明だ。

池波正太郎・司馬遼太郎・吉川英治・山岡荘八などと並ぶ時代小説は拡がるか。

時代小説の文庫本が多数新規に書かれているが主に長編だ。

山本周五郎は長編以外にも、短編集の人気は高いのが特徴だ。(2018/05/21)

「佐藤春夫の探偵小説」

色々なジャンルの作家が、探偵小説のジャンルの作品を書いている。

その中には結果がそう判断された事はおおい。

意識して書いた作者に、佐藤春夫がいる。

特に第二次大戦の前ともなれば、変格もので幻想と怪奇風と予想されがちだ。

もちろんそれも含むが、かなり本格味がある作品も含む。

また実録風・ドキュメント風の作品もある。

戦前派としては、それは意外な面だとも思った。

背景となる場所も、事物もかなり多様だ。

それでも幻想味の作品が復刊される傾向はある。(2018/06/05)

「探偵小説雑誌の復刊」

単行本は書き下ろしと、連載作品のまとめ出版がある。

連載は雑誌と新聞等が多い、ほかにもチラシやミニコミも可能性はあるが少数派だ。

最近はウエブ連載が加わった、ケータイ小説もある。

雑誌は本体小説以外の要素もあるし、単行本にならない作家の作品もある。

マイナー作者の単行本を編む方針もあるが、雑誌そのままの復刊もある。

雑誌は発行号数は、かなりばらつく。

1号雑誌もあるし、1桁の発行号数も多い。

多数の年数を経た雑誌は、復刊する場合はかなり多くの分冊になるし価格設定も高い。

号数の少ない雑誌は復刊は少ない冊数にまとめられるが、一般にマイナー雑誌が多くて、価格設定は高くなる。(2018/06/20)