「北洋探偵小説選」
ロック出身作家の代表です。
ただし作品集は1ダースで、殆どが「ロック」に発表です。
理系作者の論理と、夢あるい奇想が主体です。
同時に科学捜査の有効性を訴えるとも、書いています。
主に分光学ですが、ラマン分光が研究段階で、金属分析までです。
それに。子供向けの本名で発表した作品を加えて1冊になりました。
興味は科学一般・心理学まで広がりましたが、作品数の少ないのと夭折が残念です。
1冊に不足気味の作品数だけに、まとまられたのは奇跡的です。(2013/09/11)
「戦後の翻訳の扱いが混乱」
著作権は、日本以外にも適用されますが、歴史的に混乱しています。
国際条約の整備は遅れがちですし、参加国が批准しないと適応されないです。
本国の作者・出版社の権利を購入する必要・方法・期間も一定しません。
戦前の日本のように、戦争中であればより例外的な難しさがあります。
終戦によって、一気に解決とは期待出来ないですが規制が生まれる事は予想されます。
翻訳には、これに加えて翻訳者に権利が発生します、雑誌等の発表元も同様です。
次第に国際条約に参加するに従い、正式な権利の取得の有無も問題になります。
日本は欧米との言語体系が大きく異なる事から、長く特例が存在しました。
ただし戦後直ぐは全てが曖昧な時期でした。(2013/09/26)
「乱歩と木々高太郎」
江戸川乱歩とインテリ・木々高太郎は、評論での登場が多い。
当時は知名度が高く、マイナー扱いだった探偵小説界は広告塔の様です。
乱歩は、探偵小説以外のいわゆる有識者を探偵小説に関心を持たせようとしていました。
そっと参加しても、間隔を取るのが多かったようです。
木々高太郎は、権威とかでメジャーに振る舞っていたようですし、それを望まれていた様です。
ただ、評論とか言っても今の時代では古い内容ばかりです。
ネガティブな発言が多く、乱歩に反対する発言が多いまたは無理にコメントを求められていた。
その結果、周囲は乱歩から前向きな意見を出してもらい、木々が反対する議論展開を求めた様子です。
締め切りと積極的な意見がないが、仕方なく書いた文が多いように見えます。(2013/10/11)
「犯罪実話」
戦前戦後直ぐの探偵雑誌には、しばしば犯罪実話なるものがのりました。
創作なのかノンフィクションなのか、翻訳なのか翻案なのかわからないものです。
舞台も海外が多いが短いコント・ホラー風であいまいです。
作者名があっても、創作とも思いにくいです。
編集部の埋め草とも思えるし、謎の文章です。
時代とともに減少し、海外探偵小説事情とか翻訳事情とかになります。
翻案小説が多く、翻訳権が曖昧な時と、国際的な著作権や翻訳権がはっきりするまでは怪しいものが多い。
著名な翻訳者の他に、謎の翻訳者が多い時代でした。
訳す事の意味やページ数制限による、抄訳が普通の時代でした。(2013/10/26)