探偵雑誌日記「少ない探偵小説専門誌」
これは昔にかかわらず現在もですが、純粋の探偵小説専門誌は少数です。むしろある事の方が珍しいかも知れません。
作家数や、読者数の確保や、読者の要望に対する幅広い対応を考えると雑誌形態でジャンルを狭くするメリットは少ないでしょう。
それでも専門誌がいつの時代でも、わずかでも存在する事は、このジャンルの発表の場が微妙に少ないと言う事にも理由はあるでしょう。
逆に言えば、作者の協力を受けやすい背景もあるとも言えます。
それが業績不振から、原稿料の不払い問題になった事もある様です。
ただ、探偵小説マニアから見れば、専門誌以外特にあまり有名でないか探偵小説作家の作品を掲載しない雑誌は盲点になります。
戦前を中心に探偵小説作家の完全な書誌は、実質存在しません。現状での有力な書誌というものは存在します。(2009/07/14)
探偵雑誌日記「雑誌編集経験のある作家」
今はイベント以外で、作家が同人誌以外の編集は原則行いません。
しかし、戦前・戦後まもなくはいやかなり遅くまでは、作家と編集者の兼業がありました。今は編集経験があっても、作家になれば 自然と編集は止める方向です。
ひとつは、専門誌の維持の為に作家が編集を行い立て直す事。
そして、もう一つは作家専業では、生計が無理なので編集の仕事も行う事などがケースとしてあります。
ロックはそのどちらでもありませんが、戦前・戦後の探偵小説雑誌には愛好家が始めたケースや、同人誌から始まった場合が かなり見かけます。
このような状況では、雑誌の寿命が短くても仕方がないとも言えます。
江戸川乱歩・横溝正史・森下雨村・水谷準ほか多数の作家が該当します。(2009/07/29)
探偵雑誌日記「雑誌掲載作品のキャッチコピー」
出版される本には、帯文がつき推薦文や色々な作品や作者にたいするキャッチコピーがつきます。
雑誌も同様です。昔も現在も、表紙等に特集や目玉となる作品の紹介が掲載されます。
そして、これも形としては続いていますが、目次の作品や作者に関する短いコピー文があります。
ある程度の読者ならば、その内容があまり当てにならない事は知っています。
むしろ、雑誌の性格や編集者の能力が判断されるだけのような気がします。
逆に知りたいのは、新作か採録か、あまり知られていない作家のときの紹介です。
また、ページ数を原稿用紙の枚数で表した表示がされる事があります。これは参考になります。(2009/08/13)
探偵雑誌日記「雑誌の号数・出版月日」
定期的に出る雑誌でも、発行月日は実際とずれがあります。
多いのは、次号の発行予定日の直前に設定する事です。一番多いと思います。
発行月日と共に、年別の通算号数と、雑誌自体の通算号数があります。
なんらかの事情で、実際の雑誌の発行日を知りたい場合は実は非常に困難な事なのです。
ましてや、定期出版でない場合や休刊が多い場合は、何がなにやら不明になってしまいます。
書誌を読む場合も、それの制作者によって表記が異なります。
マニアか研究者以外が、正確な発行月日を必要とする事は少ないですが、それについては難しい事を理解している必要が あります。(2009/08/28)