探偵雑誌日記(2016/05-06)

「時代小説・捕物帳雑誌」

戦前・戦中は、出版も規制があり、発行禁止処分があった。

色々と研究されてはいるが、塗りつぶし処分は行われた事は確認出来る。

それが、全冊発行禁止となる、現物が出回っていない訳だから、存在しない事の証明は難しい。

発行禁止が事前禁止n場合は厄介だが、発行後に回収指示ならば一部は残っている事がある。

ただし、発行禁止処分の有無の確認は益々難しくなる。

次第に内容の規制から、敵国を念頭に置いた冒険小説や防諜小説へと比重が移る。

その間にも生き残っていたのが、時代小説や捕物帳の雑誌だ。

江戸時代に忠臣蔵等が時代を変えて演じられた前例の様に、時代を変えて規制から逃れ様とした。(2016/05/15)

「科学啓蒙雑誌」

海野十三の影響か、小説の他に科学・電気関係の啓蒙書にも同一筆者なら目が向けられる。

その説明の中に、SF的要素を見つける人がいるのも事実だろう。

擬人的な説明は色々な説明に使用されるが、それを発展させるとフィクションになりがちだ。

兼業作家に自然科学系・技術系がいれば、海野的な面が生まれる。

SFが本格に書かれたのは、昭和30年代とその分野では言っている事が多い。

一般的な研究者や読者は、戦前にも似た方向性を見つける。

それを進めると、本来はノンフィクションの科学啓蒙雑誌や単行本に辿りつく。

何が最初か、最初以前の先駆的なものかの区別は難しい。

どの分野にも早すぎた作品と呼ばれるものは存在するものだ。(2016/05/30)

「戦前・戦後直ぐの翻訳者」

海外作品の翻訳には現在はルールがあるが、昔は曖昧だった。

現在でも、旧と新が混在し、日本の特例もありシンプルでない。

一定時間に翻訳権取得者がいるかいないかで異なる。

昔は、アングラ的な出版が多く、翻訳にも意訳・部分訳・等が多かった。

翻訳技術の問題もあったと思うが、掲載誌のスペースの問題もあった。

さらには費用上で、翻訳権を取らない場合もあった。

結果的には、翻訳かどうか、原作は何かとか不明が出来る。

翻訳者が不明の事もある、奇妙なペンネームを使ったり、翻訳の形式を取らなかったりする。

昔は、創作自体も発表名が複数有ったが、翻訳はより多かったと思える。(2016/06/14)

「乱歩・谷崎の復刊の動き」

今年の著作権切れの代表は、江戸川乱歩と谷崎潤一郎だろう。

どちらも継続復刊は、されていたから急な動きはなかった。

年の後半に入って、徐々に動き始めた。

希なケースだが、ゼロが急増しないが、少数が増加はある。

TPPからみで、著作権期間変更も噂される。

もし延長になれば、20年は新規の著作権フリー作家は出なくなる。

無料電子化の動きも緩くなるかも知れない。

電子書籍が軌道に乗りかけて居るときに、逆の動きだ。

偶然は想定外の時期に起きるか。(2016/06/29)