探偵雑誌日記(2017/03-04)

「連載をぼかす目次、強調する目次」

連載というのは雑誌の特徴であり、華だが偶然に購入ならばマイナスだ。

連続して読む人には、動機付けとなるが、1回だけだと多くは無意味だ。

販売戦略としては、強調する事が多い印象だ。

古い雑誌を見ると、連載をぼかした目次や表紙が目立つ事がある。

読み切りとして雑誌を購入して、詳細を見ると連載の1回となるケースだ。

固定読者が少ない場合だと予想する。

それならば、全て読み切りをとなるが、微妙なようだ。

予告には連載表記があり、等当月目次は曖昧にする戦略だ。(2017/03/11)

「大下宇陀児、没後50年」

著作権保護期間延長はTPPの米国破棄で、たなあげだ。

その結果で江戸川乱歩と谷崎潤一郎が著作権切れになった。

谷崎は全集が編まれているし、乱歩は多数の出版社から多数の本が出されている。

従来からも読み継がれていた作者の出版が増えた形だ。

乱歩より1年後に死去した、大下宇陀児はその多数の著作だが現役の出版は一桁前半だ。

戦前・戦後直ぐに作家の復刻が緩やかに行われている。

その中に含まれていて、ごく僅か増えるようだ。

本格でなくロマン派でもない作風で残される傾向だが、同様の作者らと含めてどの程度残って行くのか。

少年小説やSF的なが復刊傾向があるが、そこにも含まれる可能性もある。(2017/03/26)

「海外名作の新訳」

海外翻訳小説の新訳が進んでいる、新訳が読みやすい事は普通だし校正も進む。

過去の翻訳が好きな人は古書で読むことが出来るので、新訳は歓迎したい。

翻訳者の個性と文体には注目で、同じ人が同じ作者を翻訳する事は歓迎だ。

原作者と翻訳者のペアは偶然性が高いが、その相性が良ければ読み継がれる。

チャンドラーは清水俊次訳が、村上春樹訳に代わりつつある。

ドイルのホームズ物は、阿部知二訳が深町眞理子訳に完全に切り替わった。

チェスタトンのブラウン神父物は、福田・中村訳を中村単独で新訳している。

翻訳権が独占されている時は、意外と古い訳が長く残る事がある。

それは原作の著作権切れで一気に動く事がある、「星の王子様」「シャーロックホームズの事件簿」などが例だ。(2017/04/10)

「戦前・戦後直ぐ作品の復刊」

戦前・戦後直ぐ作品の復刊は静かに行われている。

需要にあわすとその様になるのだろう。

新しい流れは電子書籍化で、著作権切れ作家の作品が手数料レベルで売られている。

そのページ数から見て、簡単には読めないボリュームがある。

ただし、電子化の入力物の有無がポイントで、一部の著名作家以外は途絶えそうだ。

その次は少部数の量の多い復刊で、需要先に図書館等の固定客がいて可能と聞く。

あとは文庫や単行本での復刊だが、細々と出されるが、絶版も多い。

復刊は戦前と昭和20年・30年代前半が多く、それ以降は微妙な時期のようだ。

昭和50年最初の横溝正史中心の復刊増加時代前にブランクがある。(2017/04/25)