探偵雑誌日記(2011/05-06)

探偵雑誌日記「発行者変更・内容変更」

雑誌は発行が安定になりにくいです。

長期続ける事は、経営母体か出版事業が多角化である必要があります。

結果として、廃刊・売却・リニューアル等がしばしば行われます。

雑誌としては、名前が残ると内容が変わっても分かりにくく厄介です。

発行者と編集者は異なりますが、その組み合わせで内容が変わります。

例えば、「ぷろふぃる」の戦前と戦後があります。

「宝石」は、江戸川乱歩編集の時期が他と大きく異なります。

「別冊宝石」は、最後は名称を変えました。

「ロック」は、短い期間ですが内容はかなり変更しています。(2011/05/09)

探偵雑誌日記「初出主義と最終稿主義」

復刊本では、テキストの選定に大きく2つあります。

初出主義がひとつで、これには雑誌発表の比率が高いです。

ただ、結構ミスや落丁があるので、完全な初出主義は難しいです。

もうひとつは、最終稿主義です。

単行本発行、版型変更、作者改稿・訂正稿等がまざります。

コピーする程にミスが発生するという法則もありますが、誤りの作者改稿を重視する考え方です。

こちらは、初稿の雑誌は比較チェックレベルになります。

個人的には、作者改稿を重視してかつ完成度も重視する方です。

現在でも初出主義の出版社が存在しますので、細部のミス等のチェックには注意が必要です。(2011/05/24)

探偵雑誌日記「校正時間」

雑誌は、単行本と比較して校正時間の制約が多いです。

発行日からの逆算で、原稿が決まります。

作者自体も、時間に追われて十分な推敲が出来ていない、特にワープロ登場以前は。

そして、校正もコピー機やデジタル組版以前は、簡単ではなかった。

トータルすると、昔の雑誌はミスや校正ミスは多かったと推測できます。

してみれば、雑誌の初出と単行本を比較する場合は、単行本を中心にしたいです。

ただし、単行本になっていない作品はいつの時代も多いですので、可能な場合のみです。

逆に、現在のデジタル時代では、作者がたびたび手を入れるので、どれが完全版かわからない傾向です。

過ぎたるは及ばざるがごとしですが、そこに色々な逸話が生まれます。(2011/06/08)

探偵雑誌日記「誤植」

本に誤植はつきものです。

特に活版印刷時代の雑誌は多いです。

そして、それが初出になります。

これは、どうも作者の知らない所で生じているか、気づいても修正出来なかった事が多そうです。

例外はひとつ見つければ、新発見となりかねません。

ただ、誤植絡みが多いことは前提が必要です。

誤植にもいくつか種類があります。

一番に問題になるのが、編集者が作者の確認なしに生じさせたものです。

いかにも正しく見えるという、困った間違いになります。(2011/06/23)