探偵雑誌日記「古書は電子化出来るか?」
本の電子化が話題です。
新刊は元々ワープロ等で書かれていることが増えているので技術的問題は少ないです。
これが古書になると別です。紙質が悪くスキャンして取り込む事が困難です。
取り込んで修正も同様に簡単ではありません。
特に日本語は、漢字字体や特殊漢字が多いし、旧文体も多いです。
現在も流通している本の電子化だけでは、たいした意味はありません。
コピーさえ難しいレベルの本の電子化は、保存と流通を考えると非常に意味は大きいです。
ただどうも商業主義からは無視されているようです。(2010/05/11)
探偵雑誌日記「青空文庫」
ネット上で、日本語小説類の著作権切れ作品を中心にしたデジタル化サイトがあります。
「青空文庫」で独自のフォーマットとリーダーと、校正要項で運営されています。
ボランティアですから作業者の好みに左右される内容で有ることは当然です。
かなり充実した作家もいます。
校正要項を揃えたのは、レベル的にはメリットが多いですが、新たな参加予備軍には障壁にもなります。
最近、オークションにDVDが出されたり、電子書籍化の対象として検討されたりと世間の風にあたりはじめています。
著作権切れ著書は「パブリックコンテンツ」と言われた事もあり、オープンソースプログラムを作れない人が容易に参加 出来るとされましたが、なかなか純粋な立場では居させてもらえないようです。
ネットビジネスは仁義なき世界に見えます。(2010/05/26)
探偵雑誌日記「自筆原稿」
ワープロ以前は、作家は原稿用紙を使用していました。
そしてそれ以前は、原稿用紙を使用する注文作家と、ワラ半紙等に書く作家の卵がいました。
出版の見込みがないと、昔は高価な原稿用紙には書かなかったのです。
当然にコピーもなかった時代ですから、原稿はひとつであり必要ならば、筆記写本?でした。
ある作家の新人として登場する以前のワラ半紙原稿を見る機会がありました。
2部ありましたが、その理由は不明でかつかなり異なる部分があります。
原稿用紙購入用に、字数を数えた後が残っていました。
作家の妻の写本した字が確認されていますが、それ以外の字も存在して謎が深まります。(2010/06/10)
探偵雑誌日記「古典の復刊」
最近、絶版書籍・特に古典の復刊が進んでいます。
読者としてはありがたいのですが、まだ歴史の浅い探偵小説はその恩恵は少ないです。
そうですね、世界的にも日本でも歴史的には探偵小説は新しい分野なのです。
ジャンルによっては、20世紀半ばでも古典もありますが、探偵小説もあまり変わりません。
そして、必ずしもプロ作家が書いていた分野でもありません。
兼業・アマが書いた作品が多くあります。
復刊されにくい背景があるように思います。
読者も大人になる必要がありますが、遊びの文学をいつまでも楽しめる様でいたいです。(2010/06/25)