「古雑誌の美本は少ない」
雑誌で紙質や装丁や印刷が、高価なものは時代が新しくなる。
雑誌というよりムックと呼ばれる位に異質だ。
写真集を初めとする目的が、美的なものが対象になる。
写真集等でも、一時性が高いとどうしてもコストを優先する。
制作時に読み捨てではなくても、保存性の重視は少ない。
ただし、一般書籍扱いにするには外観・表紙は単行本レベルが要求される。
小説誌は典型的な、文章を読む目的だ。
保存性よりコストを考慮し、結果的に傷みやすい。(2015/09/03)
「他ジャンル雑誌」
新聞に連載小説が掲載される様に、小説誌やミステリー誌以外にもミステリが掲載される事がある。
その場合にその作品を読むミステリ愛好家の数は非常に少ない事が通常だ。
これは作者本人が、発表先を控えておくか、相当のマニアの調査くらいしか判らない。
異なるペンネームを使用すると、発見はより難しい。
ただ、枚数等に制約があり、自由には書いていない事もある。
それらが、作者単独の著書を編むときに発掘される事がある。
正確には、調査マニアからの情報提供だ。
作品集の少ない場合は、全集として出版される。
選集は不十分な様だが、再評価や発掘の機会になる。(2015/09/18)
「カストリ雑誌」
戦後直ぐに、カストリ紙という薄く質の悪い紙が使用された。
単行本にも使われたが、使用した雑誌を、カストリ雑誌と呼ぶ事がある。
表裏が透けて見えたり、活字で紙が破けたりして、正確に読めない。
それらから、内容が薄い雑誌という意味が有ったようだ。
ただ、雑誌だから色々なものが混ざっている。
出版者がどう考えていたか知るよしもない。
ただ,後年に意外なものが見つかる時がある。
混乱した時代だし、初出がペンネームでものちに知名度の高い名義で復刊されたりする。
初出が判らないとか、未読という雑誌が存在する背景になる。(2015/10/03)
「業界雑誌に紛れ込んだ探偵小説」
探偵小説が小説誌以外で発表されて埋もれる事もある。
少年・少女向けは常識となっている。
後には、他の専門分野雑誌にたまに掲載されて埋もれる事がある。
専門誌でもそれ以外のコラムと同様に、小説を載せる事もある。
作者が、兼業作家の場合は会員の時もある。
それらを発掘出来るのは、当事者や家族のもつ遺品や、その読者が探偵小説ファンの時が多い。
それらが埋もれて見つかると、発見という事になる。
資料的価値は明白だが、小説的な価値は個々に違うだろう。
それは内容なしで語れないし、出版要請もあったと予想されるからだ。(2015/10/18)