「戦前・戦中作家の戦後」
戦後は多くの作家がデビューした。
ただ、戦争を生きた戦前・戦中作家も戦後にも書いた。
しかし、思想以外は急に恵まれないし、対応にも差があった。
戦前の名声で書いた作家も、名前を変えた作家もいた。
多くの中堅作家が消えた。
そして、有力作家の戦死もあった。
結局は戦後は、激しい変化に晒される事になり、多くの作家が影響を受けた。
意外な作家が戦後も書いているが忘れらえた人が多い。(2014/11/05)
「戦後は雑誌発刊ブーム」
発刊ブームというのは、内容や継続性は無視した表現です。
とにかく本を出せば売れる可能性がありました。
ただし紙不足で不安定で、内容はとても全てが充実とは限りません。
後から見ても、内容と継続性を満たす雑誌は少ないです。
ごく少数の人が名前を変えて記事を書いているらしい物もあります。
盗作や疑問な翻訳や、どちらとも取れる実話風の記事が並ぶものもあります。
創作か、再録か表示がないのが多く、酷いものは題名だけ変えてあります。
希少性が意味がないものも多い筈です。
題名からは内容が不明な物も珍しくありません。(2014/11/20)
「春秋社の長編公募」
探偵小説の長編は、戦前は少なかった。
雑誌連載も少ないし、書き下ろしも少数の作者に限られていた。
少ない長編の公募が、春秋社の長編公募でした。
1位が蒼井雄「船富家の惨劇」でいまも読まれている。
3位の多々羅四郎「臨海荘事件」は1度採録のみ。
2位の北町一郎「白日夢」が漸く復刊された。
3人の中で、当時の作品数が飛び抜け多かったが、今は入手困難だ。
50年後・百年後は予測困難な例だ。
再復刊はあるのかどうかは全く予想外だ。(2014/12/05)
「桜田十九郎探偵小説選」
戦前の防諜小説や冒険小説のイメージが強い。
従って、探偵小説の影は強くない。
そのジャンルでは忘れられた作家と言える。
時代と国策による制約を考慮する事は難しい。
とにかく、テキスト的に評価できるものがどの程度残っているかだ。
それが無い時は推察にとどまる。
死者が多い、戦中を越えて創作が出来る、意欲が維持できるのは少数だ。
探偵小説を娯楽と割り切るか、それ以上を求めるか。
自由な執筆では、間違いなく後者なのだが、戦前は無理な要求だ。(2014/12/20)