探偵雑誌日記(09/09-10)

探偵雑誌日記「旧漢字・判読困難文字」

戦前・戦後すぐの雑誌は当然、かなつかいも使用する漢字も旧漢字?書体です。それを再入力する時はどうしましょうか。

これが結構厄介です。現代の文字に直すのか、機種依存文字はどうするのか。

もし、旧漢字と通常使用する漢字の双方が使用できる場合はどうするのか。

実の所、読書好きでも旧漢字は当然苦手です。読めない場合も多くあります。

そして字体的には、画数が多く見づらいです。特に古い本では、文字つぶれが多く判読困難な事も多いです。

そしてその中に、誤字・誤植・その他の間違いが含まれています。

古い雑誌の作品の再入力を行う事は翻訳作業とやや似ている部分もあります。(2009/09/12)

探偵雑誌日記「鮎川哲也登場」

「中川透」が「鮎川哲也」のペンネームを使用したのは、長編募集の13番目の椅子の「黒いトランク」からです。

しかしそれ以前にも、幾つか色々なペンネームで書いています。

最近それらが発掘されており、活字になった最初は何かと問題になるとは思います。

しかし、一応は雑誌ロックの「月魄(つきしろ):那珂川透」とされています。

本格でなかったり、目次で作者名が誤植だったりしますが作者が否定していません。

その後は色々な名前で作品を発表しています。

ロックにももう1作、本格物を発表しています。(2009/09/27)

探偵雑誌日記「進まなかった木々・乱歩論争」

戦前の「木々高太郎・甲賀三郎論争」はあるていど有名です。

本格論争とか、文芸派とか探偵小説芸術論とかは時代によってニュアンスが変わるので今現在読むと理解しがたい部分が多いです。

まだ海外の状況が正確に広く知る事が出来なかった時代ですから、井の中の蛙状態とも思えます。

しかし、情報が増えたからと言って根本が変わるわけでありません。

何が面白いかは読者が感じる事で、どれが優れているかは多くの読者には感心がありません。

実作が伴わない論争は説得力がありません。そして、元々主張に根本的な差が少ない場合は論争として発展しません。

ロックの編集者がもくろんだ、「木々・乱歩の論争」は乱歩の「一人の芭蕉の問題」という有名な論考を残して自然消滅しました。 (2009/10/12)

探偵雑誌日記「編集者交代」

ある程度順調に発行された第2巻の前半ですが、後半から再び発行ペースが不規則になってゆきます。

その中で、編集者の交代がありました。当時は編集者が穴埋め文を書いているとも言われていますので影響も大きいかもしれません。

まずは、判型がかわりA6という雑誌標準サイズになりました。

内容が増えたかどうかはすぐには分かりません。ページ数では単純比較できません。

そして隔月発行になりました。通常は、不規則発行の前兆になる事が多いです。

掲載作家が、少しずつ変わってゆく気がします。目玉になる作者を探した様に思います。

叢書の発行や増刊の発行と活動は広がっていますが、本誌の充実・定期発行以外は雑誌の順調さはわかりません。 (2009/10/27)