探偵雑誌日記(2016/09-10)

「謎の深い同人誌」

いつの時代でも、地方や同人出版はある。

昔は、ガリ版刷りで、今はコピーも可能だ。

何かを追うと、それらの存在に気づくが大抵は見付からない。

そもそも噂なのか、現存するのかも判らない事も多い。

ましてや著作者や出版者が不明は普通の事だ。

希に重要な情報があるから困ったものだ。

それが醍醐味というマニアも多く、復刊作業を行っている。

それも同人出版なので、見逃す事も多い。(2016/09/12)

「予告は信用出来ない」

雑誌に予告は付きものだが、その精度は低い。

そもそも、準備を終えている訳で無い。

前号後に、次の準備をするのだから予定通り行かない方が普通だ。

連載物もしばしば休載があるので、号数だけでは判断出来ずに実際に見るしかない。

また、単行本時の連載表示は休載号の表示はしないものだ。

それも当てに出来ない。

雑誌の全号収集・読破は難しく、色々な推測で補うが漏れは生じる。

これがコラム系になると、目次でも内容が怪しいものがある。

日本のミステリー作家に完全な書誌がない理由のひとつだ。(2016/09/27)

「別名義発表」

作家とペンエームは繋がりが大きい。

だが全てが公表されていない、知られざる別名義も有るはずだ。

雑誌を中心に、間違いが多い時期だから似た名前は判断が難しい。

内容からだけで、作者の同一性の判断は難しい。

登場キャラクターが同じならば一応は信じるが、複数作家の合同名の可能性は残る。

江戸川乱歩の影響か、海外有名作家のもじりも多い世界だが、深読みし過ぎもまたある。

むかしにも誤報や風評はあるので、出典によっては信頼出来ない。

別名義の使用理由は多様だが、後世のファンと研究家泣かせだ。

雑誌編集経験のある作家が多いのも特徴で、無名義文はなやましい。(2016/10/12)

「埋もれやすい少年・少女向き雑誌」

雑誌の全貌はなかなか掴みにくい。

特に少年・少女向きの雑誌は図書館の収集も少なく、保存も悪い。

一般読者は読み捨てで、小説が単行本になる事はほとんど無い。

作者がどの程度、力をいれて居るかの判断は難しい。

そもそも、入手困難だから研究も進んでないし、進む可能性も不明だ。

だが単行本は人気が高く、レアものが並ぶ。

その次の興味が少年・少女向き雑誌に行くのは自然だ。

そして、調べると徐々に作者や資料的な新しいものが見付かる。

まだまだ奥が見えるには時間がかかりそうだ。(2016/10/27)