探偵雑誌日記「戦前・戦後の雑誌アンソロジー」
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戦前・戦後の探偵小説雑誌のアンソロジーが、継続的に出版されています。
ミステリー文学資料館編集という事で、資料性をも考慮されています。
ただ、どうしても対象がマニアに限られるようです。
安価な文庫版で、内容も工夫がされています。
ただし、需要的にはあまりないようで、売れ行きは限られているようです。
単行本のない作家や、作品数の少ない作家に興味のある人は存在しますが、通常商業出版は難しい様です。
電子書籍は、新刊でもタイミングで価格が変わるという事です。
作者と連絡がとれない(含む死去)が多く、疑問点や文章等の変更も伴います。(2012/09/01)
探偵雑誌日記「ミステリー文学資料館」
20世紀末に開館した「ミステリー文学資料館」があります。
以降、定期的に光文社文庫から、戦前戦後直ぐの探偵雑誌の資料を出しています。
マニアには、見逃せないものが多いです。
ただ、質・量的には、戦前の「新青年」と、戦後の「宝石」が圧倒しています。
最近では、この二つを特集している内容が続いています。
読者数が確保できれば、作品は沢山ありますが、著名な雑誌だけに微妙です。
有名な雑誌は、知名度も作品も多いが、情報もバックナンバー等も行き渡っています。
それにミステリ愛好家の内に、古い探偵雑誌に興味のある人の比率は多くなさそうです。
バランスの良いアイデアが求められます。(2012/09/16)
探偵雑誌日記「著作権者不明」
古い雑誌にわずかだけ掲載された作家を中心に、現在音信不通の作家がかなりいます。
生存かどうか不明・・・著作権の存続が不明でもあります。
一応は、著作権者名簿はあるようですが、抜けやメンテナンスされていない事は多いらしい。
そもそも、ペンネーム等で確認出来ない事は普通です。
特に昔は、ひとりが多くのペンネームを使用していました。
また、同姓同名や似た名前で、判断できないこもあるでしょう。
故人では、死亡年が不明では、著作権の有無が不明です。
著作権が生きていても、継承者が不明の事も多いです。
幻の作家は多いのです。(2012/10/01)
探偵雑誌日記「雑誌と単行本との内容の差」
雑誌連載を単行本化するときは、かなり手を入れる事が多いです。
出版事情の良い作家の場合は、連載終了と単行本出版との時間差を見れば予想できるともいいます。
ただ、出版事情が変わっていますので、あながちそうとは言えなくなっています。
現在では、ワープロ化も影響して多く手を加える作者が増えています。
昔の雑誌は、勿論手書きですので修正と清書は時間がかかりました。
それでも、時間をかけて推敲するのが普通です。
作者存命の作品で、雑誌等と単行本の内容が少しずつ異なるのは、常識でしょう。
復刊時には、単行本を定本にして、雑誌もあわせて使用するのがスタイルです。
いずれにしても、雑誌掲載時に推敲の余地が多い事は事実でしょう。(2012/10/16)
探偵雑誌日記「雑誌の書誌から抜けがちなコラム等」
小説雑誌は、コラム関係は軽視されがちです。
雑誌は、文字どうり内容豊富というか雑多なものが含まれます。
内容を語る時は、掲載小説にのみ目がゆきます。
評論は別にしても、随筆・エッセイ・コラム類が注目される事は希です。
ただし時代が過ぎると、発行時にはおまけ的なものが研究対象になります。
小説のみの研究では判らない事が、しばしば掲載されているからです。
あるいは、多数の名義で書いている人を特定するのに有効な事もあります。
文庫本の、解説も同様です。
発行時と、時代が過ぎた時では異なる評価の解説も多いです。(2012/10/31)