探偵雑誌日記「探偵小説雑誌の新人賞募集」
小説雑誌と文学賞は、昔も今も深い縁があります。
寿命の短い探偵小説雑誌でも、かなりの雑誌が新人賞を募集しています。
流石に、長編小説の募集は掲載・出版・賞金・下読み>選考システムなどの問題が多いです。
短編小説の場合は、ハードルがかなり低くなるので度々募集されました。
新人賞に権威とか知名度というものがあるとすれば、それは受賞者のその後の活躍でしょう。
特に、第1回は象徴的になります。
歴史に残るのは、受賞者の活躍とそれに付いて廻るプロファイルです。
寿命の短い雑誌に終わっても、新人賞作家によって有名になる雑誌もあります。
ただ一般的には、新人に次作以降を発表する場を与えるという意味で、短命雑誌は厳しい面はあります。 (2010/11/10)
探偵雑誌日記「探偵小説雑誌の全巻揃い」
一部を除いて、探偵小説雑誌の寿命は短いです。
従って、発行冊数も少なく全巻揃いが容易に思えます。
しかし、雑誌は性格上保存がされる事が少ないです。
それと同時に、雑誌は発行冊数が明確でない事が非常に多いです。
増刊・別巻・別冊・準備号・雑誌名の変更などが、非常に多いために抜けが多いのが実状です。
そして、次号予告されたままで廃刊(休刊?)になっている場合も無視できません。
発行されているのかどうかが、不明のままという事は多いのです。同様の事は、発禁処理も含みます。
そして一番厄介なのが、痛みによる読めない汚れや欠ページです。同様に落丁もあります。
誤植は基本は全部に起きますが、一部のみの不具合品は全巻揃いとは呼び難いです。 (2010/11/25)
探偵雑誌日記「雑誌の定義」
雑誌とは、色々なものが盛り込められた定期刊行誌とします。
ただ、どのような定義をしても境目の曖昧なものは生じます。
たとえば年鑑はどうなのでしょうか、雑文は少なく形式は多くは決まっていますが、年間雑誌とは言わないでしょう。
複数の作家の小説等を並べた刊行物はどうでしょうか、名称らしきものがあって番号があれば雑誌でしょうか。
ややこしいのは、どこかにちらっと、「増刊」「別冊」の文字が入っているときです。
会合・倶楽部の機関誌はどうでしょうか?、会員限定と登録者向け通信販売の区別は難しいです。
法人発行・出版社発行と、個人またはグループ発行の同人誌との区別も微妙です。
フリーペーパーや、叢書投げ込みの月報はどうですか。
小規模出版が容易になった時代、雑誌の購入者が減少した時代にはもっと複雑になるでしょう。 (2010/12/12)
探偵雑誌日記「自然消滅」
雑誌には、予告なしの消滅がしばしばあります。
消滅というのは、廃刊なのですが、休刊予告からそのまま休み続けているものも含みます。
廃刊も休刊も、経営的に破綻しているのですが、発行者の気持ちは休刊です。
それが実現する事は、希な事です。休刊しても、情勢が変わる事はほとんど期待出来ません。
ただ、後日に雑誌を見ても廃刊号は判りますが、休刊の時および予告なしの時は最終号の特定はかなり厄介です。
いまは、色々な研究者がかなりの全貌を公表しています。
それに抜けがある事は、たぶん希でしょう。
ただ、マイナーを通りこした同人誌では、全貌不明も多いでしょう。
探偵小説誌でも、知られていないものはある可能性はあります。 (2010/12/26)