探偵雑誌日記「版型変更の多い雑誌」
雑誌類は保管する場合は、版型が同じ方が便利です。
所が、版型の変更はかなり多いです。
特殊な版型を、標準に変えるならば意味は判りますが、理由が分からない事が多いです。
版型が変わると、書店の置き場所も変わる、探しても見つけにくいです。
デメリットの方が多い筈ですが、結構多いです。
昔は、紙が無かったから入手の都合で変わったという説がありますが、そもそも長く続いたものが少ないです。
ただ、長く続いた雑誌でも「大版」がかなりありますし、異形のものも多いです。
読み捨て的なイメージが強かったのかもしれません。
それは、現代にも続いていて、時々版型変更は行われます。(2012/03/05)
探偵雑誌日記「改題転載」
現在の一般雑誌では、ほぼ考えられない事ですが、昔の雑誌は個人発行が多く、無断掲載がありました。
それをする程の作品・作家では、転載は直ぐに判るので、題名を改題する事が多いでした。
購入して読むまでは、転載かどうかが判らない仕組みです。
現在でも、題の変更はたびたび行われますし、本の中に注記があっても見落とす事はあります。
また複数の作家が、復刊時に改題を求められたという証言もあります。
昔は、作者に無断で転載していますから、かなりひどい状況です。
おまけに、小さな雑誌が乱立しては直ぐに消える時代ですから、内容が酷く違法なものも有りました。
昔の事だし、現在も注意しないと似た事はあると割り切るしかなさそうですが、そうは行かない時もあります。
目次から古い雑誌を探して購入する人や、古い作家の書誌・リストを作成している人には悪魔のような存在です。(2012/03/20)
探偵雑誌日記「昔の雑誌の翻訳小説は完全訳が少ない」
翻訳は難しいですので、誤訳はつきものです。
ただし、抄訳や翻案的な訳は、掲載時に注記がないと読者は判らないので困ります。
調べると言っても、新訳をしないと判りません。
そして、新訳の完訳を謳っても、元の旧訳のレベルが判らないと再読すべきかどうかは不明です。
そもそも、現在の翻訳力でも完訳の保証はありません。
それに、元々の原書に間違いがあるはずですので、完訳で良いかどうかも疑問です。
原書の明らかな間違いはどうするかは、永遠の悩みです。
ただし、同一作者の別の本の訳でも存在すると、随分と参考になると思えます。
従って、時代と共に翻訳レベルは上がる事が期待出来ます。(2012/04/04)
探偵雑誌日記「校正不足の雑誌」
雑誌の制作時間は、短いです。
その内容については、1回勝負で割り付け・校正・挿絵・グラビア等全てを行います。
その中で、出来不出来が一番判り易いのが、校正です。
原稿自体にも、問題は多数あるでしょうがそれの修正を含めて正しくするのが校正作業です。
編集者校正と作者校正が最低はある筈ですが、昔は作者校正がなかったと思えるものが多いです。
誤字・脱字はもとより、明らかな勘違いがそのまま掲載されているものが、かなり見つかります。
特に、文字に関して旧書体の文字が使われていた時代では、作業的にも厄介な面が多いのでしょう。
送りかなや口語体の表記が混ざっている事も多いでしょう。
復刊とかアンソロジーでは、書体・口語体に関しては統一されています。(2012/04/19)