探偵雑誌日記(2013/07-08)

「準備号」

雑誌には、時に準備号があるらしいです。

売れ行きの悪い雑誌の改題時や、不定期発行単行本を雑誌形式に変える直前等、理由は多岐です。

そして、あまり目につかない所にそれが書いてあるという事が多い。

そのまま、消えるか正式刊行になるか?。

いずれにしても創刊号以前というのは、盲点です。

全巻揃いは、一つのステータスですが、準備号があるときは抜ける事が多いです。

そもそも、創刊号以前には誰も気がつかないでしょう。

増刊・別冊以上に見落とし易いでしょう。(2013/07/13)

「ロックはメジャー雑誌?」

作家別の復刊選集や、時代・テーマ別アンソロジーが時々出ます。

その時に取られる作品の初出をみれば、当時のメジャー度が推測できます。。

短命雑誌の多さに驚きます。

またややこしい、同名だが異なる雑誌の存在もあります。

「ロック」は、マニアではメジャーな存在の様です。

古書カタログやオークションでも見かけますし、復刊時に初出誌が見つからない事はありません。

今の目からは、内容は全部が充実とは言えないが、当時のレベルでは一応高いのでしょう。

それに、代表作の後年の復刊はかなり多いです。

雑誌名も慣れれば、探偵小説雑誌と覚えてしまいます。(2013/07/28)

「水上幻一郎探偵小説選」

アンソロジーや作品集に「ロック」初出作品が採られる事はあります。

マイナーな出版では、戦前・戦後間近のマイナー作者の作品集が最近登場しています。

マイナーとは、一応今頃に漸く最初の作品集が出るという意味で良いでしょう。

水上幻一郎もその一人です。

よほどのマニアでないと、読んでいないか2−3作でしょう。

今回、全集の形で初めてです。

初出主義で、アンソロジー掲載とは異なる部分もあるらしい。

ロックには、1作のみですが比較的知られた作品です。

ロックの落丁の多い初出からの原稿起こしは難しいでしょう。(2013/08/12)

「雑誌名」

専門誌を一般販売する時は、判り易い雑誌名が普通です。

奇妙な雑誌名で、間違って買う事を期待したのではというものも有りますが・・・。

しかし、戦前・戦後の雑誌は「探偵」「推理」とかがついているものは半数程度です。

「ロック」も、直ぐに判るとは思えない雑誌名です。

鍵、鍵をかけるから、鍵のかかった部屋に繋がります。

ゆきつく所は、密室でしょうか、その題名の雑誌もあります。

探偵という言葉を、出さないメリットは現在ではわかりません。

ただ、曖昧な方がいざと言うときに総合誌に変われます。

「新青年」は総合誌ですが、「宝石」はどのコンセプトだったのでしょう。(2013/08/27)