探偵雑誌日記(2015/05-06)

「戦後は娯楽が少なく、紙も少ない」

雑誌や映画の製作年を見ると、戦後直ぐに増えたと判る。

品質を語るべきでない時期とも言えるが、それなりに頑張っていると感じる。

雑誌出版には、紙不足という壁が有った様だ。

一冊の中で複数の種類の紙が使用されている。

仙花紙という、透けて見える紙かと悩む材質も使用されている。

ところがその少し後に出版された酸性紙が既に、ぼろぼろに崩れて保管さえ難しいが、戦後直ぐは保管に耐えている。

仙花紙を中心に、活字が崩れている部分は仕方ない。

読めさえすれば、復刊は可能だ。(2015/05/04)

「地方発行雑誌」

戦後の混乱時にどこが地方かと区別も難しい。

ただ、東京中心でそれ以外と考えて良いだろう。

大阪や名古屋でも、発行部数やその後の古書になってからの入手容易性は劣る。

作家は東京集中でなかった筈だが、地方雑誌の知名度は一般に低い。

発表の場があったのか、依頼されたのか、原稿代の絡みか意外な雑誌で作品が見つかる。

雑誌を選ぶ時代では無かった様だ。

現在は雑誌は赤字で、他の部門との兼ね合いで出す事も多いと聞く。

戦後は、状況は違ったと言われている。

少なくても、仕事がないから出版をと考えても不思議は無かったらしい。(2015/05/19)

「カタカナ雑誌名」

戦後は、英語やカタカナ語の使用禁止がなくなり、雑誌名にカタカナが増えた。

基本は目立つ事が目的だろうし、どこかにモダンとか他との区別を付ける動きだろう。

逆にオーソドックスな名称も目立つ事もあるし、何の本か判らない事も利点も欠点もあるだろう。

とにかく、戦後らしさはあちこちに出る。

翻訳は、決まりが出来るまでは手探りだったようだ。

権利関係はかなり遅れた印象がある。

英語と日本語の差が多く、翻訳特例も後日設けられた。

敗戦国日本への西洋文化持ち込みは、課題だったようだ。

日本文化の西洋持ち出しは探偵小説で先になる。(2015/06/03)

「時代小説雑誌」

戦前・戦中は、探偵小説は規制が大きく発禁もあった。

多くの作家が、時代小説を書いた。

時代小説雑誌の全貌は知らないが、幾冊は保有している。

殆どは、探偵小説の名を見つけた時だが、他の専業?作者はほとんど知らない。

その時代の作者で、その後にも残った人は限られるのだろう。

また異なるジャンルは、異なるペンネーム使用も多い。

色々な事情が重なって、別名義が氾濫した時代であり、後年に研究者を悩ませている。

作者が、使用した名前を公表する事は以外と少ないようだ。

まだ、単行本とか復刊とかでの著作権が曖昧な時代でもあった。(2015/06/18)