項目別バックナンバー[4]:ショップ情報:65
置き配の進展
ネット通販事業者の拡大手段としての「置き配」はネット通販大手のアマゾンが進めて来たが、他のネット通販事業者でも注目して置き配サービスの対応を進めて来た。
最近では新型コロナ・ウイルス感染問題が起きて、宅配配達者と利用者=受取人との接触を避けたい状況になった、その事から前回の日本郵便を含めた宅配業者ではアマゾン以外での注文品の配達時においても、要望があれば「置き配」への対応を行っている、具体的には不在通知票があった場合の再配達依頼時に「置き配」指定を受け付けている。
現状で置き配が利用できる宅配業者には下記がある。
・ヤマト運輸 ・佐川急便 ・日本郵便
・デリバリープロバイダ ・楽天エクスプレス
ネット通販事業者でも対応事業者が拡大しており、置き配が利用できるようサービスの範囲が拡がってる。
・通販管理システムの拡大
・ノウハウ蓄積
・包装方法の改良
・宅配ボックス・コンビニ配達等
・電子メール通知(前日・当日・完了)利用
置き配を進めているネット通販サイトでは、それぞれが利用手順を定めてホームページや決済画面等で公開している、細部についてはそれぞれで確認が必要だ。
最初にデフォルト設定があり、利用者がその内容以外に変えない時は、デフォルトが対応方法となる。
置き配の初回利用時にはオプションの設定が必要でそれが登録(記録)される、設定しない場合はデフォルト設定が初回利用内容となる。
繰り返し利用の場合は前回のオプションが引き継がれる、変更はいつでも可能だが利用内容に変更がない場合は前回の配送オプションが引き継がれるので毎回の指定は不要となる。
置き配が広がった事で、変わった事
・置き配の受け取りには、対人応対でもサインは不要。
・一般の対人配達や手渡し配達でも、サイン不要が増えた。
・置き配での配達完了は電子メールやショートメッセージで連絡される。
・郵便ポスト投函配達や対人配達でも、メール等の連絡が増えた。
・配達前日から、メール等の配達予定連絡が増えた。
・宅配ボックスや自宅の玄関などで利用可能で、対応内容が増えた。
・「置き場所を指定」「ダンボール回収する」「配達直前の電話連絡」等の、追加サービスも登場している。
置き配を進めているネット通販サイトではホームページでパソコンやスマートホンからの注文との利用や各種サービスを展開している。
置き配に関しては
・ネット上での各種ツールの整備と利用
・配達方法の改善
・盗難等の事故時の保障
等で動きがある。
ネット上での各種ツールの整備と利用に関しては、置き配に対応したスマホアプリの開発と提供を行う事で、アプリのプッシュ通知機能の使用が可能になった。
アプリのプッシュ通知機能と、電子メールとスマホ・携帯電話のショートメッセージ(SMS)を利用しての決め細やかな、商品の発送・配達予定連絡と置き配の利用予定を通知している、さらには前日通知と当日通知を行い、配達後(置き配後)は配達完了通知を送っている。
ネットのホームページやアプリでは、注文した商品の状況が分かるようになっている、上記メール等での配達予定日・配達完了日等も含めた履歴が確認できる、そして商品未着・受け取っていない等の連絡手段も提供されている。
宅配便配達時の不在とその結果としての再配達が問題となり、その対策として自宅での対面配達以外の方法が考えられた、配達場所としてはコンビニ配達を代表とする自宅以外の受取り場所の利用がある。
マンション特にワンルームマンション等では、古くから不在時配達方法として宅配ボックスの設置が行われていた、ネット通販が増えた事でその増強も図られて来たが、設置条件や費用的な制限も多い。
置き配は、自宅配達でしかも不在にも再配達を行わない配達方法として、ネット通販事業者が始めた。
置き配の場所は複数定められたが、該当する場所がない事も多かった、それに対する対策の手段として、置き配ボックスや置き配バッグが登場した。
宅配ボックスはマンションの備え付け設備だが、置き配ボックスは後からも設置が可能な追加設備になり一戸建てや小規模な集合住宅で使用可能にしたと言う性格がある、ネットでは多様な種類の置き配ボックスが販売されており、機能を(欠点を含めて)競っている。
置き配バッグは簡易置き配ボックスの性格になり、折りたたんで玄関等に設置して、使用時に広げる事で宅配便を入れる事が出来る、風雨やごみから守ると同時に施錠の機能もある、やはりネットでは多数の種類が競っている。
置き配ボックスも置き配バッグも、メリットもあるが欠点もあり、利用者が個々に使用の可否を判断する必要がある。
ネット通販と宅配便が対面での手渡しと捺印・サインの手続きを基本としていたのは、事故や盗難の問題があったからだ、郵便に関してはポスト投函が行われているが法の整備があり同時に対象の制限もあった。
置き配も事故や盗難の問題があり、荷物受取人との了解の下で行われる、配達された荷物(商品)が受取人に回収されない場合でも配達事故になる、電子メールでの通知や、再配達時での置き配指定はこの対策になっている。
簡易型の宅配ボックスや置き配バッグには盗難保険つきのものがある、リスクが予想される置き配に使用される事から、置き配バッグ等の商品には保険会社と共同開発されて保障付きで運用されるサービスもある。
それはネット通販事業者でも同じであり、置き配バッグ提供者を介して盗難保険を利用するケースがあり、事業者自身が保険を利用するケースもある、何らかの方法で盗難・事故対策を行う事で置き配サービスが成立する。置き配の普及と同時に、対面手渡し荷物(商品)でも捺印・サイン廃止が進んでいる、一般的な宅配・通販でも盗難・事故問題があり、置き配と同様に保険・保障を含めた対応が必要であり、その中で最善のサービスを模索している。
置き配はネット事業者のアマゾンが考えだして初めた方法であり、直接には配達方法の変更を意味するが、実際は受注からアフターサポートまでのネット通販全体でシステムを作っている、その方法を追ってみる。
・受注時には受取場所・方法の指定が選べる。
その中に置き配が選べる商品がある。
デフォルト設定が置き配の場合もある、利用者が了解して変更しなければ選 択される。
配達方法には、複数商品の一括発送か、個別発送か希望で選べる。
ただしこれもデフォトは一任が多い、送料や包装等で決まると思うが、ポスト投函可能商品では分割される事もありそうだ。
・配送業者として、アマゾンが提携する配送業者(と記載)が選ばれる商品がある、その中に置き配とポスト投函商品は含まれる、それは宅配業者でなくてアマゾンが置き配を行う意味と取れる。
・ホームページで受注から配達状況が確認できる。
・商品発送から配達完了までは、電子メールやショートメッセージで連絡がある、ホームページとこのメール連絡から商品不達・事故が分かる。
・上記のホームページの配達状況確認システムに、返品連絡や不達連絡が組み込まれている。
アマゾンは返品連絡や事故連絡をデータベースとAIを使用して判断していると言われている、稀に利用すると簡単に手続が終える事も多い。
加えて保険を加えて、事故対策システムを構成している。
ダウンロード販売
ダウンロード販売(Digital distribution)は、電子商取引の一つでインターネット上でのオンラインでの商品販売方法の1つだ。
他にはデジタル販売・デジタル流通・デジタル配信などの呼び方もある。
取り扱う商品は、デジタルデータであり、具体的には、音楽(音楽配信)と画像(電子書籍・デジタルコミック)と、動画(ビデオ・オン・デマンド)とゲームソフト(ダウンロード)とソフトウェアなどがある。
料金決済も基本は電子決済で行い、電子マネーやクレジットカードや銀行振込等で行われるが、それ以外にはプリペイドカードやコンビニ決済も使用されている。
ゲームソフトやパソコンソフトでは、ダウンロードコードの書かれたカードを実店舗や通信販売・ネット通販で購入する方法も行われている、その場合には購入時に決裁は終了するので、購入者はコードを入力してダウンロードとインストールのみを行う事になる、例としては任天堂のゲームソフトやマイクロソフトのOSやオフィスのパソコンソフトがある。
ネット上の購入方法は普通のインターネットショッピングと同じで、データ販売サイトで商品のデータの購入手続きを行い、購入が認証されると契約が成立して決済と同時にデータをダウンロードする権利が得られる。
2020年の新型コロナウイルス感染問題もあり、ネット通販が拡大しているがその中でダウンロード販売も広がっている。
ネット通販の特徴であるオンライン注文と宅配等での商品輸送とオンライン決済の中で、ダウンロード販売では商品輸送もオンラインで可能となる。
ダウンロード販売には問題点や課題は当然にあるが、一般の通販以外のメリットには下記がある。
・包装コストが不要
・輸送コストが不要
・輸送管理コストが不要、紛失事故が無い(原理的には)
・即日配送が可能、通信で完了
・即日納品で決済完了
・大規模通販サイト程集客しやすくメリットが出来る
・クラウドサービスとの融合が可能
・機器との抱き合わせ事業が可能
デジタルコンテンツをダウンロード販売するネット通販ECサイトと通常の物販系のネット通販サイトの違いは何か、あるいは物販サイトはどのようにダウンロード販売に対応できるかが課題になる。
その差はそれぞれの商品では、必要な機能が異なる事と、決済方法への要求が異なる事がある。
デジタルコンテンツのダウンロード販売を行う代表的な商材は下記だ。
・音楽
・電子出版(電子書籍・電子雑誌)
・動画(映画を含む)
・写真
・ゲーム
これらの過去の例を見れば判るが、ダウンロード販売の対象のデジタルコンテンツには「複製されやすい」というデメリットがある、その為にデジタルコンテンツをダウンロード販売するネット通販サイトでは、複製防止の機能が必要になり、そこが物販と大きく異なる。
決済方法については、ダウンロード販売では送料と包装料が不要で少額商品でも通販が可能だがそれに対応できる決済方法が求められる、例えばスマホでの各種のキャッシュレス決済がある。
デジタルコンテンツにはダウンロード販売に加えて、月決め課金のサブスクリプションでのサービスが広がっている、決済方法も対応が必要だ。
デジタルコンテンツのダウンロード販売をネットで行う場合には、現状では販売ルートとしては、「自社でのウエブサイトと自社店舗で販売する方法」と、「既存の大手のモール・ネット通販サイトに出店する方法」とがある。
「既存のショッピングモールでの販売ルート」は、ウエブ上の既存の大手ショッピングモール上に出店して、そこに商品を出品して販売する手法だ。
代表的なショッピングモールとしては「楽天市場」や「アマゾン」がある、それらは有名ショッピングモールなのでモール自体に集客力が存在する、既に多数の人が利用していて新規の出店でもモールの知名度からある程度の集客が期待できる。
さらには、もう一方の「自社サイトと店舗を構築する」場合と比べて、初期投資を抑える事が可能であり、さらには販売開始までの時間も短く出来る。
ただしデメリットとしては、売上がショッピングモール側の手数料を引いたロイヤリティの形になる事がある、それ故に商品の利益率は低くなる。
さらには、既存ショッピングモールには多数の店舗が出店していて全てライバルになる、それ故に何もしなくとも自動的に売れると言う事にはならない、ショッピングモールに集客力があっても、出店者は自社の集客施策が必要になる。
「自社でのウエブサイトと自社店舗で販売する方法」では、ダウンロード販売用の自社通販サイトを作る必要があり、初期費用と構築するための期間・労力がかかる、通販サイトが完成してからもサーバー代やシステム利用料等の管理・運営費用がかかりランニングコストは発生する。
メリットとしては自社での望む内容の通販サイトを作れる事がある、コンテンツや商品に対して独自の技術力やブランド力等があるならば、自社主導で行えるので、結果として自社で顧客を囲い込む事が出来る。
「自社でのウエブサイトと自社店舗で販売する方法」でダウンロード販売をするときには、新たに必要な機能がある。
物販系ネット通販サイトでは商品包装と発送・配達が必要だが、それとは異なりデジタルコンテンツのネット通販サイトでは商品を発送して配達する事は必要がない、故にその経費は不要であり、送料も送料計算の機能もは不要になる。
だがデジタルコンテンツのダウンロード販売では特有の機能が必要になる、デジタルコンテンツは購入者により複製されたり、第三者に譲渡されやすい性質がある、現在では法的に違法であると明らかにされているが、違法行為はなくなっていない。
違法複製が広がると、生産者特にデジタルコンテンツではアーティストや知的生産者・クリエイター等が権利を奪われる、すると良いデジタルコンテンツが生まれ難くなり、その分野が停滞する。
その対策としてデジタルコンテンツの著作権を保護して無制限な利用を防ぐことが必要になり、DRM(Digital Rights Management)と呼ばれる複製を制御・制限する技術が必要となる。
DRMの機能はデジタルコンテンツの種類により異なるが代表的な機能としては、
・ダウンロード回数制限
・閲覧回数・期間制限
・ダウンロード制御 がある
DRM(デジタル著作権管理: digital rights management)は、電子機器上のコンテンツ(映画や音楽や小説やゲームやソフトウエアなど)の無制限な利用を防止する仕組みであり、具体的にはオリジナルのデータを特定のソフトウェアやハードウェア機器でのみ再生できる事にして、第三者による複製や再利用を防ぐ・困難にする技術・管理方法を指す。
デジタルコンテンツは複製しても品質が劣化しない特徴があり高い品質が長期維持できる(データ信号的には理論上は無期限)。
反面では、元のデータファイルから制限無くコピーを生成できる事になる、それでは知的所有権が守られず、新しい知的データの創出が停滞する。
その為に映画産業や音楽産業などのコンテンツの供給者側は、知的所有権・著作権益を保護するためにDRMは必要だと主張している。
そして知的所有権・著作権の保護が、法的根拠になっており、現在はDRMの必要性は一般的に認められている、そして例えば現在のインターネット上の主力フォーマットのWindows Media DRMや、iTunes Music StoreのQuicktimeフォーマットのFairPlayや、PDFのAdobe LifeCycleがDRMに対応している。