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フリーマーケット
フリーマーケットの意味や使われ方は複数あるようだ。
フリー=蚤の意味から「蚤の市」の用語が該当すると言われる事も多い、海外特に欧州での使用方法では広場等で開催される業者と一般人が一緒に行う古物市の意味だった。
日本ではフリー=自由という意味で使われる事も多く、英語のフリーマーケットでも自由市場を意味する英語表示も使われている。
日本では、蚤の市やがらくた市と呼んで開催されて来たが、昔の出品内容に古い・使用済み・幼児の成長で使用出来なくなった的な商品に加えて汚れたとかボロ的な意味を感じさせる内容が含まれていた、そこに日本語の蚤がきたない・不衛生的を連想させる意味もあったとされた。
その為に「蚤の市」の用語は次第に使用しなくなり、フリーマーケット=自由市場として使用される事が増えたと思われる。
日本では蚤の市やガラクタ市が例えば神社などの境内で神社仏閣の縁日やお祭りに合わせて食べ物の屋台と同時に行われた、その中に骨董市と呼ばれる骨董商やアマチュアなどが品物を持ち寄って開く市があった。
規模については全国の名が付く中心都市での規模の大きなものから、地方都市で行われる小規模まで多種類あった、その中には主催者に古物商取引の許可を取得する事を求めるものもあった、骨董市はアンティークフェア等の別名も使用されて名称は拡がるばかりだった。
1990年代以降になり若者や家族向けに企画されて「フリーマーケット」と呼ばれ事になり、場所も競馬場やサッカー場などの付属施設や駐車場、あるいは大きな公園の一角や歩行者天国絡みの所に変わって行った、その代表的な物は規模が大きかった。
その流れの中で「フリーマーケット」の呼称が拡がっていった。
骨董品や使用済品等の実生活のフリーマーケットで扱われて来た物は、パソコンの普及からインターネット時代になると、インターネット上でもフリーマーケットが開催されて次第に多くなり、中古品市場を形成した。
取り扱うものは古くなった生活用品や幼児服・子供服など期間が過ぎると使用出来ないものを中心にあらゆるジャンルが対象になった。
ポータルサイトではフリーマーケットを設置すると共に、インターネットオークションも設置されて常時開催となり定着した。
インターネットショップではロングテールの商品も対象となるが、骨董品や使用済品にはそれに該当するケースが多くあり、人気商品は探求品となりオークションで競りで価格が高騰する事が増えて、フリーマーケットとオークション共に新品購入時の価格と同じかそれ以上の価格で取引される事も増えてきた。
フリーマーケットとオークションという販売方法が普及して来ると、そこで取り扱う商品は転売が禁止されていたり販売に免許が必要な商品以外は殆どの種類が対象となった。
中古品・ユースド品の制約は元々が販売方法や場所が無かった為に対象になっていたが、通常の新品製品の販売店と商品との競合に対して販売力があれば中古品・ユースド品に制限する意味はない、ただし一品品が基本の商品の市場の販売が合わない商品はある。
リサイクルと呼ばれる商品ジャンルがある、リサイクルとは「再循環」の概念であり廃棄物等を再資源として新たな製品の原料として利用することだ、それは資源再生とか再資源化とも呼ばれ、元の商品と同一種の製品に再循環できないタイプの再生利用もリサイクルと呼ばれている。
中古品・ユースド品を部品を交換したり修理したりして、機能を復活したり又は機能向上させた商品をリサイクル品として販売される事もある具体例としてはパソコンがある、それらには一品物もあるが、同一機能の機器を複数にリサイクル品として販売する事もある、これらはフリーマーケットを利用するかは決まってはいない。
一品物の市場はネット通販に向いているとされて来たが、それが拡がると拡大と細分化が進み、複数の販売チャンネルとリアルタイム性が必要となって来た。
ネット上の複数のショップ・モールで販売したり、実店舗と同時に販売したりする方法が模索されている、一品物は売れると直ぐに品切れになる訳だからそれへの対応がないと複数チャンネルでは販売出来ない。
それを人間が管理する事は原則としては不可能だ、それが可能となり実施されている背景には複数の販売チャンネルを統合するコンピュータシステムの存在がある、在庫管理と店頭の状態管理を総合して行い品切れ表示をリアルタイムで切り替える、在庫が入荷した時も同様に一斉に更新が必要だ。
一般にはJRのみどりの窓口の指定席券販売が例として知られている、全国の駅等の入力が一限的に管理されているが最近ではネットでのサービスも一部ではある。
フリーマーケットとオークションのネット通販は一品物の市場の管理システムの存在で普及に対応出来ている。
ネットオークションは入札者が価格を入札して競り上がる形式で行うが、フリーマーケットでは出品者が設定した販売価格で購入者が購入できる仕組みとなる。
そこでは代金の決済方法が問題となる、初期のネット上のポータルサイトでは場の提供のみで決済は当事者間に委ねられていた、しかしそこでのトラブルや詐欺行為が発生し問題となり、ポータルサイト等の事業者が中間に関わる方法が増えてきた。
スマホが登場して急激に普及し、そこにもフリーマーケットサービス(フリマアプリ)が登場したしそれは個人間での物品の売買を行えるスマートフォン用のアプリで、パソコン用と基本は同じだが初心者でも利用可能に操作が簡略化されており、2013年頃から利用者が増え、若年層や女性の利用が増えた事からその利用者に限定したサービスも登場した。
そこでの決済はサービスの提供事業者を介して行われる、先払い代金を事業者が預かり、商品が購入者に届いた後で事業者から出品者に支払われる、この方式はパソコンのフリーマーケットやネットオークションでも拡がっている。
医療品販売
医療品・医薬品は、人の健康を守るための重要なものであるが、高い効用があればある程に副作用のリスクの可能性が高い性格がある、その事から医薬品の使用方法は専門家の知識の下で使用され無ければならないと考えられている。
薬事法で、医薬品の販売方法についてかなり厳密に規制している、かっての内容では殆どの医療品は専門の知識を持った薬剤師等が対面して販売する事を要求していた、その事はインターネットが普及して多数の商品が通販で販売された時でも医薬品に関しては対面販売が不可能なインターネット上通販では、少数の限定的な範囲の商品のみにしか認められていなかった。
その現実の適応状況を見て、対面を要求していても実際には資格を持つ薬剤師が店舗にいない場合が有る事や、適切な処方や服用方法の遵守が不可欠と言うリスク対策が不十分な状態で店で医薬品が販売されている指摘があった。
同時に社会の生活スタイルが変わり、インターネットの利用と通販が一般的に行われている現状や、人や社会の健康意識の向上と医薬品の需要が増えている現状が指摘された、そこからインターネット販売を規制している事が現実の要求と元の目的とに合っていない指摘と批判が出て来ていた。
2009年に販売会社のケンコーコムとウェルネットが国に対して、ネット販売を禁じた厚生労働省の省令を無効だと裁判を起こし、それに対して2013年に最高裁が、原告側の主張を支持するインターネット規制が無効と認める判断を行った。
これ以降に最高裁判決を受けて法改正を検討して行き、2013年12月5日に薬事法が改正されて、医薬品販売のインターネット規制が大幅に緩和される事になり、改正薬事法は2014年6月12日に施行された。
旧薬事法上の規制内容は
・第一類医薬品及び第二類医薬品のインターネット販売は認めらず、これらは 店舗での対面販売のみだった。
・インターネット販売が認められていたのは第三類医薬品のみだった。
医薬品分類
・第一類医薬品:特にリスクが高い>書面を使った情報提供が義務>販売時の対応は薬剤師
・第二類医薬品:リスクが比較的高い>情報提供は努力義務>販売時の対応は薬剤師または登録販売者
・第三類医薬品:リスクが比較的低い>情報提供は不要>販売時の対応は薬剤師または登録販売者
ケンコーコムとウェルネットが起こした裁判の最高裁判決内容の骨子は
・第一類・第二類医薬品のインターネット販売を一律に禁止する厚生労働省の規制は、憲法の職業活動の自由を制限する、薬事法の規定には通販サイトでの販売を規制すべき趣旨を明確に示れていない
・薬事法の成立時、国会が通販サイトでの販売を禁止する意志は持っていない
・通販サイトでの販売の一律禁止は法の趣旨に適合しない
改正薬事法では「要指導医薬品」の概念が導入された、それは一般用医薬品と医療用医薬品の中間で「効用が非常に強い」「医療用医薬品から一般用医薬品に移行されたばかりでリスクが未確定」「使用実績が少ない」医薬品だ、要指導医薬品は3年の安全調査期間に安全性が確認出来ればその後に一般用医薬品に移行する、「要指導医薬品」は対面販売を必要とするのでインターネット販売は出来ない。
一般用医薬品は99%以上が、改正薬事法でインターネット販売が可能になると言われたが無制限ではなく、ネット販売ができる業者の条件や販売用ウェブサイトの表示内容には規制が設けられている。
改正薬事法で医療品のインターネット販売が可能になったが、実際には薬局としてのインターネット販売には条件・ルールがある。
インターネット販売が認められるのは「実際の店舗を有する、薬局や店舗販売業の許可を持った販売業者」と定められている、無店舗の業者はネット販売をすることは出来ない。
医薬品のインターネット販売が出来る実店舗にも要件がある。
1:週30時間以上開店していることが必要
2:実店舗において購入者の見やすい場所に店舗名などの標識がある
3:購入者が容易に出入りできる
4:常時薬剤師または登録販売者が配置されていること
上記実店舗を有した業者でもインターネット上で販売が認められる医薬品は制限がある
1:その実店舗において貯蔵し、陳列している医薬品であること
2:ネット以外に、対面や電話での相談体制があること
が求められる。
医療品のインターネット販売には「有形店舗のルール」がある、簡単に言うとネットでの販売ルール以外に、実店舗がキチンとしたお店かどうかが確認される事になる。
インターネット販売はウエブサイトで行うがそこにも記載事項が定められている、一般用医薬品をインターネット上で販売するときには、そのウエブサイトには次の事項の表示にる必要がある、これらは特商法での記載必要項目に医薬品特有の事項が追加されている。
1:トップページに店舗名称を表示
2:ウエブサイト上に実店舗の写真を掲載
3:ウエブサイト上に、現在勤務中の薬剤師・登録販売者の氏名などを掲載
4:ウエブサイト上に許可証の内容(開設者名・所在地・所管自治体など) を載せる
5:ウエブサイト上に営業時間外を含め、販売業者の連絡先(電話番号、メールアドレス)を掲載
医療品のインターネット販売のルールは細部まであり、インターネット販売では薬剤師・登録販売者から消費者に情報提供・販売が行われるためのルールも定められている。
1:購入者が情報提供内容を理解した旨を確認する
2:購入者に再質問がない旨を確認する
3:妊娠中など薬の服用に注意が必要な場合を掲示・表示する
4:乱用などのおそれのある医薬品(かぜ薬や咳止めなど)は販売個数を制限 する
5:使用期限を表示し、使用期限切れの医薬品の販売を禁止する
6:オークション形式での販売は禁止
7:購入者によるレビュー、クチコミ、レコメンド(推薦)は禁止
これらの禁止ルールはインターネット販売だけでなく、実店舗での販売においても同様に適用される、実店舗と同じ内容がネット販売でも要求されると考えられる。