項目別バックナンバー[4]:ショップ情報:20

在庫

ネットショップは無店舗ショップですが、同時に無在庫ショップである場合が 多くあります。
ビジネスの問題のひとつが、不良在庫を抱える事ですから、在庫を減らす事は 非常に大きなメリットです。
ひとつは、ウエブショップ担当部署と製造・在庫保管・配送部署が異なるとい う通常のビジネス・ショップでもありえる形態です。当然ながら全国展開の ショップでは、全体での在庫状態で対応するシステムが作れます。
つぎに、注文生産があります。これはネットショップに限りませんが、手順と しては一番ネットショップが相性が良いでしょう。例としては、DELL等のパ ソコンの製造・販売があります。この場合は無在庫といっても、完成品の在 庫がないという意味です。ネットでの注文が決済されると、同時に東南アジ アで生産が開始されます。(実際は仕上げ加工)

無店舗ショップは、通常の製造>卸>小売りの流通システムを前提としていま せん。上記のどの位置でもネットショップに参加でき、それぞれの立場で無 店舗化をはかります。
製造は直販+注文生産の形が、ひとつの考え方です。完全な無在庫は無理でも 流通の簡略化で対応します。
卸は、製造が直販能力が無いときと、直販と小売りの双方を行い小売りはシス テムを軽くする時に利用します。ネットでは、卸というよりも広告代理・販 売代理的な要素が強くなります。在庫量はその役目によって変わるでしょう。 在庫を少なくする役目に特化する事も扱う品目や形態で可能になるでしょう。

ネットショップでは、在庫数を表示している場合もあります。また在庫切れの 場合は注文後の推定発送期間を表示している場合もあります。後者はメーカ ー取り寄せ期間でしょう。海外直輸入の場合は、こうは行かないでしょう。
ネットショップの特徴は、無店舗・最低在庫ショップですが、同時にいわゆる ロングテール商品(購入者が限られており購入数が限られている。一般の小 売りでは無理でもネットでは、検索で見つける事が多い)を取り扱う事も多いです。
ロングテール商品では、在庫を持たず数の多いカタログ掲載が有効になります。 注文・取り寄せで可能になるケースが多いです。

ネットショップの特徴としてロングテール商品があげられます。同時に、オー クション・フリーマーケット等の存在があります。
ここで扱われる商品は、1品限定がほとんどを占めます。1品を在庫と呼ぶの かは微妙ですが個々には在庫オーバーとは言えないでしょう。
最近は、この分野にもネットショップのみならず通常ショップが参入していま す。カタログ販売や各地の市に出品するよりも効率は良いです。オークショ ンではストア登録が拡大してきています。そこでは、やはり全体では大きな 在庫の保有になります。
ストアがオークション等を利用する時は、新品・新古品を扱う時と中古・使用 済み品を扱う場合があります。後者は一般的に在庫を持つ事になります。 前者では、注文後発注か売れ残りの返品が可能な商品の場合は無在庫化が可 能になります。

日本では再販制の製品が存在します。つまり売れなければ返品するシステムで す。代表は(一部を除く)流通にのる書籍です。ネットの普及と、大規模書 籍店が増加するまでは非常に多くの小売りの本屋がありました。現在は減少 の傾向にあります。
書籍の流通は、出版社・卸・小売りと連なるのでマージンが多くかつ、品揃え が不十分になりがちで、これらに対応したネットショップの普及の影響は大 きいと言えます。
この場合は在庫というは言葉は存在しますが、現実は出版社が在庫を抱える事 になります。そして余分な流通ルートの整理も行われます。
注文生産以外は、どこかに在庫が存在します。ショップが無在庫でも全工程が 無在庫にはなりません。
マスターからのコピー商品は、実質的には無在庫に近いです。デジタル情報の ダウンロード販売が該当し、ネットビジネスの本質とも言えます。


ネット貸本

本は商品ではなく情報である人は多数存在します。
その人は、テキストを読む事に意味があります。従ってそこに、貸本の存在意 義があります。
この方式を可能にしたのは、常時接続のブロードバンドです。ダウンロードす るのでなく、貸し出し期間中は接続して読む事が可能になります。
この方式が普及するかどうかは、不透明です。
しかし、いかにもネットビジネスならではの形態・ビジネスモデルです。
問題点や発展可能性は充分に調べる必要があると思います。
このビジネスモデルは、動画ストリーミングなどでも多く存在します。

筆者は、ネット貸本サイトに登録しています。しかし利用した事はまだありま せん。そこでは「短期」「長期」の2モードありますが、私には短すぎます。 私の読書スタイルとは合わないのです。
もう一つの問題として、ダウンロード販売と比較して借りる価格が高すぎる様 に思います。前提としてこのビジネスモデルは、本は読み捨てとされている のでしょう。私は、音楽ほどではありませんが、本は再読する事が多数あり ます。従って貸本の場合はかなり安価でないと不満です。
本に限らず、時間制限のレンタルが成立する条件は時間内に終了する事です。 これはライフスタイルの問題です。時間制限のレンタルが成立している様な 状況は使いすて的なライフスタイルが普及しているのでしょう。ブロードバ ンド使用の貸本は資源の廃棄が少ないので、意味があるのでしょう。

前回まではPCとネットレベルでのダウンロード書籍でしたが、最近増加してい るのは、携帯電話で読むスタイルです。
ケータイ小説というスタイルもそのひとつで、主として若年層向けに書かれた または誰でもが書いてアップした小説を読みます。人気があると書籍化されています。
またダウンロードで、購入して読むスタイルもあります。これは広い世代対応 である程度の品揃いがされています。これは、PCと同じスタイルです。
携帯電話で小説等を読むスタイルは、拡がる可能性がありますが現在は従量制 通話料金のためダウンロードが基本です。移動体ブロードバンドが普及して はじめて貸本のスタイルが生まれると思います。
PCと携帯電話を比較すると、携帯電話で本を読む方が可能性が高いかもしれま せん。固定料金制が実施された時に結果は分かるでしょう。


旅行関連

旅行関連サービスのネットショップは、ネットビジネス初期から始められてい ました。その利用規模は急激な広がりでした。
初期に作られたサービスショップは現在は、総合ネットショップの一部になっ ています。逆に言えば、総合モール・ショップにとって、旅行関連サービス は必要不可欠といえるのでしょう。
旅行関連は、大きく分けると
 1:宿泊案内・予約
 2:交通案内・ルート検索・予約
 3:パック旅行予約
になるでしょう。勿論、これ以外のサービスも登場するのがネットビジネスです。

ネット初期では、自分で検索エンジンで情報を集めて旅行計画を立てていまし た。これは関連会社・宿泊施設がサイトを開設して、そこで予約を受け付け ている現状でも変わりません。
急激に増えたのが、これらの個別サイトを集めた旅行関連のポータルサイト・ 総合ショップです。そこでは個々のサイトは、支店を持ったりあるいは、ポ ータルサイトがリンク集のようになっています。
旅行関連サービスは、総合モールでは必須のアイテムになって来ています。こ の分野を持たない総合モールは、物品販売ショップ・デパートと言うべきで しょう。

パック旅行プランは人員集めが重要な課題でした。
この部分にネット・サイトでのプランの参加募集が重要になっています。わざ わざ旅行代理店に行かなくても、ネットで探してネットで予約するシステム は利用者の急増を期待させるものです。
特に専門のポータルサイトからリンクされていると、多くのアクセスが期待できて有効です。
逆に言うと、利用の多いプランを多く掲載する事でアクセスと利用の相乗効果 が出るのでアイデアと厳選が行われます。
結果的には、平均的な利用者にはより使いやすくなります。
この事から、平均的な利用者向けの大型ポータルサイトと、ロングテール的な 少数の利用者に有用な特殊な情報を扱っているサイトに分化すると予想されます。
現実的には、大型ポータルサイトが、ロングテールサイトをもあわせて運営す る事もあります。

実際に、旅行関連ポータルサイトを訪れるとそこに集められている情報は幅広 い事が分かります。宿泊設備を例にしても、規模や種類などバラバラに集ま っています。そこから、目的にあう所を探すしくみも作られています。
ポータルサイトや利用者からは、探すには便利ですが、出店や機能の使用料は 必要です。独自のサイトまたは、グループサイトを作って運営している場合 も多くあります。特に低価格のビジネスホテル関係は、運営方針が別れるようです。
繰り返し利用者が主体の所と、初利用者を集める事が目的ではかなり変わりま す。集客の必要度でポータルサイトに参加するかどうかが変わります。
大きな規模のポータルサイトでも、情報の偏りは避けがたいことは利用前に認 識が必要でしょう。それは通常は別に問題ではないといえるでしょう。

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