項目別バックナンバー[4]:ショップ情報:73
電子書籍ショップ
電子書籍は、電子書籍店・販売店・ショップ等から販売されている。
電子書籍は、通常の書店での紙媒体書籍購入とは異なり、購入方法はネット通販で流通方法としては電子データをインターネット等の通信方法で販売
して配布する。
それ故に、音楽、映画等の映像、ソフトウエアの販売方法と類似している、ただし電子書籍ではデータ量が少ない事や書籍故の特徴がある。
現在では、電子書籍販売では、サーバとクラウドシステムを展開して顧客ごとにマイページを提供して販売(購入)履歴を管理している、そこでは売り切りだった紙媒体書籍とは異なるサービスを展開している。
顧客の囲い込みが書店・顧客双方に有用になり、そこではクーポンやセール、ポイントサービスを活用してのサービスが展開している、無料で読める電子書籍や、期間限定、キャンペーンが度々行われている。
電子書籍を販売する電子書籍ストアによって、購入できる電子書籍の数やポイントサービスの有無、対応のブラウザ、キャンペーンなど、各社のサービス内容が異なり、競い合っている。
電子書籍店は多数あるが、基本的な書籍は出版社が著作権を管理して展開している、それ故にタイトル的には差がない、その中で独自の書籍を扱い、サービスを含めて特異なジャンルの特化をはかる例もある。
電子書籍ショップでの課金方法はデータを扱う事から多様だ。
・都度課金
・時限制レンタル
・定額制電子書籍読み放題サービス
・自動課金
自動継続課金
サブスクリプション型課金
新刊自動購入サービス
前払い定期購読
・無料サービス
試し読みサービス
広告配信型電子書籍配信サービス
・その他のサービス
リサイクル型電子書籍配信サービス
完全店頭決済型電子書籍レンタルサービス
都度課金とは、商品購入する都度に決済する方式だ。
個別購入で単行本1冊ごとに課金する、その積み重ねで多数を購入・まとめ買い(一括購入)もある、課金のタイミングが購入時になる。
定期購読とは、発売日に電子書籍を自動的に購入できるサービスを指す、その課金のタイミングやサービス内容は多様だ。
・月額ポイント購入型自動継続課金
月一定のポイントを自動継続で購入し、購入したポイントで電子書籍を購入する。
ポイントが足りなくなれば都度ポイントを追加するか、月額コースを新たに登録して旧・月額コース解約が必要となる。
ポイントには有効期限があり、キャリア決済(携帯電話会社の料金回収サービス)、クレジットカード決済等に対応する。
・新刊自動購入サービス
予約(登録)した新刊(続刊)を、発売日に自動的に購入できるサービス。
基本にはクレジットカード決済のみに対応する。
・一括前払い定期購読
一括前払いでの定期購読だ。
雑誌によって3ヶ月・6ヶ月・1年・2年・3年等で定期購読期間が異なる。
クレジットカード決済、Web口座振替、コンビニ・ATM・ネットバンキング等に対応する。
電子書籍は電子データを扱う事から、音楽・映像の配信と閲覧や、コンピュータのソフトウエアの使用やクラウドサービスと似ている。
これらでは、定額サービスが登場して普及している。
・サブスクリプション型自動継続課金
一定の読み放題プランを自動継続で購入することで、指定された電子書籍が読み放題となる。
クレジットカード決済やキャリア決済(携帯電話会社の料金回収サービス)に対応する。
・定額制電子書籍読み放題サービス
定額で対象の電子書籍が読み放題になるサービスだ。
例えば、「Kindle Unlimited」がある、月決め料金で同時に一定(例えば20冊)の電子書籍がリーダーで操作・読書出来る。
それ以外を読む時は、不要本を削除しての入れ替えとなる。
サブスクリプション
サブスクリプションとは、商品の購入代金やサービスの利用料を毎回請求するのではなく、一定期間利用することができる権利に対して料金を請求するビジネスモデルを言う。
一般的には、料金を支払っている間は自由に商品やサービスを利用できるが契約が終了すると利用できなくなる。
・時限制レンタル
時間制限付きで電子書籍が閲覧できるサービス。
ストリーミング形式で、時間が過ぎると返却(閲覧終了)となる。
チケット購入して電子書籍をチケットで購入するチケット制もある。
・試し読みサービス
電子書籍の販売促進を目的としたサービス。
いつでも無料(無制限)、待てば無料(閲覧時間制限)、まる読み10分(閲覧時間制限)、無料配布のアイテムを使って無料、初回無料(閲覧回数制限)、会員登録で無料等。
閲覧制限と閲覧範囲が設定された電子書籍を無料で読めるサービス。
・期間限定無料の電子書籍連載配信サービス
作品または関連商品の宣伝を目的として一定期間無料で電子書籍を連載配信するサービス。
・広告配信型電子書籍配信サービス
バナー広告や動画広告の広告収益により電子書籍を無料で配信するサービス。
広告排除の課金プランがあるものもある。
・リサイクル型電子書籍配信サービス
出版社・著作者の収益金額を固定することで消費者が電子書籍の売買ができるサービスがある。
・完全店頭決済型電子書籍レンタルサービス
電子書籍を取り扱い店舗のレジのみで決済する。
・紙の本の店舗特典としての電子書籍配信サービス
対象の紙の本を実施店舗で購入すると、対象の紙の本の電子書籍版が追加料金なしで読めるサービスがある。
さらにはおまけ的な内容の電子書籍が読める場合もある。
注文生産型紙媒体書籍を中心として、電子書籍版との併存・共存関係は色々な組合わせが可能であり、広がる可能性がある。
電子書籍の課題
電子書籍は利用が増えており、利用する端末も通信環境も出版環境も販売環境も広がるとともに、技術改革が行われている。
そこでは電子書籍の課題と問題点がある。
・デジタルデバイド
電子書籍専用端末の有無がデジタルデバイド(情報格差)を生じる可能性があるとされている。
米国では、政府は公的な発表をインターネットのような電子的な手段で行なう事にのに積極的である、しかし国民の全員がパソコンを持っていてそれを閲覧できる環境に在るとは限らない、この事は米政府の完全電子公報化の動きの足枷となっている意見がある。
スマートホンの普及は、それを端末とする事で閲覧可能者・利用者を広げている。
情報格差の問題は電子機器が普及していない最貧国ではさらに深刻であり、本来は社会を豊かにするための知識を提供する書籍が、電子化によるデジタルデバイドで貧困層に届かない危険性を生む考えがある。
紙書籍は出版費用が多く必要であり本が高価になる、絶版や出版不況がある、それは図書館等にも影響を及ぼしている、紙書籍自体も利用者格差問題が大きくなっている、その事で電子書籍への期待も逆に増えている。
・電子機器としての弱点
電子書籍と閲覧端末が何らかの形で電子機器に依存するため、これら機器に固有の問題も含む事になる。
例えば、電力がなければそもそも利用できないため、>発展途上国など停電が常態化している場所や電源が得がたい地域での利用が難しい。
繊細な電子機器は精密機器の例に漏れず故障しやすく衝撃や浸水などによってたやすく壊れる。
電子機器の操作が必要だ。
端末自身が旧態化することで、端末の商品価値が損なわれる、さらに新機種への乗り換えに際して互換性の問題から旧来機種向けのデータを移行する手間がかかる、または旧機種向けデータをあきらめるしかない。
電子機器の液晶の発する光によって目の疲れを引き起こしやすい。
書き換え可能な電子情報であるため、文書の改ざんや削除など、第三者による意図的な攻撃から逃れる必要があり、セキュリティー上の課題がある。
・事業者側による電子書籍削除。
紙の出版物では販売後の書籍は購入者が全てを管理する、破損・廃棄・譲渡・保管等は購入者の自由であり責任で行われる。
電子書籍は、電子データと言う直接には見えないものを扱う、購入者はパソコンやスマートホンやタブレット等にデータをダウンロードする事が可能であり、同様にダウンロードしたアプリ等で読む事が可能になる。
電子書籍の購入履歴は販売店のクラウド上に保管される、購入者はそこのマイページのIDが有ればパソコン上のデータを失っても、再度のダウンロードで復元できる所も多い。
逆に購入した電子書籍でも、サービス提供元の都合等により一方的に電子書籍が削除されて利用できなくなる可能性はある。
・電子書籍は出版が個人レベルでも可能だが、不正販売の可能性もある。
出版者による無断販売。
海賊版電子書籍の販売。
同人誌の海賊版販売。
流出した個人情報で電子書籍として販売。
・著作権保護と可搬性。
紙の出版物をデジタル情報化する場合には、それについての複製制御の仕組みを配布方法や再生機器内に備える必要がある、それがないとデジタル情報は容易に複製物が作られるようになる為に、違法な情報複製手段により本来の著作物の販売が阻害されて、著作権者の権利が侵害される可能性が高い。
その対策で、電子書籍では当初からオンラインによる認証機能を設けたり、ダウンロードした端末以外で閲覧できなくする為にハードウェア・キーを導入したりする、その結果で広範な複製は行なえにくくしている。
著作権者の権利は上記対策で保護されるが、利用者には購入したコンテンツが特定の機器に制限されて、可搬性が制限されてしまう。
さらにその仕組みのキーが損壊した場合に、再生できなくなる事もあり、利便性が大きく失われることに繋がる。
これらの事が電子書籍の普及を阻害する要因だとの指摘がある。
・スキャン問題
紙の出版物をスキャンして電子化できる、それによる電子書籍の海賊版が見つかって、問題となった。
さらには紙の出版物の利用者・保有者が、保有する書籍等をスキャンして自ら電子情報化する「自炊」という作業が顕在化した。
その手法の派生として専門業者が登場した、そのことはスキャンデータの不法なコピーが流通する危険性に加えて、自炊作業によって本来は破棄される裁断済みの書籍束が他者のスキャンに幾度も利用される危険性もあった、いずれも、著作権侵害の問題を引き起こすと心配された。
個人利用のみでは侵害はしない考え方もあるが、それに対してはデータ流失や転用可能性は潜在的な権利の侵害との考えがある。
著作権保有者自身が、自炊を認めないと宣言しているケースもある。
・電子化権利問題
現在の電子書籍は、主にこれまで紙媒体で流通していた作品を電子化したものが大多数である、さらにそのような作品が一番人気があり市場でも売れている。
しかし、過去に出版された作品を電子化によって再版する場合には、権利を誰が所有しているのか明らかではないことも多い。
書籍のコンテンツの多くは紙媒体での出版を前提とした契約として関係者が製作に関わっている、それの電子書籍への電子化と公開では関係者の利権が複雑に絡む。
コンテンツの提供者側の課題の1つは、上記の電子書籍に関わる複雑な権利関係をどのように処理するか、となっている。
新しい分野である事とデジタル情報である事のために、新たな契約が対象とする販売と配布の媒体や、データ形態の範囲が判り難い。
現実のビジネスではコンテンツの電子化にも、その技術面以外にも、多数の障害が存在している。