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通販荷物受取方法

ネット通販の普及は宅配便の普及と繋がって、販売者から直接に購入者の住まいに配達される事になった、それは多数のメリットがあるが、同時にいくつかの問題も生じた。
その一つが、配達時に受取人が不在で荷物を渡せない事が多発した事だ、翌日配達の宅配便を利用した翌日配達サービスを大手ネット通販会社が競ったが、受取人が不在でたびたび配達が必要になったり、それでも届けられない事態が頻発した。
例えば、本当に早い配達が必要で家で待つ場合と、1日の限られた時間だけかあるいは1週間の限られた日だけが在宅で受け取りが可能な場合とかが、混在して翌日配達に殺到した、そのために宅配配達が能力オーバーになり、その割には単身者などには利用が難しい現象も生じた。
対策として配達日と配達時間指定の細分化も行われたが、そもそもバラバラな時間と日の指定には対応は困難だ、集合住宅では無人の宅配ボックスが設置されたが限界はあるし、個人宅では設置自体が困難だ。
対策として色々な通販荷物受取方法が検討されて、提案される事になった。

宅配便の配送システムは個別の荷物追跡が可能になり、それから配達日と時間指定が可能になり配達時不在が減少した筈だが、利用者と荷物数増大も併行して起きて配達への負担は減少できなかった。
また単身者や共稼ぎなどの留守宅が増加するライフスタイルが増えて別の対策が必要となり、日本古来の近所・隣りへの預かり依頼は、ライフスタイルが代わり少なくなり利用は難しかった。 宅配ボックス・宅配ロッカーはその対策であり、集合住宅に設置して不在時を前提にして複数の利用者が複数のボックスと荷物数の範囲で運用した、しかし個人宅では利用効率が悪く費用対効果で、設置は普及しにくい。
現在は不在通知を残して荷物を持ち帰り、後で不在通知を見た受取人から配達人や配送センターに連絡して、受け取れる時間での再配達か、受け取れる場所に荷物を保管して貰い受取人が取りに行くか、を選ぶシステムが構築されている。
受取人不在と後に受取人が取りに行く事が前提ならば上記システムはかなり効率は悪い、そのために不在と受取人受取を考慮したより効率の良い荷物受取方法が提案されて来た。

再配達効率を上げる必要性は、例えば単身者では在宅する休日配達や夜間時間配達へのみ対応可能だが、それは配達側と受け取り側の連絡の交渉後となり、双方の条件的な歩み寄りが必要だ。
似たことは郵便物配達ではそれ以前からあった、配達側は持ち帰り一定期間の保管と連絡待ちだ、再配達依頼するか受取人が保管局に出向いて受け取る、郵便小包の扱いも同様だ、宅配便でも基地局である配送センター留めまたはそこでの引き取りが行われてきた。
どちらも不在者通知票(取扱番号)と本人確認書類(免許証等)が必要となる、代理人の受け取りも手続きを行えば可能だ。
ただし通販大手業者を中心にして進めてきた翌日配達やそれに準じる最短日配達サービスの趣旨からは最後の受取で達成できない、これは生鮮食品を中心にした低温度便での配送を含めた通販総量の拡大のネックとなっている。
特に現在では、宅配業者自身が再配達効率悪化を含めた配達能力と配達人員の確保と労働環境改善問題から、宅配料金の値上げと配達時間の制限を行い、宅配業者・配達員への負担が大きい商品・通販業者の扱い量の見直しを行っている。
宅配配達側は自身と受け取り側の双方にお課題となる再配達効率改善方法を模索しており、いくつかの受け取り方法を検討して始められている、基本の考え方は受取人が取りに行くのだが、行きやすい場所での保管と引渡しを可能にする事だ。

宅配の受け取り側が可能な時間に受け取りに行く方法は、日常が殆ど不在である単身者等にはほぼ唯一の実用的な手段だが、郵便局本局や宅配便配送センターは数が少なく距離的にも利用が難しい事が多い。
宅配配達側はより便利な受け取り場所とサービスを模索している。
全国展開しているコンビニは日常的に多数の人が利用する店舗であり、営業時間が長く(24時間営業が多い)、フランチャイズシステムではネットワークで繋いでサービスを行っていた、宅配便や郵便物の発送を受け付けている店舗が多くその発送を受け取る宅配配送車が出入りし、荷物を預かり保管している事もあった。
それ故に宅配便を預かり、利用者に引き渡す環境は存在し、そこに本部との管理・通知機能をネットワークで設ければ実施可能性が生まれた、利用者はネットで注文する時に、利用したいコンビニ受け取り対応の販売店を探し注文時にコンビニ受け取り指定すれば可能になる、大手ネットモールを中心に利用可能な販売店が増えている、「お問合せ番号」「店頭受取番号」と「認証番号」等と本人確認書類で運用している。
コンビニ以外ではホームセンターも受取場所になりつつあり、ゆうパックでは郵便局窓口受取サービスが行われている。

宅配便ロッカーは有効だが個人の家で設置する事は難しい、そこで拠点を設けてそこに宅配便ロッカーを設置する通販荷物受取方法が登場している、受取はその拠点に出向き集合住宅の宅配便ロッカーと同様の方法で荷物を引き取る、システム的に無人荷物受取方法となる。
オープン型宅配便ロッカーのサービスでは、契約した宅配会社ならばどこでもサービスを利用できる、コンセプトは 「1台の宅配便ロッカーで多様な宅配会社の荷物を、受取りたい場所で、受取りたい時間に受取れる」だ。
受取り場所に関しては勿論設置場所から選ぶ事になる、駅ロッカー受取りサービスもあるが基本は同じである。
通販サイトで「宅配便または駅ロッカー受取り可能商品」を「対応ショップ」で選びカートに入れ、注文画面で「ロッカー受取り」を選択する、指定したロッカーに商品が手配されると、電子メールでロッカーを解錠する時に必要な受取パスワードが送信される。
受取り人側は、指定ロッカーに行き受取パスワードを入力して開錠する事で注文商品を受取れる、取引はパスワードでロッカーを解錠した時点で成立する。

新たな幾つかの受け取りサービスが行われている。
日本郵便ではその配達する荷物を、利用者の近くの郵便局を受け取り場所にするサービスを行っていて、コンビ二受取りと近いイメージだ。
複数の実店舗を広く展開するチェーン店組織で、個々の店舗で注文品を受け取れるサービスを始めた、イメージ的には通販で注文した商品が末端の店舗に配達されて利用者がそこで受け取る、あるいは個別店舗で取り寄せ注文する代わりにネットで注文すると個別の店舗に商品が届き購入出来るサービス的な意味がある。
セブンイレブン受取りサービスは注文品を希望するその店舗で受取れる、電子決済等のサービスとも結びつけている、店舗引取りでは利用者の持ち帰りが前提なので箱のサイズの上限を設定してそれを超える場合は通常宅配に切替えて注文者に連絡する(店舗で大量に購入した時に配送サービスを利用する事と同じ理由)。
ヨドバシ通販サイトで注文商品をヨドバシカメラ店舗で受取るサービスを展開する、東急ハンズネットストアでは商品取置き・取寄せを注文して、その商品を店舗で受取るサービスを行っている。


ポイントカード

現在に広く使用されているポイントとポイントカードは、商品価格の割引方法の1つとして実施されて来た、店舗での価格割引は、商品を売りさばく単純な値下げよりも、集客の手段や店舗や商品の知名度を上げる手段あるいは販売促進イベント的な意味を持たせる手段としての目的も含んでいた。
個別店舗が新装開店セールを行う時に、期間限定の価格割引を行う事は多いが初期集客を増やして知名度と店舗内容と商品内容を知らせる・広める意味がある、その時に次回の来店・利用を促す仕組みを作る事は意味がある。
リピート客を増やす事は継続的な店舗運営には重要なのでリピート客を増やす目的のサービスを模索する事になる、少額利用でも僅かでもポイントを付けてそれが複数回積み重なると割引還元する方式が使用された、例えば包装紙のマークを集める方法、専用用紙カードにスタンプを押して行く等規模に応じて行って来た。
個別店舗ではなく商店街全体でも類似した事が拡がり、大型店舗やショッピングモールが出来るとそれを単位にして似た方式を行われた。
その中でポイント制とポイントカードの常態化が1手段として拡がった、その理由としてはコンビニやスーパーを始めとする店舗のチェーン展開があり、それらのオンラインネット化があり、共通ポイントカードの登場という幾つかの要素もあった。

ポイント制・ポイントカードは条件付きの割引の性格がある。
 ・少額利用からの複数回の累積
 ・一定利用額設定と、それ以上の蓄積で利用可能
 ・一定利用額を満たした時は、その次回以降の利用(還元)
 ・蓄積期間の上限を設定する=一定期間以上で消滅する
 ・必ずしも明確で無い時もあるが、使用者毎・カード毎のみで、複数カードの加算は不可
 ・還元は原則としては商品購入時の割引とする
これらの幾つかを組み合わせて制度を決めて運用する事が多い、単純な割引との差は顧客の常連化・継続化であり、それらの顧客で割り引きが発生するシステムだ、継続利用客を増やす集客方法が狙いとなる、類似商品を扱う競合店舗間での顧客囲い込み方策ともなる。
ポイント制導入目的から、使用方法・運用方法としては、継続利用が前提だが期限を設定する(期限が過ぎると、蓄積したポイントの中の、一部が効力を失う=累積負担対策)、1枚のカードまたは1IDのみの蓄積を対象にする(ポイントカードの売買等の禁止=店舗側から見た不正使用対策)等の規約を設定して実運用する上では、IT化が有用となる。

ポイント制・ポイントカードは個別店舗から始まったが、使用可能規模の拡大が行われた、個別店舗から商店街等の地域展開が1つあり、別には個別店舗からチェーン店展開があり、同一業種・類似業種展開があった。
ボトムアップの展開よりも、チェーン店展開・フランチャイズ展開する業種や店舗形態(たとえばスーパー・コンビニ・電気大型量販店・ドラッグストア・大規模書店・ホームセンター)がポイント制・ポイントカードの導入を決めてチェーン店・フランチャイズ店に展開するケースが多く普及も速い。
顧客側にとっては多店舗展開でもメリットは明らかではない事もあるが、ポイントカード利用の動機にはなる、従って新規参入が増えるきっかけになり、新たな業種の参入もうながせた。
その中から生まれたのが「共通ポイントカード」だ、それは複数の会社が提供するポイントカードでありそれ以前の普通のポイントカードは特定の店舗でのみ使用出来たが、共通ポイントカードは様々な店舗や業種やネットで広く使える事が特徴だ。
「共通ポイントカード」は次々と新規参入があり競争が発生した、4強と呼ばれるTポイント・Ponta・楽天スーパーポイント・dポイントと、それ以外にも複数が登場している。

個別のポイントカードから始まり、「共通ポイントカード」の登場になるとポイントカードは広域展開・全国展開となり、同時に多数の業種の参入となった。
店舗の広域展開や全国展開の面では、全国的な展開を行っているコンビニチェーンと似ており、主要な大手コンビニチェーンはいずれかの「共通ポイントカード」に参加した、コンビニチェーンの販売システムのネットワーク展開はポイントカード運用上にも有用であり、加入する個々の店舗では「共通ポイントカード」の配布を行いその機能的には中心的存在の意味が強い。
全国展開と言う面ではネット通販ショップもサービス的に向いており、関連するネットショップの加入が始まり拡がった、そしてポイントカードはそのネット展開性が顕著になり、ネットショップとネットワーク保有業種と関連業種には避けがたいサービスにもなった。
ネット展開・全国展開からネットワークとの関連性がひとたび強くなると、それはサービスの電子化に繋がり、電子化・ネット化は次の段階のサービスの登場に繋がった。

携帯電話サービスのNTTドコモのポイントカードへの参入により、全国展開とネットワーク展開に加えて、スマートホンを使用したポイントカード=スマホポイントが普及する流れが出来た。
急激に普及したスマホを使用したサービスからポイントカードを利用出来るショップ等が増える事になった、既に実店舗展開からパソコンサイトでの展開を行ってきた業種が、スマホアプリへとサービスを拡大して既存のポイントカードの展開を進めたり新たなポイント制を作ったり、そして「共通ポイントカード」への加入を行った。
チェーン店展開する外食店では、競い合う複数の「共通ポイントカード」を一気に採用して加入する事が起きた、企業が複数のポイントを採用する「マルチポイント」方式になったがそれが増加するようだ。
スマホ機器とアプリにポイントカード機能を持たせたり、ポイント提供者のサーバに接続する事でより密着したサービスが展開出来る、そしてスマホを使用した電子決済・非現金決済が始められるとそれとの繋がりも試行されている。

「共通ポイントカード」の展開から、参加企業が複数のポイントを採用する「マルチポイント」方式の採用が起きてチェーン店展開する外食店で進んだ、同時にポイントカードはクレジットカード等との提携が行われた。
ネットショップやネットサービスでは決済方法としてクレジットカードが多く使用されておりそれとの連携を図る意味もあり、デビット機能やキャッシュカード機能を持たせたポイントカードが登場した、カード1枚で多機能が使えると謳った。
この流れはスマホアプリを利用した電子決済と、スマホを使用した非現金決済(キャッシュレス決済)の登場すると、その対応が必要となった。
移行方法としては発行済みカードの使用は引き続き行うが新規カードの発行は停止する、あるいは新規機能付きカードのみを発行する、等がある、これに伴いコンビニ店頭でのポイントカード発行停止や店頭端末での情報登録を終了するケースがあった。
一方では非現金決済サービスとの提携が行われた、例えば非現金決済機能付きポイントカードへの加入や、非現金決済機能付きスマホアプリにポイントサービス連携機能を搭載する等であり、後者ではバーコード決済で支払いからポイント取得まで一度に行える事になる。

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