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モバイルオーダー

2000年代に入りスマートホン等のモバイル機器と無線通信インターネットが急速に普及して来た、これらの機器では本人確認機能を持っていてそれを利用してのキャッシュレス決済機能も持つようになってきている。
それを受けて、近年では飲食店業界ではスマホ等のモバイル機器上で注文・決済を完了するモバイルオーダーが注目されて、導入店舗も増えている。
飲食店等への予約や注文は、従来は出向く以外には電話や電子メールを使っていたが、これらはスマホにも備わっている、さらに受注票や確認メールはスマホ画面上に表示可能だ、さらに料金決済もスマホのキャッシュレス決済機能で行える。
スマホ上に専用アプリを展開する事でサービスを広げて顧客の利便性を高める事も可能だ。
モバイルオーダーにはメリット・デメリットがあるが、既に色々なサービスが展開されている。

モバイルオーダーの1つに食事や料理の出前・デリバリがあるが、モバイル機器を使用する以外では、過去からの固定電話を使っての出前・デリバリ注文との差は殆どない。
ネット通販では電子メールと専用の注文用フォームが使用されている、それらはパソコンで使用されて来たが、スマートホンやタブレット端末でも同様の機能が備えられているし専用アプリがある場合も含まれるので、同様に同用途に使用される。
上記用途では、利用者は店舗や通販会社に出向く事はなく、注文するだけで食事や商品が届く。
モバイルオーダーの言葉を狭い意味で使う場合には、食事が出来る店舗や食品を販売している店舗あるいはフードコートに利用者が何らかの目的で訪問するケースが該当する。

テイクアウトは飲食店に出向いて商品を持ち帰る方式だ。
それ自体は予約や、事前の注文は必要でない場合が多い。
だが、飲食店で客が商品の完成を待つ必要が生じる、包装や容器との面でも店が対応している必要がある、その面でファースト・フード等でテイクアウト方式が適した所もある。
大手の外食チェーンを始めとして個人商店レベルでも昔から、事前に電話で注文を入れておいて、約束の時間になったら店に出向いて商品を受け取り、会計精算をする方式は行われて来た。
モバイルオーダーの場合では、単純に電話機能をのみ使用する事もあるが、専用のスマホアプリを使う方式も広がって来た、そこでは注文だけでなく支払いまで終える事が可能だ、細部の注文内容が簡単にかつ正確に行えるメリットも大きい。

飲食店での注文は過去は一般的には、店員が客から注文を聞いていた、ただし居酒屋等では料理品目が多く、グループごとでの注文量も多いので、記憶だけでは無理な面があり、メモを取っていた。
だが、次々に追加がされて行くので、その管理は難しく、客も店も注文された料理等の抜けが無いかの心配が絶えずあった、さらには会計の計算も判り難かった。
現在では居酒屋では、タブレット端末が設置されていて、そこから客が注文を入力して、データを送信する方法が増えている。
店内の無線通信システムとテーブル毎のタブレットの設置が必要だが、従来の問題点が一気に解決する。
店員が注文を聞く必要が無い(省人化)、料理品目が多くとも系統的に画面に表示可能でメニュー変更や品切れも対応が容易だ、料理の抜けや忘れが無くなる、注文追加も容易だ、会計も判りやすい。
店内ネットワークでの注文は、店外にも拡大しやすく、さらには予約やテイクアウトやデリバリへの展開にも繋がる、そしてモバイルオーダーへとも繋がって行く。

居酒屋で導入されたタブレットと店内の無線通信システムは、顧客のスマートホンとを無線回線で繋ぐ方向でも拡大した。
それはファーストフード店や、各種飲食店をフランチャイズ展開している飲食店チェーンでも広く導入されて来た、それらはスマホの使用と密接な関係がありモバイルオーダーと呼ぶ。

モバイルオーダーが注目される背景としては以下がある。
・モバイルオーダーが店舗運営の効率化や密集の回避に役立つこと。
・テイクアウトの需要への対応に適している。
・さらには予約や、デリバリサービス展開にも繋がっている。
・店内のモバイル通信環境が集客に繋がる事がある。
・新型コロナウイルス感染拡大の影響で高まったテイクアウト・デリバリ需要への対応にマッチしている

モバイルオーダーは今後も増加が予想される理由には下記がある。
・モバイルオーダーが適用される飲食店形態の拡大が予想される事。
・モバイルオーダーの中心となるスマートホンの利用者が増加している事、さらにはその中でスマホをモバイルオーダーの用途に利用する人が増加すると予想される。
・キャッシュレス決済の普及が予想される事。
  政府はキャッシュレス決済の普及活動を行っているが、新型コロナ・ウィルス感染問題の対策の1つとしてもさらに進めた。
  さらには個人ナンバーカードの普及活動では、キャッシュレス決済への利用とそれに伴うマイナンバーポータル普及と、ナイナポイント配布を行っている。
・ポイントサービス・クーポンサービスの拡大。
  これらのサービス展開に於いて、スマホ上での利用や、キャッシュレス決済に繋がるサービスが拡大している。
・店舗内飲食とデリバリとテイクアウトを加えて、予約が拡大している、それにはモバイルオーダーが有効だ。


モバイルオーダーの展開

店舗側のモバイルオーダーのメリットを整理する。
・作業の手を止めずに注文を受けられる
 モバイルオーダーは電話では無いので、注文が入ると店内のパソコンCやタブレットに次々に注文内容が表示される。
 スタッフは電話応対をする必要がなく、店内の接客や調理を行いながら注文を受けることができる。
 特に多忙な時間帯や少人数で店を切り盛りする個人店では、大きなメリットとなる。
・レジ業務が不要で作業負荷が軽減
 注文から支払いまでをスマートホンアプリで処理できれば、それ以外は商品を用意して客に渡すだけになる。
 レジ業務が不要で、その分の作業負荷を軽く出来る。

店舗側のモバイルオーダーへのメリットには以下もある。
・ピークタイムにも回転率を維持する。
 人気店ではランチタイム等では多数の客が来店混雑して、行列も出来る。
 来店客を直ぐには席に案内できない事になる、店舗側ではメリットが無くて困り、行列では待ちきれずに他店に行く客も出てくる。
 来店客がモバイルオーダーを利用するようになると、より多数の客を呼び込んで対応可能になる、そのことでピーク時でも回転率を上げて対応できる、さらに待ち時間が少なくなり客を逃がし難くなる。
・人手不足をカバーできる。
 モバイルオーダーの導入で人手不足をカバーできる。
 モバイルオーダーは注文と支払いがアプリ上で出来るので店舗側の作業は最小限になる、少ない人数でより多くの仕事をこなせるようになる。
 少子化での人件費の高騰の環境下でも、少人数で最大の結果を得るにはモバイルオーダーは有益な手段となる。
・新型コロナ・ウィルス感染問題下で、対面対応の時間減少になる。

モバイルオーダーの利用者側のメリットには、店舗側と重なる部分もある。
・店舗に入るまでの待ち時間が減少する事があり、行列が出来る事も多い店舗では効果が大きい、予約は大きな改善になる。
・店内に入り席が確保されても、店内も混雑していると、オーダー待ちになったり客が逆に急いでオーダーするような場面があった、それが店内タブレットからのモバイルオーダーが導入された事で、客がそれぞれのタイミングでのオーダーが可能になった。
・ファーストフード店ではオーダー後にその場での調理待ちがあるが、一部店舗では無線タグを利用して、座席で待っていると料理が届くシステムも生まれている。
・タブレットからのモバイルオーダーでは、メニューからのオーダーの容易さと共に、その後のオーダー内容の確認性の良さが高い、それにはオーダー金額を容易に確認できる事も含む。
・モバイルオーダーの過程には、客自身によるセルフサービスの部分が含まれる、店側では料理を運ぶ事や食器等を引き上げるくらいだけが客と接触する作業になり、全体として減少する、客にとっても、店員との接触の低減はメリットになるケースもある。

モバイルオーダーの利用者側のメリットには、
・モバイルオーダーで注文すれば、事前に支払いを済ませることが出来る事がある。
・そして、注文した商品を受け取るときに、店舗側と現金のやりとりをする必要がない事もメリットだ、支払いの手間が省けるのは時間の短縮になり、新型コロナ感染問題のなかでは、店舗とのやり取りが少ない事は利用者にとって大きなメリットになる。
・モバイルオーダーを展開する店舗では、アプリ等でクーポン配布を行い、集客をはかっている、クーポンは利用者にもメリットがある。
・政府が進めているキャッシュレス決済は、モバイルオーダーと親和性が高い、現状ではキャッシュレス決済は政府のマイナポータルポイントや各キャッシュレス決済事業者の優遇ポイント等を受けられる可能性がある。

モバイルオーダーは店舗形態によって、対応と効果の差がある。
・フランチャイズ展開店
 インターネットのウェブサイトや、スマホアプリを使用して大規模展開の可能性がある。
・フードコート
 フードコート全体で行うか、個別の出店単位でで行うかの課題がある。
 さらに、フードコートが入っているショッピングセンター全体で行うかもある。
 全体の方が推進が容易な面があるが、参加する個別の参加店でメリットに差が出来る可能性があり足並みが揃うかが課題だ。
・単独店
 店舗内以外の活動が限定的になる。
 小店舗・大店舗で差が出る。
 デリバリ展開店や予約制を広く展開する店舗では、電話での受付を超える可能性がある。

モバイルオーダーは幾つかのサービスが並行して進んで来た。
・出前から発展したデリバリサービスは、店舗のある店やデリバリ専門店の双方で広がった、そこでは電話から始まりより簡単で間違いが起きにくいネット通信とモバイル通信が使用された。
・店舗内では、従来の店員が注文を受けてその料理を運ぶ方式から、タブレット端末で注文する方式が広がった。
・回転寿司店ではベルトコンベア方式に加えて、モバイルオーダーを受ける方式が併用された、さらにはモバイルオーダー中心への変化が起きている。
 コンベアー方式を含めて色々なロボット方式が模索されている。
・ファーストフード店ではセルフサービス方式が普及したが、ドライブスルー方式も行われて来た、これら方法ではモバイルオーダーによる予約方式が取り入れられて来た。

上記はデジタル化であるキャッシュレス決済と、コロナ感染問題への対応としてのフルコンタクトレスの実現の意味があり、進められて来た。
それは省人化の実現という大きな課題の解決手段ともなる。

今後の課題は多数あり、改良と変化が起きて行くだろう。
タッチパネルの改良としては、衛生的な面から非接触方式やペンタッチ方式等が考えられる。
ビジネスモデルの改良は継続的に進むだろう。

データ復旧・ディスク研磨の@IDEA

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