項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:1

ビジネスモデル

ビジネスモデルという言葉が使われるようになったのは、最近です。特に 有名なのが「ビジネスモデル特許」でしょう。昔は簡単な仕組みで物が流通 していました。現実には、「流通」の部分は非常に複雑でいわゆる中間マー ジンで、最終顧客は高い価格で購入していました。これにメスをいれて、価 格の低下を含めた新しい流通が始まりました。これは、製造・販売の改革の 大きさも無視出来ないものの、流通は特に目立ちます。


IT化

現在、コンピュータが無く、インターネットとも全く関わっていない会社 ビジネスはほとんどないと思います。パソコンによる合理化、通信によるネ ットワーク整備とリアルタイム処理はビジネスを変えました。

いわゆる情報化(IT化)が大きくビジネスを変えたのですが、これに必 要な物等にかかる費用と実用までの時間、継続的な改善の負担も大きく、一 種の革命的変化とも言えるでしょう。

急遽、教育を含めて対応が迫られる事になりました。

ビジネスモデルという言葉が有名になったのもこの影響です。別にパソコ ンやインターネットと無関係でも良いはずですが、もはや切り離す事は困難 になっています。


空洞化と国際化

1時期製造は全て海外へ行くかのように言われました。現実は先行して海外 生産を行った会社の成功例が強調されたためです。

最近では、海外生産の成功条件が具体的になりつつあり、単純な空洞化は言 われなくなりました。しかし、海外特に東アジアの技術向上と、日本の人件費 の高さから依然として傾向は続いています。

条件は多岐に渡るので、公式というよりもノウハウと言えます。

労働者の能力・製品設計技術・材料や部品の調達・流通・輸出輸入・関税・ 管理能力・新製品の量産化能力・・・等、海外の場所と日本での場所(立地条 件)を比較しようとすると、将来性も含めた時にその複雑さに驚きます。

色々と見て行くと、人件費以外にも多数日本が劣る面があります。それから 言えば、空洞化と言うよりも日本の国際化が遅れていると考えた方が分かり易 く、実際の検討が謙虚にかつ正確に出来ると言えます。

昔?。日本人の教育レベルの高さからと非能力・非成果主義から賃金の標準 化傾向がありました。海外の多くの地域では、製造作業者と管理者・技術者を 能力で分ける傾向にありました。現在は日本でも、後者に移りつつあります。

もし少数の管理者と技術者で対応できる製品の大量生産では、製造作業者の 人件費比率が大きく、海外での生産場所を探すことは簡単にコストダウンにな りました。しかし、多くの企業が進出すると自然と人件費は上がる傾向がでて きます。効果は次第に小さくなります。

もし、製品が大量生産ではない場合・機械化が進み操作に高い技術が必要な 場合は人件費の高い作業者が必要になります。教育でレベルを上げる、と他の 会社に移ることは普通に生じます。日本から要員を派遣する時は、国内よりも 人件費は上がりますので、極めて少数で稼働できない時は生産目的では失敗す るケースが多いと言われています。

モラルの問題も大きいです。コピー製品や技術の無断使用は、度々問題にな っていますが、海外生産はそれを加速します。

材料・部品の調達の問題もあります。規制で該当国内での調達率を決められ ている場合も含めて、国内よりも条件が悪くなることは多いです。

そして、流通の問題があります。法律規制が絡んで費用・納期を充分に検討 が必要になります。

しかし、ターミナル港・24時間空港・情報化基地・研究開発基地の集約化 等を見ると、逆に日本が遅れてしまった物が出てきています。

もはや海外生産は単純な見込みで開始できない時代になったと言えるでしょ う。


輸出規制・風習?

通関:インターネットをはじめ通信手段が発達しましたが、製品自体は輸出・ 輸入が必要です。それには必ず税関を通ります(通関)。そこでの取り扱い は国により異なります。関税・通関時間・書類等多くの知識が必要です。

輸出管理令:日本に限りませんが、製品によっては法律で輸出を規制している 物があります。誤解をしている人がいますが、製品のみでなく、製造装置・ 製造技術及び書類も全て含みます。また、これは国の法律ですので国籍が問 題になります。会社ではありません。関連会社の外国社員が研修等で製造を 見学するときなど注意が必要です。

元々この法律は、昔の対社会主義圏向け規制の名残の武器・大量破壊物の輸 出禁止と、技術的に先進的なものや上記に転用可能なものを規制しています。

通関時間:税関は官庁なので日本のカレンダーや慣習に従い稼働します。同様 に多くの国もその国の事情で稼働します。

当然ながら、これらが一致する事はありません。双方を合わせると意外に稼 働時間が限定されます。元々ある程度時間が必要ですので、前もって調べて おくのが常識でしょう。

制約もありますが、特別通関も検討要素の一つです。


イントラネット等

イントラネット:多人数の所ではイントラネットが使用されます。基本はLAN ですが、1ヶ所でインターネットに繋がっています。インターネットとの接 続を限定する事で、外部からの違法侵入や内部からの用途外の利用を制限で きます。また内部の使用者専用のコンテンツを設ける事が出来るメリットも あります。

グループウエア:LANやイントラネットで使用されるソフトです。情報の共用化 が目的で共同作業の効率をあげる事が目的です。

ロータスノーツが有名ですが、次々と類似目的のソフトが作られています。 パソコンの普及とグループウエアの搭載はある程度の規模のグループでは常 識的になっています。

メインフレーム:今ではパソコンでのサーバやデータベースの構築は、通常の レベルになってきています。しかし、初期に導入された大型コンピュータ( メインフレーム)がまだ存在している所が多いと思われます。欠点としては 専門の技術者が必要である事・ソフト(アプリケーション)が専用的で高価 であること。機種間で互換性が乏しく、複数機の相互通信が難しいことがあ る事などがあります。特に国際化でみれば、日本と海外で機種に互換性がな い事はしばしば生じます。


ファイアーフォール

ファイヤーウオール:インターネットが情報通信に置いて機密性が弱い事は度 々述べてきました。通信自体に保護をする試みも行われていますが、インタ ーネットとイントラネットのような個人・法人等で使用しているLANの間に ファイヤーウオールを設置します。文字通り「防火壁」で、ここを通過する データを監視して、不正なデータの通過を防ぎます。強度を上げると安全度 は上がりますが、サービスの低下が生じます。逆に弱くすると、クラッカー の侵入を招き意味がなくなります。データの監視ですので、基本的には通信 先や通信内容もチェックすることになります。企業等では、私用は禁じられ ていますので(通常)、親書・親展は基本的に存在しない事になります。 最近、重要データの流出・ハッキング・盗難などをよく聞きますが、ファイ アーフォールは通信を使用しての場合のみ対策です。

パケット・フィルタリング:インターネットではパケットでデータが通信され ますがそのヘッダーやアドレスをチェックするファイヤーウオールの方法で す。パケットとは行き先が同じものをまとめて送る事です。

プロキシ・サーバ:インターネットと内部LANの間に置くサーバでこれの機能 でデータの監視を強化します。また、共用データを保管することで、外部へ のアクセスを少なくできます。また、そこを通るアクセスログを取る働きも 重要です。

ビジネスでは重要な事をネットワーク上で使用する事が多いですが、それの厳 重な保管と管理は永遠のテーマです。簡単に流出するようでは、外部信用や 経営戦略等で重大な支障を招きます。


メールの転送、引用の注意・機密保持

ビジネスでは重要な事をネットワーク上で使用する事が多いですが、それの厳 重な保管と管理は永遠のテーマです。簡単に流出するようでは、外部信用や 経営戦略等で重大な支障を招きます。

上記は前回の最後の内容です。今回は個人の簡単なミスでこれが発生する場合 をテーマにしたいと思います。電子メールは機能が多く便利です。特にコピ ー・返信・引用つき返信・転送などです。

機密事項は、引用や転送は基本的にしてはならない:特にCC等で多人数に送る 場合や、対外的に接触する担当者へは注意が必要です。

ビジネスで多くの人が使うのが、引用付き返信と転送です。これは、一見し て履歴が分かり、一種のデータベースの様なもので便利に見えます。

しかし、中に機密事項が混じると非常に危険になります。特にスタッフから の返事をそのまま、外部に回答として転送する対外担当者には厳禁です。

BCCは多用しない:メーラーにもよりますが、BCCは履歴に残り難いです。多数 の人が、多種のメーラーを使用していますので、履歴に残らない事は避ける のが無難です。

着信メール返送機能は信用できない:メーラーによっては受信直後のみ可能の 場合がありますし、設定が開封時返信ではなく、受信時返信になっている場 合は受信者が読んだかどうかわからないです。

宛先は一人か少数にする:特に返信が必要な場合は、その人だけを宛先にする べきです。他はCCです。宛先が複数だと誰も返事をしない事もあります。

英語でのメールでは通常文の用に小文字を使用する:大文字を使用する所は文 法で決まっていますので、普通通りに書きます。面倒なので、全て大文字で 書く人がいますが、英語圏では相手を威嚇する・命令する場合に使用するの で誤解を生じる事があります。

メール文の抹消:不要になったパソコンのメールデータはしばしば、機密事項 を含む事があります。使用を中止するときでもデータの抹消には注意が必要 です。


流通

流通業の事かと思う人もいるでしょうが、品物が移動するビジネス全般の事で す。国際化だからと思うと違います。国内生産・消費でも事情は同じです。 通常は工場出荷ではなく配達費込みで価格設定される場合が多いからです。 製造業に限らず、ビジネスの基本は納期とコスト競争です。今では品質は良 くてあたりまえです。ほとんどのビジネスでは上記2つに流通が絡みます。 納期とコスト見積もりに納入先への流通コストを正しく反映させているでし ょうか。コンピュータ時代では、やろうと思えば出来る筈ですが、現実は遅 れていると思います。月当たりの出荷数が決まっていても、1度か毎日かで はその差は大きいです。

おまけに、現在は流通手段の多様化が進んでいます。絶えず最適を探す必要 が生じています。

まさか、送料が価格に入っていなく無料ではないでしょうね。一度関係する 商品を見直してはいかがでしょうか。

なお、輸送手段は対顧客では勝手に変更できないのが普通ですので、注意が 必要です。

国際化を含むともっと複雑になります。これは次回に。

現在は国際化の時代ですので、製品の流通もより多様になっています。輸出・ 輸入には通関があります。インボイスや通関資料が必要になります。また、 抜き取り検査があり不明確な場合は長期滞留になります。また輸出禁止令が あり該当品はより複雑になります。通常は責任者(通常は社長)が社内管理 の書類を提出する事で簡素化はできますが、リスクは増えます。

日本は完全な24時間空港がありません(中部空港が期待されています)。日 本の都合で外国の空港の発着を決めることになると便が限定されますし、時 間ロスもあります。また、超大型タンカー等の止まれる港も不十分です。航 空機の直行便は数が限られますので、中継空港が重要ですが日本は遅れてい ます。香港・シンガポール等の重要性がますばかりです。

国際間の取引では、品物の受け渡しと関税と運賃等を取り決めておく必要があ ります。本来は国内も同様ですが、コストの比重が異なります。一番多いの は生産地のフライト時に取引を成立とするCIF(CIP)ですが、他にも 沢山定義されています。また、取引通貨も重要です。ドル立てやユーロ立て が主流です。従って、費用精算時期を明確にしないと為替レートの影響が、 非常に多くなります。

最近は国際宅配便が多く使用される様になりました。費用は原則的に輸出側が 支払う事が多く、製品価格に輸送方法も取り決める必要が増えています。

専門業者に外注依頼する傾向もありましたが、比重が増えると共に社内の専任 者の働きが重要になってきています。

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