項目別バックナンバー[5]:技術情報:1

最新技術と基礎技術と実用技術

今は、専門家しか細部は理解出来ない事が多くあります。なぜでしょう。 基礎技術でも難しいという人も多いかもしれませんが、自分の詳しい事 との類推で少しは理解できるかも知れません。
実用化されている技術は、実はノウハウが多く、未成熟とも言えると言う と驚く人と、当然と思う人がいるでしょう。
近づき難い部分に、少しは近づいてみませんか?。


レーザーとは

レーザーの発明は画期的でしたが実用化までには、かなりの時間がかかり ました。いまでは、デジタル機器の多くと切ってもきれない関係になってい ます。レーザーとは何かと言えばその語源を知っておれば、一目瞭然ですが 分かるのは一部の人でしょう。「light amplification by stimulated emissin of radiation」電磁波の励起放射による光増幅という意味です。
ここでは、光であることと自然界の自然放射ではなく、励起放射で発生し た強い光を増幅してより強度を上げたものだと分かればよいでしょう。
強度が強いので、目などには危険である事、CD等に当てて反射光を読む 事で情報を得ることが出来る事などを理解すれば良いと思います。


結晶とは

なぜか液晶の方が有名になっていますが、まずは結晶の事も興味があります。 原子の集合が分子で、これが組み合わさった物が結晶です。結晶が成長して大 きくなるには、多くの阻害要因があり通常は、小さな結晶が集まった多結晶に なります。電子部品の世界では、一部を除き特殊な技術で大きく成長させた、 結晶(単結晶)を使用します。古くはゲルマニウム、今はシリコン、将来は化 合物が使用されるまたはでしょう。通常は固体です。ただし異なる物質・用途 で液体(液晶)も発展しています。結晶は高価ですので、製造方法や効率等の 研究が絶えずおこなわれています。
結晶の製造の発達が、電子部品(素子)の発達に繋がり、そしてコンピュー タ等の電子機器の発展に繋がっています。


液晶とは

結晶は安定な物になる性質がありますので、個体が主です。そこに現れたの が液晶です。液体の性質をもった結晶です。結晶の並び方・結晶の形状の揃い 方の程度で大きく3種類に分類されます。当然、制約の少ない揃っていない物 が種類も実用的な種類が多いです。ネマテック液晶(Nと略されます)がそれに 当たります。細長い液晶を耐電させて両端を+とーにして、これを挟む透明電 極も耐電すると液晶は電極に直角に並びます。電極側から見ると光が通過します。
では、電極を90度ねじりますと(ツイストさせる)その部分は光が遮断さ れます。このタイプをTN型と呼びます。90度ではコントラクトが足りない時 は180度ツイストさせます。この作業をスーパーをつけ、液晶をSTN型と呼びます。
後はテレビと同じ様に電極を順番に走査してコントロールすれば、表示画面 ができます。このタイプはTN,STNと呼ばれています。これを改良して走査線を 2本にして画面の密度の増加に対応したものをDualスキャンタイプと言い、D を最初につけてDSTN等とよびます。これは良く仕様として見かけれると思います。
次に登場するのが、TFT型ですが、呼び方自体が変わったために混乱し易いの で次回に、DRAM と絡めて述べたいと思います。

トランジスタ:半導体とトランジスタの技術が急速な電子技術の発展をもたら しました。詳細は別途取り上げるとして、3端子でその1端子の働きで増幅 やスイッチとして働く程度に考える事にします。
DRAM:トランジスタを使用すると、データの記憶が出来る事が重要です。その中 にDRAMがあります。一番単純で1個のトランジスタと1個のコンデンサで出 来ます。ただコンデンサは充電されて記憶させても、自然に放電してゆきま すので絶えず充電して保持する事が必要です。現在では主記憶として一般に 使用されています。
液晶は透明電極=コンデンサに挟まれていますから、トランジスタがあると DRAMの様にデータを保持します。
薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor:薄膜でトランジスタを作るとこの ように呼びますが、直接目にするのが液晶の方式としてです。
TFT型液晶:液晶の種類も、これ以前のDSTNと表現に統一がないので分かり難い です。液晶のドットを一つの記憶とする事で隣の干渉を少なくし分解能を高 くする目的です。原理的にデータの保持のための充電が必要ですが、STNが ねじれがもどってゆく途中で元の状態に戻すのに対して、記憶が保持されて いる間はコンデンサが放電しても、液晶のねじれを保持しますので分解能が 高くなります。逆にSTNではなくTNでも使用上の問題はありません。
高解像化・カラー化に伴い主流となりました。

バックライト:液晶の特徴は自分自身で発光しないことです。単に光りを遮断 ・開放するのみです。従って消費電力が少ない特徴があり、携帯用ではかか せません。問題は光を得る方法です。一番簡単で初期に登場したのが、バッ クライトです。裏から光を出します。欠点は広い面積を同じ明るさで保持す るのが難しいことです。
サイドライト:裏面の横から光を当てます。背面に反射板を置き裏側を一定の 明るさに保ちます。広く使われています。
反射型:光が通る所は見る側からも光が入りますので、背面の反射板のみでも 原理的には見えない事はありません。これは全く消費電力が不要です。しか し、明るさは一定でなく暗い所では見えません。初期に電卓で使用された時 は「数字ボタンが見えない所で使用しない」等の考えもありましたが、現在 の用途は広く、他の方法との併用で用いる事がありますが、単独使用は無理です。
カラー液晶:基本はカラーテレビと同じで、光の3原色を混合する事でカラー 化します。当然光の通り道は3倍になり高度の微細化によって作られていま す。


半導体

量子力学:20世紀は量子論と相対論の時代といわれます。理工系大学でもど ちらも入門しか習わないのですから、理解出来る人・活用出来る人が限られ るのも当然です。どちらもアルファベットレベルですが、これをもって社会 で役に立たないと言う事は「英語はアルファベットを憶えても社会では役に 立たない」という事と同じですので全く意味がありません。
実はどちらも活用はされているのですが、当然ながら詳しい説明がされない (出来ない)ので気がつきません。
量子論は、半導体を中心にした電子の分野では100%重要ですので我々は 完全に恩恵を受けています。レーザーも同様です。大学の量子力学の最後は エネルギーバンドに入るかどうかだと思います。ただ、理論的ではなく概念 的には早くから存在する事を前提に使われます。
エネルギーバンド:物質の配置(結晶)から、エネルギーは連続して分布せず に帯(バンド)上に存在する事から考え方が始まります。熱力学のエネルギ ー安定化の法則から、物質のなかを動く電子は低い所から詰まって行きます。 電気が流れるという事は、電子が動くことですので、電子が動ける様に詰ま っている物質が導体です(銅線等)。逆に電子が動けない物質は絶縁体と呼 ばれます。
ふたつの中間の少しの電子が動ける物質が半導体です。これは使い方で異様 な性質を持たす事ができます。なぜならば、制御することで電気を通したり 通さなかったりできるからです。
トランジスタ:半導体の電子素子への利用の始まりはトランジスタの発明と動 作の発見からと考えて良いでしょう。勿論最初は、実用化とは遠いものでし た。その後数々の技術の発展で現在では小指大の中に桁違いに多くのトラン ジスタを形成する事ができます。
MOS:これもトランジスタの1種ですが、動作原理が異なるのと理解し易いのと 小さく作りやすいことで現在では主流になっています。電気がとおる道があ って、間に通り道を狭くしたり広くしたりする部分が作られていると考えて おけば良いでしょう。勿論電気的に行います。

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