項目別バックナンバー[4]:ショップ情報:60

緊急事態宣言と店舗・ネット通販

新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が2020/04/07に出た。
内容は
・外出自粛。
 都道府県知事は住民に不要不急の外出を自粛「要請」できる。
 ただし「医療機関への通院・食料の買い出し・通勤など生活の維持に必要な場合は除く」。
・学校の休校を「要請」できる。
・施設や店舗の使用制限や停止を「要請」できる。
・イベントについては、特措法の45条2項に基づき、イベントを開催中止を知事が「要請」して応じなければ「指示」する。
 「指示」すれば特措法により公表する(罰則はない、公表理由は休業によるトラブル回避となっている)
・ライフラインは、事業者に安定的に供給の措置実施が求められる。
・マスクは、特措法の55条で必要な物資の売り渡しの要請ができる。
以上は「要請」または「指示」

緊急事態宣言で行政が強制的に出来る事(罰則有り)
・知事が臨時の医療施設をつくるために必要があれば、土地や建物を所有者の同意なく使用できる。
・知事が医薬品や食品など必要な物資の保管を命じる事。

実店舗では「施設や店舗の使用制限や停止」が影響を受ける。
(この項は次回へ)

新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言の店舗への影響の「施設や店舗」についてを詳細する、
・都道府県知事は感染拡大を防ぐために必要な場合は、施設の使用制限も「要請」できる。
・店舗の営業についても、特措法の45条2項で「多数の者が利用する施設」は使用制限や停止を「要請」できる、「多数の者が利用する施設」は政令で定められている。
・対象は、
 ・映画館・劇場
 ・集会場や展示場
 ・百貨店、スーパーマーケット、
 ・ホテルや旅館、
 ・体育館、プールなどの運動施設、
 ・博物館や図書館、
 ・ナイトクラブ、
 ・自動車教習所や学習塾などの建物の床面積1000平方メートルを超える施設、これに満たない施設でも特に必要と判断された場合は対象となる。
 ・スーパーマーケットでは食品、医薬品、衛生用品など生活必需品の売り場だけは営業を続けることが出来る。
・「要請」に従わない施設に都道府県知事は「指示」を行える。

新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言のインフラへの影響もある。
・ライフラインは緊急事態宣言が出ても止まらない、電気・ガス・水道は事業者に対して安定的な供給が求められている。
・運送や電話やインターネットと郵便については、事業者が適切に実施する事を求めている。
・鉄道やバス等の公共交通機関は法律で停止は想定されず、逆に総理大臣や知事が最低限の交通機関を動かす調整を行えるとされている。
・金融機関は緊急事態宣言の地域でも店舗は原則は通常営業を行うが、利用者にはATMやインターネットバンキングの利用を呼びかけている。
 ATMとインターネットバンキングは通常どおり利用できる、ただし商業施設等で休業の時はATMは利用できない。

政府の緊急事態宣言を受けて、消費者向け荷物配送事業者の佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便は、感染拡大の防止に配慮しての、配送事業の継続方針を出した。

緊急事態宣言に対する日本郵便の対応と状況、
・沖縄県から他の地域へのチルド・冷凍ゆうパックの引き受け停止。
・北海道・九州地方・沖縄県からのゆうパックと、東北地方から中国・四国地方へのゆうパックは、2?4日程度の遅延が見込まれる。
・多数の地域から又はそこへの郵便物等の一部が1?2日程度遅延する、沖縄県絡みは3?4日程度遅延する。国内航空便の運休でより影響が発生する。
・郵便窓口は営業縮小もある。

ネット通販やオンラインショップでは多様な対応になった、専業のネット通販事業者は営業を継続しているが商品内容によっては利用の増加が起きて作業遅れが生じたり、別途運送状況の遅延も影響した。
緊急事態宣言で大規模商業店舗の自粛要請を受けて百貨店とモールが休止したが、それに伴いそれらのオンラインショップでは休止が増えた。
逆に店舗販売が自粛モードで停滞している事業で通販に力をいれるか、または売りあげ比重が増たケースが報じられた、ただし店舗や営業所の生産・運営人員確保や商品仕入れが難しければ営業停止もあった。
店舗・通販共に大幅な仕事量の変動が生じて、増えても減っても運営が難しくなっていて、ネット通販も対応能力が必要になっている。

東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏と大阪・兵庫の関西圏と福岡に2020/04/07に非常事態宣言が出てその後に他の地域が追加され、人の移動を防ぐ為に全国に拡げられた、その後に2020/05後半から緊急事態宣言の解除が段階的に行われている。
非常事態宣言中には、企業のリモートワークが進み、学校の休止と、イベントと施設の休止・閉鎖が増え、人の外出自粛が増えた、その状況は「巣ごもり消費」と言われ注目された、そこでは
 ・三食を自宅で用意するので、食材が多く必要
 ・巣ごもり用の本やゲームなどの消費は増える>ただし店舗含めた個別品目 合計は低下して不況状態・外出自粛でも生活必需品の買い出しで買い物に行く人は多い

デパートとショッピングモールが営業を停止し、休業しない実店舗では売上げ低下し、生活必需品と食品の販売店は営業した、スーパーには客が増加し混雑も生じ、外食店はテイクアウトや弁当販売を行った。
一方では通販は増えた、楽天やアマゾンのインターネット通販サイトでは売上が増加して、売上げ増加部門では出荷増に物流が追いついていない状況が起きて欠品や入荷待ちが生じ、輸送の制約も関係するが結果として通販サイトの配達遅延が起きた。
商品配達を行っている生協等では注文の急増と、新規通販登録者の増加とが起きて、その結果として欠品や抽選販売が増えた。
緊急事態宣言の解除後に「巣ごもり消費」が生活習慣的にどの様に変化するかが注目されている、ネット通販が変わる可能性もあるとも言われる。

緊急事態宣言発令以前に新経済連盟の三木谷代表理事は賛同企業145社の総意として政府に「緊急事態宣言発令の必要性」と「経済界の立場で実施と協力」を述べていた、そして発令後に「緊急事態にデジタル技術を通じた革新的な解決策を提示できる」と公式に表明した。
新経済連盟の提案では「収束までの短期・中期的な具体策。経済・社会の対応手当て。オンライン生活や事業にシフトする施策」「コロナ問題を機会として、世界最先端のデジタル社会の実現へ取組の必要性」が有った。
緊急事態宣言発令後のネット通販やオンラインシステムでは幾つかのトラブルや渋滞が起きた、これは提案の中の「Online Ready=オンライン環境が準備されている」を不安視させたが、徐々に改善されつつある、また「ソーシャルディスタンス(WHOは最近にフィジカルディスタンスの用語を使用)の啓発活動を進める」に関しては定着している。
経済産業省の資料では2017年の日本の電子商取引(EC)比率は7.9%で、中国の20.4%や米国の11.8%と比べて少なかった。
緊急事態宣言の発令と外出自粛は日本のインターネット通販の利用を増やし、比率の低い電子商取引(EC)が拡大する可能性があり、企業にもEC投資の機会になりえる。
店舗の売上げ低下や消費冷え込みをECが短期的には補いきれないだろうが、オンライン購買習慣の定着可能性はあり、長期的には企業と消費者との接点がオンラインで増える可能性は高いと予想される。


ドライブスルー

ドライブスルー(drive-throughまたはdrive-thru)は、利用者が自動車に乗ったままで商品を購入したり、サービスを提供されたり出来る方式やその設備を指して呼ばれる。
基本行動・原理は、利用者は設備のある場所へ行き、入口から自動車で入って行き利用者は自動車から降りないで、自動車の窓越しに商品を購入して受け取りと代金支払いを行う、終了するとそのままで自動車を動かせて出口から外に退出する。
使用例として、例えばハンバーガー店を含むファーストフード店で利用されている、そこでは商品ジャンルが制限されていて、販売形態がテイクアウトやデリバリサービスという方式のノウハウを転用出来る、元々が注文から商品完成と受け取りまでに時間が短いが注文方法に工夫を加えてより短くする可能性もある。
その他には、銀行窓口(ATM)の利用、クリーニング受付と引渡しでの利用、調剤薬局での薬の受取などにも利用例があり、自動車を利用して施設に訪問して、そこでサービスを受ける・商品を受け取る用途では、応用範囲は広いと言われている。

ドライブスルーは車社会で有用な方式であり、そのドライブスルーの形式は1930年代にアメリカで生まれて後に他の国にも広まったとされる。
アメリカでドライブスルーが発達した理由としては、国土が広く車が普及して移動手段の中心になった事があるが、車で訪問する商業設備・ショッピングモールの普及も理由であった、それ以外にドライブスルーが広まった理由としては、駐車場を探す手間が省ける事があり、それ以上には治安面に問題があり夜間や人気のない場所で犯罪に巻き込まれない事が目的にあり、加えて子供や老人連れや身体障害者にも利便性が高い理由がある。
車社会が発達するアメリカでは多数の業種のドライブスルーが生まれたとされ、図書館の本の貸出や返却のドライブスルー、募金活動を行うドライブスルーや、結婚式等のサービス施設のドライブスルーもあるとされる、多くは予約と結びついている。
ドライブスルーにはネット通販で注文した商品の受け取り場所のサービスもあり実店舗も含まれる、実店舗は買い物の場所であると同時に通販購入商品の受取場所ともなっている、ドライブスルー方式は通販購入商品の受取方法としての有効な方法となっている。

アメリカ社会ではドライブスルーには幾つかの利点があった事で普及したが、日本ではその事情はかなり異なった。
日本は国土は広くなく車は普及はしたが、生活への利用度は地域とかの事情で異なり必ずしも車社会とも言えなかった、生活品購入・買い出しに車で商業設備・ショッピングモールへ行くと言う生活習慣は国土全域であった訳ではないようだ、日本は治安がアメリカと比較して格段に良かったので、子供や老人が一人で出かけられないとも必ずしも言えなかった。
日本のドライブスルーは、事業者がアメリカの店舗の例を見てドライブスルーを設置ことが最初で自然発生と言えない、あるいはアメリカ発祥・育ちの企業が導入した例もあった、従って生活文化として見ると限定的に生まれて育った方式であり、機能限定・役割特化サービスのようだ。
日本でのドライブスルーの例は
・ファストフード店のドライブスルー。アメリカ発祥。
・年賀状の受付時の混雑緩和の目的で、郵便局の駐車場で差出できる「年賀状引受ドライブスルー」。期間限定型。
・酒店での利用者が車に乗ったままで購入品受取や空ケースを返す。車で運搬型。
・旅行代理店で、事前に電話申込を行った後に比較的単純なチケットの受け渡しを行う、それ以外は併設の既存窓口で行う。事前連絡型。

2020年の新型コロナウイルスの流行で、人と人との接触を最小限に抑える必要になり、政府は緊急事態宣言を出して、必要以外の外出自粛を要請した。
ドライブスルー方式は人との接触を少なくすると考えられるので注目された、外食店では店内での飲食が難しくなりテイクアウトを推進してきたが、その一方法としてドライブスルーが積極的に導入された。
レストランやホテルへの食材の供給が減少した生鮮食品を扱う所では、商品が余る事になりドライブスルー方式での販売を行った、そしてその定期化を進めている。
一方では新型コロナウイルスの感染が疑われる人の検体のPCR検査をドライブスルー方式で行う事が各地で実施された。
名古屋市は医師からウイルス感染の疑いがあると診断された軽症者を対象にして、検体をドライブスルー方式で採取するPCR検査所を設置した、テント式ブースに車で入り問診票と保険証を提出して、体温と酸素濃度を測定後に医師が検体を取る、対象者は車から降りず終える。
豊橋市は市保健所のガレージを使い、医療機関で検査が必要と判断された市民に車で来てもらい、車に乗ったままで患者から医師が検体を取る方法を行った。

新型コロナウイルスの流行でインターネット通販の利用が増加し、外食店でのテイクアウトと食品販売でのデリバリが増加した。
通販店と外食店と食品販売側での対応能力も課題になるが、同時に宅配手段とデリバリ手段の確保と対応能力も課題となった、宅配への新規参入は容易ではないが、顧客に引き渡す末端での配達能力確保と客と配達員の接触を減らす手段が検討された。
その中に自宅配達ではなく顧客が荷物受取りに行く方式が有る、例えばコンビニ配達・受取やターミナル等の宅配ボックスが有る、ドライブスルーもその手段としてアメリカで普及していると言われる、日本でも話題には昇るようになってきている。
巣ごもり生活・ステイホーム生活では、通販・デリバリに色々なサービスが登場して利用が増えている、その中の宅配代行・デリバリ代行はデリバリを行う店が配達だけを外部に依頼する方式だ、それはドライブスルー方式で顧客が自ら商品を受け取りに出掛ける部分のみを代行するサービスとも言える。

アメリカではネットで注文した商品を事業者が末端の店舗へ通常の配送機能で送り、電子メールで連絡をうけた客が車で個々の店舗に受取に行く方式が広く行われておりドライブスルー方式で引き渡されていると言われる。
最近ではスマートホンが普及してそのアプリを利用して、アプリで注文する>電子メールで商品準備完了連絡>GPS情報から店舗に行く>店舗で引取る、方式があり、受取は駐車場の利用が多くなる。
駐車場での受取は店舗内受取りと区別して、「ドライブアップ」と呼ばれる、事業者には設備投資的には有利になる、客には郵送・配送よりも速い事があり、加えて車を移動に使う人には手軽感がある。
日本では後者は限られるのが現状だろう、生鮮食品のドライブスルー方式販売が起きているのは速い事が理由だ、日本では宅配の配達時不在を防ぐ対策としてのコンビニ・宅配センター・宅配ボックスセンターでの受取方式の中の1方式としてのドライブスルーが検討される。

 

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