項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:71

国会図書館とネット

インターネットサービスとして検索サービスが、2017年12月27日までは「国立国会図書館蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)」として運用された。
国立国会図書館蔵書検索・申込システム「NDL-OPAC」は機能を大幅に拡充され、国会図書館の所蔵する資料のほとんどがインターネットを通じて検索することが可能になった。
国立国会図書館の所蔵する国内出版物は納本制度を通じて収集された日本国内の出版物の網羅的コレクションであり、その目録はまとめられてきた全国書誌の集積であり、NDL-OPACを通じた書誌データの提供は、単に国会図書館一館の資料所蔵情報の公開だけでなく、日本における出版物の書誌データを網羅的に提供するサービスだった。
雑誌記事索引もNDL-OPACを通じてインターネット検索が可能であり、国立国会図書館開館以来50年以上にわたって蓄積された雑誌記事索引のデータベースが公開された。
それらが2018年に国立国会図書館オンラインとしてリニューアルされた。

国立国会図書館オンライン(NDL ONLINE)は正式名称が「国立国会図書館検索・申込オンラインサービス」であり、2018年1月5日よりサービスを開始した。
国立国会図書館オンラインは、それ以前に運用されていた国立国会図書館蔵書検索・申込システム「NDL-OPAC」の機能を大幅に拡充したサービスであり、国立国会図書館の所蔵資料の検索と申し込みができるシステムだ。
このシステムにより、国立国会図書館が所蔵する資料であれば、インターネット経由で書誌情報を検索・ダウンロードできる。
ただし閲覧の申し込みについては入館中のみ可能で、それ以外の場所ではできない。
その後に、2022年から一部の資料と本が、デジタル写真画像化・電子データ化されて、インターネット経由で閲覧できるサービスが始まった。

「国立国会図書館デジタルコレクション」(旧称:国立国会図書館デジタル化資料)は、国立国会図書館が所蔵する資料の内で、デジタル化したものを収録している。
デジタル化した資料は、「インターネット公開」「図書館送信資料」「国立国会図書館内限定」の3種類の公開範囲のいずれかに設定されている。
歴史的な貴重書や錦絵の画像、歴史的音源、著作権の保護期間が切れた著作物等はインターネット上で一般に公開されている。
保護期間が切れていない資料も絶版などで入手困難ならば、「図書館向けデジタル化資料送信サービス」に参加している図書館などで閲覧することができる。
上記以外のデジタル化資料は国会図書館3館(東京本館、関西館、国際子ども図書館)でのみ閲覧できる。
その一部は2022年から登録者にはインターネットで公開が始まっている。

国立国会図書館は、「国立国会図書館のデジタル化資料の個人送信に関する合意文書」(2021年12月3日)に基づき、「個人向けデジタル化資料送信サービス」(略称:個人送信)を2022年5月19日から開始した。
これは、2021年6月2日に著作権法の一部を改正する法律 (令和3年法律第52号)が公布されたことによる。
この改正で、国立国会図書館はデジタル化した資料のうち絶版等資料をインターネット経由で個人に送信できるようになった。
法改正の背景には、デジタル化・ネットワーク化への対応があり、さらに新型コロナ・ウィルス感染問題により、当館や公共図書館、大学図書館等に来館せずに利用できるデジタル化資料への要請が個人から高くなったことがあるとされている。
国会図書館のデジタル化資料の中で、絶版等の理由で入手が困難なものを、利用者が使用する端末(スマートホン・タブレット・パソコン)等から、インターネット経由で閲覧できるサービスだ。

国立国会図書館デジタルコレクションで提供している資料のうち、「個人向けデジタル化資料送信サービス」(略称:個人送信)で利用できる資料は、絶版等の理由で入手が困難であることが確認された資料が対象だ。
ただし、著作権者等の申出を受けて、3か月以内に入手困難な状態が解消する蓋然性が高いと国会図書館が認めたものは除かれる。
具体的には、「図書館送信資料」約153万点(令和4年1月時点)の範囲内の資料となる。
このサービスを利用できる人は、国立国会図書館の「個人の登録利用者」のうち、日本国内に居住している方が対象となる。
「個人の登録利用者」になってサービスの利用をするには、個人送信の利用規約に同意する必要がある。
登録には有効期限がある、有効期限は国立国会図書館オンラインへのログイン等で自動的に延長される。

国立国会図書館デジタルコレクションで提供している資料のうち、「個人向けデジタル化資料送信サービス」(略称:個人送信)は漸く始まったばかりであり、細部の賛否はあるだろうが、資料の保存と有効利用の観点では意義は大きい。
保存している書籍の実物は痛みと劣化の問題があり、対策的に図書館内でのみ申請しての閲覧を行うか、閲覧不可だった、その状態を基準にして考えれば利用側にはデジタル化しての閲覧可能は利点しかない。
出版側等では、著作権の問題(絶版本でも)や、復刊への障害になる意見もあるようだが、実際に始まった事で意見は熟成してゆくだろう。
利用者側からは対象資料の拡充への期待が大きい。
デジタル化によっての、検索機能の拡充の期待がある、デジタル資料>応用・検索での活用の可能性は高い。
既にこれらに関してのリニューアルが2022/12/21に行われる予定が発表されている。
さらには、複写サービスへの対応も予定されている、国会図書館に行かなくとも可能になる事で、便利性は高まる。
ただし、著作権上の問題は同じで、制限付きになる事は変わらない。


国会図書館デジタルコレクション

国立国会図書館デジタルコレクションで提供している資料のうち、「個人向けデジタル化資料送信サービス」(略称:個人送信)が2022/05から始まった。
これ以前では個人が所蔵図書を閲覧するためには、国会図書館に訪問して、利用者登録して(最初のみ)、さらに所定手続を行う必要があった。
その上で許可された書籍に関してのみが、館員により準備されて、館内でのみ閲覧可能となっていた。
その理由には、書籍と資料の保存の観点が強く、保存書籍の実物は痛みと劣化の問題があった事が大きい。
国会図書館では書籍・資料の劣化対策として、書籍・資料をカメラで撮影してデジタル画像として保存する事を開始して来た。
これにより、書籍・資料の画像が劣化しないデジタル保存が出来て、バックアップの複製も可能になる、さらには複製であるデジタル化画像を公開・閲覧する事で閲覧による元本の劣化を防げる。
デジタル画像には、画像検索等の新技術による新しい利用方法も期待できる。

国立国会図書館の資料の閲覧に関しては、貸し出しが無く施設内での閲覧のみであり、さらにはそれも館員を通して資料を受け渡しする方式と言う事で、閲覧性に関しては大きな制限があった。
さらには前述の様に、資料や書籍の痛みや劣化の問題から、閲覧出来る資料には制限があった。
国会図書館デジタルコレクションは、資料のデジタル化によってこれらの課題を一気に変える事が大きな目的の1つだった。
紙媒体書籍と資料の写真撮影によるデジタル化と、デジタル化した資料のインターネットを利用しての公開がその具体的な内容だ。
過去から行われてきた国会図書館を利用する為の利用者登録制度に、インターネットからの閲覧を組合せて、新たな登録方式の仕組み変更が行われた。
仕組み・システム構築と運営が伴う国会図書館のサービスであり、サービス内容は現在進行形であり継続的に改善中だ、近々でも検索や印刷サービスについての改善・追加がアナウンスされている。

国会図書館デジタルコレクションの中で、個人当ての送信サービスが2022/05から始まっている。
そこでは、利用者登録(本登録)が必要となっている。
それは、従来から実施されて来た、国会図書館の館内での閲覧時に必要な利用者登録と内容的にはほぼ同じであり、個人認証としての証明書類を必要としている。
個人証明書類としては、運転免許証・マイナンバーカード等があり、住所・名前・誕生日の記載と顔写真の双方が確認可能な書類を指す。
従来は館内に持参するか郵送で行っていた登録作業を、インターネットで行う方法に拡大された、そこでは例えばマイナンバーカードの表と裏を写真で写して、写した写真の画像をインターネットの申請フォーマットにアップロードして添付して申請を行う。

国会図書館デジタルコレクションには、閲覧方法で分類すると
・本登録なしでインターネットで利用できる資料
・本登録でインターネットで閲覧可能になる資料
・図書館内での閲覧が可能な資料
の3つがある。

本登録でインターネットで閲覧可能になった書籍や資料は、昭和30年-50年位が中心であり、書籍自体は当然に絶版であるが、さらに資料的にもテキスト・タイトル的にも復刊されていない書籍に注目している。
ただし、その資料・書籍では多くはまだ著作権が生きている書籍・資料である事などから、国会図書館デジタルコレクションの個人当ての送信サービス開始以前では国立図書館内での閲覧のみが可能だった。
ただしこれら資料・書籍等は物理的な痛みと計時変化等で状態が悪くなり、保存が課題となっていた、それは閲覧自体にも注意と制限が必要だった、それを写真撮影してデジタル化して保存を目指している。
そしてその結果であるデジタル写真を、インターネットで閲覧可能にしたサービスの実現となった。

2022年5月から開始された「国会図書館デジタルコレクション」で最も注目されたのが、「本登録でインターネットで閲覧可能になる資料」だ。
そこには現在では、入手困難でありかつ高価な書籍が多数含まれている、これらは痛みが酷く、計時変化も起きている、それ故に取り扱いも難しい。
これらは図書館的にも貴重な資料であり、さらなる劣化防止に為にも閲覧停止になっている場合もある。
保存目的で写真画像化するが、同時にそれをインターネットで読めるように公開した。
実際に読める書籍は、カバーのない書籍本体の外観写真から始まり、1ページ毎にめくると、両開きの左右2ページの写真画像が表示される。
写真的には明瞭なのだが、前述のように資料・書籍自体が古書・古資料であり汚れ・活字の薄れ・その他色々な通常の古書に見られる状態が写真でも当然にある。
電子書籍的に表現すれば、写真集である、画面内での拡大・縮小は可能だが画面サイズから制限されるので画面の小さい機器では読み難い、さらにその写真自体が古書なのだから古書を読みなれた人以外は慣れが必要だ。
入手困難な書籍を無料で読めるのでその意味は大きい。

「国会図書館オンライン」と「国会図書館デジタルコレクション」は2022年5月と12月に機能が公開さらに改良された。
その結果で、1度のパスワードでのログインのみで複数の機能を追加のログインなしで利用できるようになった。
「国会図書館オンライン」では利用者のIDごとに、「利用者情報」と「マイリスト」が利用できる、「マイリスト」は検索して得た結果を保存できる。
「国会図書館デジタルコレクション」では、「マイコレクション」が利用できる、個人向け送信サービスで閲覧可能な書籍・資料から検索したものを格納出来る、そこでは書籍名と同時に両開き単位で表示される閲覧ページ数も保存出来る、それは栞の役目でも使用出来る。
「国会図書館オンライン」でログインして、「マイリスト」等から「送信サービス」で閲覧可能を選ぶと、国会図書館デジタルコレクションに移動してそこで「マイコレクション」から保存した書籍を選べば、中断していた書籍を簡単に再読・継続読書出来る。

データコピー・バックアップサービスの@IDEA

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