項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:14

すきま製品

巨大なビジネス市場には、巨大資本を持つ企業の競争があります。

しかし、大きな市場と競争の存在する製品の製造には非常に多くの部品・製造 装置・製造技術が必要であり存在します。

部品・装置・技術の全てを最終製品を製造する企業が保有・製造する訳ではあ りません。

古い言葉では「下請け」的な仕事をする製造企業とその製品が存在します。こ れらは、最終製品の製造業が「自身でも製造出来るが効率上で、他の企業か ら購入する製品ではありません」ので下請けとは異なります。

市場規模的には大きくても、使用量や金額ベースでは必ずしも大きいとはいえ ません(最終製品の市場と比べて)。しかし必要性や成長性は、最終製品と 深い関係があります。

これらの製品を、「すきま産業・製品」と呼びます。巨大資本の最終製品と、 特別な技術を必要としないほとんどが製品コストのみで決まる競争相手の多 い製品のどちらでもなく、そのすきまに存在する独自の製品だからです。

「すきま産業・製品」はその成り立ちと必要性から、技術とノウハウの固まり の製品といえます。

従って、その開発の先行性はいわゆる「ベンチャー企業」的な取り組みが必要 です。

資金面や、用途が特定される時は大企業が対応する事も可能ですが、特別な部 門・プロジェクトで扱われるのが普通です。また、母体企業が大きくなると このような製品をいくつ・またはいくつのジャンルで持っているかが問題に なります。

一度先行しても、いつまでもその状態ではありません。柔軟かつ絶えず先を見 た対応が出来る体質と技術力があってはじめて継続できます。

現在、しばしば話題になる「正当な技術対価」の問題を持つとも言えます。

ネットビジネスは「すきま製品」については微妙です。ソフトの知的財産権の 問題と画面等のインターフェイスの著作権の問題が絡みますので、技術やノ ウハウがどの程度影響があるのかが判断しにくい事が一つです。

次に、技術進歩の非常に早いジャンルですので一度トップに立っても、それを 維持するのが難しいといえます。具体的には、技術開発の継続の問題と、製 品・ビジネスモデルがすきまでなくなって多くの参入が出やすい問題です。

また、ネットがグローバルな世界に対して、分野をもグローバルに眼を向ける か、あるいは日本あるいは多文字言語地域に限定して眼を向けるかも重要な 選択になります。

日本語・日本語翻訳などが、世界的に見てグローバルかすきまかはかなり重要 な判断になります。


会社法

メデイアで「新会社法」「会社法の改正」「1円開業」等の言葉を見かけます。

一般読者の眼を引くための目的で使用していると思いますが、どれも正確では ありません。

2006/5/1に「会社法」が制定されました。これ以前は会社設立等に関 する事は明治に作られた「商法」の会社設立に関する条項が適応されていま した。従って同時に商法の改正も行われました。

内容的には、商法の該当条項に新しい内容を加えて全く新しい「会社法」が出 来た事です。「旧会社法」は存在しません。従って改正ではなく、新規制定 です。「1円開業」は「最低資本金が1円になった」だけで、登記費用が必 要でかつ活動資金や対外的信用上で「資本金1円」は現実的な内容ではあり ません。

どの企業形態でも影響のある内容ですが、経過措置としてほとんど何もしなく ても可能になっています。しかし、あくまで経過措置ですし制定された「会 社法」を利用するメリットは大きいですので理解は必須と考えます。

会社形態は、旧商法では「株式会社」「有限会社」「合名会社」「合資会社」 でしたが、会社法では「株式会社」「持分会社」になりました。

「持分会社」には、「合名会社」「合資会社」「合同会社」が含まれます。

基本は「株式会社」に統一して、細部を実態に合わせて決められるようになっ たのが特徴です。具体的には、「最低資本金の変更」「株式譲渡制限会社の の活用」「取締役数と取締役会の設置の有無」など多数あります。

これらを選ぶ事で有限会社の新規設置は無くなりました。ただ暫定運用として 既存の有限会社の継続は認められています。ただ暫定措置がいつまでかは不 明です。

「株式会社」が基本は変わりませんが、その形態・機関を色々変える事が可能 になりました。

会社設立には定款が必要ですが、そこに内容を記載する事で色々なパターンが 出来ます。

「株式譲渡制限会社」は文字通りの内容ですが定款に記載する事でなる事が出 来ます。これによって規制が緩和され旧商法での有限会社と同様の形態にも 出来ます。(有限会社の新規設立は廃止)

旧商法の最低資本金(株式会社:1000万円、有限会社:300万円)は、 1円になりました。(現実は、実務上・対外的信用上からある程度は必要で しょう)設立登記費用も若干は少なくなっており、有限会社の新規設立は廃 止になりましたがおおきな問題はないと思えます。(既存の有限会社は暫定 移行措置で存在できます)

取締役会も設置するかしないかも選べます。取締役人数によっては必要ない場 合もあるからです。また、会計参与を任意で設置する事が可能になりました。 ただし慣れる人は公認会計士等の専門家に限られます。

「持分会社」には、「合名会社」「合資会社」「合同会社」が含まれます。

前のふたつは改正はありますが、旧商法での同名の会社組織と基本は同じもの です。

「合同会社」は、1:会社の所有と経営が同じ、2:有限責任の社員から組織 されている、3:会社の自治が充実し社員の意志が重要な要素 等の特徴が あります。

前のふたつが、無限責任の社員を含む事と違いがあります。

「合同会社」は「日本版LLC」ともいわれ、アメリカで発展したLLCをアレンジ した内容になっています。株式会社との一番の差は、株式会社が出資比率で 利益配分をするのに対して、「合同会社」は利益配当を会社定款で決める事 が出来ます。 出資する人と、製品を作る人(技術・ノウハウ)と、売る人(営業等)とが 集まって事業を始めるときに利益配当の比率等を定款で定めておけば目的に あった会社を容易に設立できます。

会社形態によって、色々なものの簡素化が可能になります。

「取締役会」の設置が無くてもよくなりました。その結果、株主総会の内容や 運営方法も簡素化できます。

また、株式譲渡制限を会社定款に記載する事で、取締役任期を10年まで延長 できます。有限会社の新規設置がなくなり株式会社のみになりましたが、こ れらはその根拠となる簡素化規定です。

また取締役会があっても、決議内容の簡素化も可能です。これも定款で定めて おく事が必要です。

細部を有効に利用する事により、いわゆる中小企業でも関連会社を容易に設置 出来ます。有用な利用も可能と思われますが、対外的な信用性や実運用から たとえば最低資本金など、規定最低額で実際に可能かどうかはよく考えて、 会社形態を決める必要があります。

有限責任事業組合(LLP)は組織的には、合同会社のLLCと類似しています。

違うのは、LLCが合同会社という会社組織で、有限責任事業組合(LLP)は会社 ではないので組合の構成員が経営的実態になります。

具体的には、会社はそれに対して法人税がかかりますが、法人ではない有限責 任事業組合(LLP)は構成員に対して課税対象になります。

合資会社・合名会社は残りましたが、これが無限責任に対して、LLCは有限責任 が特徴です。出資額が限度の有限責任はリスクが少なくなりベンチャー的な 会社を起こしやすくなると思われます。


リードメール

コミュニテイやショップが配信するメールマガジンには、情報の他にポイント サービス・懸賞・ゲームなどの特典をつけるのが普通になっています。

独自にメールマガジンを発行出来ない個人や中小法人が情報・広告・宣伝に使 用するのがビジネスメルマガです。これは、無料投稿の掲載とその依頼者の 配信を条件に運営されています。 当然ながら、有料配信はメルマガ購読の交換条件なしに可能です。

リードメール(リードを、読むとする時と導くとする場合があります)は、読 者を登録制にして配信します。配信メールマガジンを一定時間読む(開封) するとポイントが与えられます。 有料配信利用者は、読者の開封ポイントを加えた配信費用を、リードメール 発行者に支払う事で、リードメール配信ビジネスは成り立ちます。

ビジネス・リードメールは盛んと共に、衰退しやすい物です。

もともと、システムを自主開発する場合は少なく、寡占状態の数ソフトを使用 します。

だれしも、無人で読む(開封)出来たらと考えますので、それの対策が必要で す。

情報を求めている人よりも、ポイント獲得を目的にしている人が多いので、配 信数・表示時間・クリック(開封)単価・ポイント単価の設定と実施は非常 に競争が激しくなります。

結果として雨後のたけのこのように乱立しますが、長く継続するのは限られま す。需要と供給のバランスが偏りがちな性格があり、広告目的からは意外と 利用したいものは限られます。

オプトインメールという言葉が使われます。情報を求めている人に希望する情 報を配信するので効果的という意味です。

コミュニテイに参加する場合に、興味のあるジャンルを選ぶ作業が大抵の場合 あります。これを基に配信内容を変えるとされています。ただ実際はどうか 疑問な場合が多くあります。

ビジネスリードメールも登録制です。ポイント制・課金制では支払いがいつか は発生しますので払い出し方法の登録は必要になります。

この登録時に、同じように興味あるジャンルを選ぶ作業がほとんどの場合あり ます。現実は、多くの配信元が注意書きしているように使用していない情報 です。

これは、配信システムがコミュニテイ用に設計された物が転用された事に理由 がある様です。

通信費の絡みで、パソコン用と携帯電話用は現在はかなり差があります。

メールを読む(開封する)事で課金されるのですから、読む事で得られるポイ ント(課金)が通信費より多くなければ、内容自体に読者に価値がなければ なりません。

ビジネスメルマガは、無料投稿>アドレスの代理登録>無料投稿の掲載>配信 の流れがあります。

現在のビジネスリードメールは、無料投稿のシステムがなく課金で読者を集め る仕組みですので、配信内容の価値はあまり問題にされていません。その為 に同じ内容の配信が集中したり、ホームページ訪問課金システムの投稿に使 用されたり、訪問者のアクセス解析情報収集目的だったりと思われるものが 多くあります。

現在は配信スタンドとサーバの費用がネックになっているようで、内容よりも 配信回数が問題で、受注のために価格競争が激しくなっています。

実際のリードメールを見ると、「read-mail」「lead-mail」の双方が使われて いるようです。どちらが正しいか、どちらも造語か知りませんが意味的な区 別はない様です。

どちらも現在のビジネスリードメールとビジネスメールマガジンの違いを表し てはいないと思います。言葉からではなく実際の内容を理解する必要があり ます。

現在のリードメールは、ポイント・課金制ですので払い出し目的を含めて登録 制です。ビジネスメールマガジンの読者(メールアドレスのみ)とはより多 い情報で繋がっています。当然に発行者の個人情報管理義務は大きいですが 次々生まれるのは別にして、登録者に連絡と廃刊処理・個人情報処理の連絡 なしに、廃刊(正確には行方不明)になるものが多いのは法的にも問題が多 いといえます。

個人管理のポータルサイトやメールマガジンも、当然に個人情報管理義務は有 りますが、情報量の制約と金銭的な義務を比べるとビジネスリードメールの 管理責任は圧倒的に大きいが、理解していない管理者が多く詐欺同様の事が しばしば行われている状況をリードメールに登録する人は理解しておく必要 があります。

ネットビジネスにおける広告宣伝手段として、メールマガジンが増加した事が あります。しかし需要と供給のバランス、そして品質の問題から淘汰が進み ある所で飽和している感もあります。ビジネスとしてコピーマガジンを作っ たり、読者の上乗せを行ったり、メーリングリストを禁止用途に使用したり 無責任な運営を行っている事があります。配信履歴・広告効果を調べれば、 まがいものは分かります。これの対策の形でクリック保証タイプが登場しま した。

リードメールは、クリック保証メールマガジンをポイント制の課金制にしたイ メージのものです。一時は全てが置き換わると言われた時もありますが、現 実はメールマガジンと同じ道を歩んでいます。乱立・廃刊が続いています。 中には課金の払い出しもしないでかつ破産宣告もなしでの中止(と思われる )もあります。詐欺といえる行為です。 また利用者にも問題があります。クリックポイント制のアフィリエイトを規 約違反のリードメール配信する違反があります。 結局はこれも運営者で決まり、有効ではあるが限度がある状態で飽和させて います。

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