項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:49

検定試験・資格試験

教育を受けるには多くは受験が関わる、あるいは教育の中で試験が行われる、ある教育を終了するときには修了証書や資格認定書などが出される。
教育の意味は技術・能力の取得であり、証書や認定書の取得でないと言う建前はいつも存在するが、把握しずらい能力よりもそれを証明する立場の証書や認定書で判断するのが最初の行動だ。 教育や小学校から大学まで(それ以外にもある)にも卒業証書や証明や学位などが存在して、それ以外の検定や資格とは区別しがちだが基本は同じだ。
教育機関は多数存在するが入学試験は有る事も多く内部での進級試験も同様だ、終了証書も多く出される、また検定試験・資格試験も多数存在するが、有名になるとそれを教える教育機関も作られる。
情報関係の技能とその教育のニーズも高く、それに従い対応も増加しているし、それ自体にネットが絡むようになっている。

国家やその行政機関が直接か又は委託した団体が行う資格試験に合格すれば獲得できるのが国家資格であり、その為の資格試験を国家試験と呼ぶ。
国家資格が注目される理由は、それらが法律に依って運営・実施されるために該当する資格を取得せずに業務を行うことが禁止されているものが多い事だ、言い方を変えれば業務を独占する資格・権限とが許可される。
そもそもその業務の名称自体が資格と密接であり、その為に設けられたとも言えるし、法律で定められているために資格に社会的な信頼・信用があるとも言える、同時に上記が重なり資格獲得の難易度が高くなる。
民間が制定して検定試験・資格試験を行い、資格を与えるものも多数生まれているが全てが社会的な信頼・信用を得ていない、法律に代わる何かで知名度と信用を如何に獲得するかがそれらの資格の課題だ。
特に新しく制定されたものや、内容が度々更新されるものは定着自体も難しい、情報分野やIT絡みはこれに該当する事が多い。

情報処理技術者試験は法律の規定により、経済産業省が情報処理技術者としての知識と技能を認定している国家試験であり、それがカバーする範囲は広く受験者数も多い。
公的な職場では試験合格を求める事は多いが、弁護士や税理士のように合格すれば何かの特定の仕事を行えるという資格を得るものではなく、国家試験だが資格を獲得出来る試験ではない。
情報処理技術者試験はその実施内容も法律で規定されているが、情報分野自体が急成長しながらしかも変化が早く大きいという性格がある。
それ故に実施内容は過去に3度の大幅な試験区分の変更が行われている、そこでは試験区分も新設と廃止が行われて来た、またそれ以外にも小さな試験内容の変更は継続的に行われている。
試験方法は筆記試験で基本だが、途中からパソコンを使用する試験も一部で導入されている、また受験手続きに2003年からインターネットが導入されている。

初期情報処理試験の「特種・1種・2種」という区分が大きく変わりシステム利用者を対象とする「システムアドミニストレータ」が作られた。
同時に特種が見直されて、システム構築の為に必要な技術者を細部に分割して複数の資格を設定した、「システムアナリスト」からボトムダウン的に新しい資格が設定されて、1種はプログラマの資格となり取り込まれた。
相互に重なりが設けられた事や午前の試験が共有点が多い選択式で、合格レベルの者は複数資格試験に合格し易く、個々の専門者は午前の試験内容が壁となる傾向があった、情報処理専門教育を受けた者は午前の試験は容易で、実務経験者は午後のケーススタディ的な論文が得意だが双方のクリアは難易度は高かった。
試験科目が業種として普及せずに、再度大きな見直しがあった、アドミニストレータは「ITを利活用する者」になり、「情報処理技術者」は基本と応用に別れ、専門分野は「高度情報処理技術者」となった。

「情報処理安全確保支援士試験」が始まった、サイバーセキュリティの国家資格を目標として情報セキュリティスペシャリスト試験を発展させて2017年から試験が開始された、試験レベルは高度情報処理技術者とされている。
法律に規定された内容は、「支援士は「サイバーセキュリティ基本法に規定するサイバーセキュリティの確保のための取組に関し、サイバーセキュリティに関する相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、必要に応じその取組の実施の状況についての調査、分析及び評価を行い、その結果に基づき指導及び助言を行うことその他事業者その他の電子計算機を利用する者のサイバーセキュリティの確保を支援すること」を業とする、と規定されている。
支援士は能力を認められた国家資格であるが、受験には有料の講習受講が必要で資格取得後もその維持に定期的な講習の受講が必要とされている、能力の維持の仕組みを持たせた、資格名称は独占だ。

改訂を度々行っている情報処理技術者試験も新たに始まった情報処理安全確保支援士試験も、市場や社会のニーズを元にして設置されている。
ただしそれは漠然とした内容であり、そこに情報という分野独特の急速な技術確信が重なると、資格と資格取得者の実際に対応するニーズは実は曖昧なのだ、その為もあり法律や会計のように継続的な要請や資格独占業務が存在しない事が現実な問題だ。
情報処理能力を持つ者を求めていても資格を求めていないのが実状であり、実務経験者と教育終了者とを資格試験はまとめて扱うが、必要としているのは個別に異なる。
情報処理教育を受けて資格試験に合格して資格取得した者が、社会で業務に向かいそこで経験を積んで行くという多くの分野でのシステムが存在するか、情報処理分野ではそのシステムが可能かどうか自体が問題だ。
資格試験はその要請内容を論文形式での業務経験や業務実習経験で問う、または高度な講習や資格取得のフォロー講習で行おうとしている、後者は時間と費用が発生するがそれの回収が資格取得に存在するのかがこれから問われる。


アクセス分散

インターネット上にウエブサイトやブログや各種のサイトを設置するのは、そこへの訪問者とそのアクセスを望みかつ前提に設計する。
それらのサイト・コンテンツを設置する物理的なスペースとしてサーバーを借りる事が通常の作業だ、通常は有料のサーバースペースをレンタルするがそれは大きなネットサービスの一つのケースもあれば、それだけの単体のサービスの時もある、条件付きで無料で提供されるスペースもある。
無料のスペースは、広告表示などの条件やポータルサイトのコンテンツの一部の時もあるが一般には有料サービスであり何かの収入のビジネスモデルで運営される、無料や付属的なサービスであればそこで提供されるサーバー容量やアクセス帯域は最低量の事が普通だ。
有料の単体のレンタルのサーバースペースの場合でも、サーバー容量やアクセス帯域は定まっていて用途と必要性で選ぶ必要がある、その時にネット資源とそれの費用の有効運用が必要であり、アクセスのコントロールが必要になる事は多い。

インターネット上のサーバーの容量などのネット資源は契約制が多い、そこでは過剰能力は費用負担が生じるので見積もりアクセス量から逆算・推測して容量を確保する事が一般的だ。
その見積もり容量を超える大きなアクセスが生じた時は、単純には物理的なトラブルが起きる、具体的に全体のアクセス容量が個々のアクセスに別けられる事によるアクセス速度の減少であったり、アクセスの順番待ちが生じたり、サーバーの機能のダウン等が起きる。
個人が使用する通常はアクセス数が少ないサイトは、共用サーバというサーバーの一部を借りて運用する事が多い、共用形態がアクセス量の平均化を果たす可能性はあるが、特定のサイトのアクセス量の急増が全体のトラブルを引き落とす事が圧倒的に多い。
業務用やビジネス用途のサイトの場合は、訪問者に対応出来ないと機会損失になるし、会員制の有料サイトの場合は契約違反となる。
業務用サイトの場合は共用サーバでなく専用サーバを使用する事が普通だが、それを含めてアクセス量対策が必要となる。

業務用サイトでは専用サーバを使用する事が普通でそこではアクセス量管理は使用者が行える、ただし現実は容量にはサーバ毎に上限がありそれをアクセス量が越える可能性は有る。
業務用のサイトでは利用者=ユーザー・顧客・契約者であり、サイト開設からサービス提供とアクセス環境の維持は欠落させる事は出来ない、アクセス量が急増して容量オーバーしても、管理者がアクセス量をコントロールする事は業務用ではリスクは大きく選択肢には自由度は低い。
サーバー容量オーバー時の対策、特に直ぐに可能な対策もあるが、それには事前に予測して準備している必要があり、保守のコスト面や常時管理上の問題がある、それは運用サーバー自体にかなりの容量余裕を持つ場合と比較して優位性は不明だ。
業務用サイトの運営では、しばしば単独サイトやサーバーではなく、多数のサイトとサーバーをシステムや系列業務として運営する事は多い、その場合は事情が異なる事もある。

業務用サイトの運営では多数の専用サーバーを使用して事業を展開する事が多い、少数の巨大サーバー機器よりも多数のサーバーに分散する方法もある。
サーバー容量も大きくなったが、同時にサーバー間の通信速度・通信容量が大きくなっているので、全てを同一サーバー内に置く必然性は減少している。
複数のサーバーで複数の業務とサイトを運営する場合では、単独または少数の業務とサイトの運営と比較して自由度は高くなる。
日常のメンテナンスに関しては、少ないサーバー停止のみでメンテナンスや修理やプログラムアップデート等が可能となる、サーバー等のハードと稼働ソフトが多数になると、専門担当者が年間を通じて常時作業している状態になる事がある。
大きな機器やソフト変更時には、サーバーごとコピーしてハードを切り変えて対応する事も選択肢となる、コピーとバックアップ作業を常時行う事は障害対策の基本だ、その延長にハードごとのコピーでメンテナンスする手段が生まれる。
そしてメンテナンスとバックアップを含めて、ハード機器の予備を運用する事になると、それはアクセス量が容量を超える障害時の対策手段にもなる。

業務用サイトの運営でのサーバーとサイト管理は、バックアップシステムやノンストップシステムの構築と深い関係があると判る。
バックアップシステムが全ての情報関係で基本となるが、それの常時運用と障害発生時の即時使用が現実的に要求されている、それの重要性が高いならばそれはノンストップシステムの構築の必要性となる。
アクセス分散はノンストップシステム構築まではコスト的に無理だが、希に生じるアクセス量の急増時に管理している範囲内で可能な対応を探す。
例としては、あるサイトとそのサーバーがアクセス量がオーバーとなった又はなりそうだと予測された時に、物理的な移転やサーバー増強やミラーサーバーの増設を図る事がある。
いずれも準備や経験や技術がないと対応出来ないが、多数のサイトとサーバーを共通する技術で管理運用しておれば、対応準備は可能だし、テスト運用も可能な筈だ、アクセス分散という言葉はミラーサーバーの増設作業時に合う言葉で物理的に分散させる。

ネットではクラウドサーバーやネットデスク等の、新しい名称で呼ばれるサービスが増えている。
それらのサービスは個々の類似のローカル用途と比較した利点・特徴が多数挙げられている、ネットサービスは便利になり日常の標準になる程に、欠点としては使用出来ないトラブルが発生した場合に影響を受ける度合いが加速的に増大する事だ、それは共用・共有という利用方法から予想される事だ。
アクセス権限を保有する人数が制限されている場合はアクセス数過剰は起きにくいが、使用方法のミスやバグによる無限ループや異常アクセスの可能性や、サーバースペース不足が起きる可能性はある。
自動で可能な対応はアクセス過剰と異常時のアラームや自動切断等だが、自動プログラム化は限界がある、その為にアクセスコントロールやアクセス分散等の手動対策との併用が行われる、その時の方法はセーフティストップ+手動切換えとなり、対策に必要な時間・ストップする時間を如何に減らせるかが課題となる。


働き方改革

「働き方改革」という言葉が多用されているが、「働き方」の中には幅の広い言葉の為に多くの事を投げ込む傾向がある、労働時間・雇用形態・雇用問題・高齢化問題・格差問題などがその例だ、労働が有る限り「働き方」は問題となりそれの対策をまた「働き方改革」と呼ぶ事になる。
だがビジネス従事者・経営者にとっては、広い言葉でなく具体的で技術的な問題として提示される事によって対応方法を考える事が始まる。
関連する用語的にグループが作って考えるもある、交代勤務・時差勤務・フレックスタイムや、出張・会議・テレビ電話・テレビ会議や、勤務地・自宅勤務・テレワーク・ワーケーションや、トータル労働時間・年間休日数・週間労働日数・連休・休業問題や、正規雇用・派遣・アルバイト・終身雇用制・定年退職・嘱託勤務等が例の関連グループだ。
個々の職種や企業で検討内容は変わるが、政府の対応・指導の影響は大きい、日本ではまだ話題にはなりにくいが個人事業者の増加と共に既に欧米では、個人事業者が検討する事もあると報じられている。
技術問題となると、情報・ネット・関連機器が絡む問題は多いし、それが改革出来るの可能性は高い。

情報・ネット・関連機器が絡む内容としては勤務形態がある、労働力・担当者が人自体の存在・移動を絶対条件とはしない業務に関してはネットや通信等で可能性を広げる事を考えられる。
物の移動としては陸送と空輸送の宅配便が普及しているし、情報に変換出来る文書・画像・映像はファックス・電子メールを始めとする多数のインターネット上の送付手段が普及している。
現在では、クラウドシステムを使用したデータやプログラムの共有化の実業務への導入が検討されて、実現されつつある。
人の移動については、電話と電子メールでの情報交換での置き換えが進んだ、それに加えてテレビ電話とテレビ会議が普及した、それらを活用した時は会議の為の移動時間と費用を省く事が出来る、その手段は会議以外の個人業務へ適応が行われ始めている。

IT技術を使い会社のオフィス以外で仕事をする形態を「テレワーク」と呼びその導入を検討する企業が増えている、モバイル端末を利用したIT技術の普及は、オフィス以外の範囲を拡げる。
「テレワーク」導入についてはそれが新しい形態故に、政府・企業・労働者で目的や未来像に差が生じる事もあり、個々の企業間もそれは同様だ。
政府は「働き方改革」の一つとして考えて労働時間短縮や通勤ラッシュ解消や労働時間減少が景気回復に繋がる効果を期待する、企業は生産性向上や経費節減などの効果を期待する、労働者は労働条件改善を期待するが賃金等の確保は前提となる。
通勤時間や出張での移動時間はおおむね全てにマイナスとなるが、一般にはIT技術による変更後に同等の仕事の量と品質が確保出来るかが問題となる、それは仕事の内容・業種・で個々に異なると考えられ、トップダウン的な広がりから始まり個別対応に進む。

「テレワーク」を「働き方改革」として見る場合は定義・区分分けが必要となる、個人が認識するか否かに取らず自然に決まる区分が必要になるからだ。
雇用形態を雇用型・非雇用型に分けると下記になる。
・雇用型では
 在宅勤務:週の何日かは出勤しないで自宅で作業する。
 モバイルワーク:モバイル情報機器を使用して、事業所以外で作業を行う。
・非雇用型では
 SOHO:法人登録を行っている個人事業主。
 在宅ワーク:個人が下請け的に、データ入力・ホームページ作成等を行う。
勤務場所に注目した施設利用型勤務の区分がある、そこにはサテライトオフィス・テレワークセンター・スポットオフィス等のモバイルワークの場所を示した区分となる。
政府はテレワークを狭くは「情報通信機器を利用する労働時間が1週間当たりに8時間以上」として、それ以外を広い意味のテレワークとしている、情報通信」のキーワードを含む事が注目といえる。

雇用型でのテレワークの特徴は、職場など決まった場所に制限されずに色々な所で仕事を行える事だ、それは労働時間の把握が困難となり管理的に曖昧であり、労働時間自体が曖昧になり易い。 テレワークでは、管理は労働者自身が行う事となり、かなりの裁量権限が与えられている事が必要だ、それは労働者にとっては労働時間が長くなる傾向が生まれる、その理由は管理者が決める仕事量と労働時間とのバランスが取り難い事が原因とされる。 テレワークでは上記の難しさから裁量労働制という考え方になると、ノルマが存在してそれを達成するために労働者が労働時間を延ばす傾向になるとされる、しかもその伸びた時間を労働時間と考えなくなるともされる。 在宅ワーク型では、仕事の単価が安い請負が多い為に労働時間が長くなる事は時給の低額化になり易い危険がある。

欧米ではテレワークの新たな形態として「ワーケーション」が取り組まれていると言われる、日本では会社等の組織としてはこれから取り組み始める段階だとも言われる。
意味は、働く=「ワーク」と休暇=「バケーション」を組み合わす造語であり、休日を過ごす場所・例えば帰省先やリゾート地・観光地等へ旅行して、そこで休暇を過ごしながらテレワークも行う働き方を言う。
「ワーケーション」を試行する国内企業では目的を「年次有給休暇の完全取得」とし該当する例として以下を考える。
「セーフティーネット型」>予定の旅行中に急きょ入った仕事を、短い時間に限りワーケーションをする。
「長期滞在型」>「家族での旅先に滞在する期間を長くしてスケジュールを組み、休暇後に数日間は現地でテレワークを行う」。
テレワークは多様な労働形態のアイデアを産むが、有効に働くには個別の課題がまだまだ多い。

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