項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:34

部品共用化

ビジネスモデルとしては、差別化戦略は成功すれば大きいですが、リスクも大きいです。
リスク分散を考えれば、1商品のビジネスは危ういですが、製造や保守等の多様な面で有利な面が多くあります。
それは、最終的にはコストに反映されて、場合によってはコストパフォーマンスという差別化を可能にします。
複数商品でありながら、コストパフォーマンスを向上する手段に、部品共用化があります。
そして、部品としての完成品の一歩手前までの共用化の考え方も生まれています、組み立て前の1工程追加で部品共用化にする考え方です。

個人の好みは色々です。
機能を求める人がおれば、外観的なデザインを重視する人もいます。
ただ、そのどちらにも属さない部分も存在します。
特に、規格が存在していて機能も標準という部分もあります。
そこは、もし全体設計がモジュール設計であれば共通共用化に出来ます。
購入者側から別の、製造側の視点で見るとまた異なる葛藤があります。
開発の視点・設計の視点・物流の視点・製造の視点・営業の視点が、一致しません。
ただし、最終的な商品としての販売量・コストパフォーマンスとして跳ね返ってきます。
全体力・総合力の争いと言われますが、最終的には特定の個人の統合力と組織の実行力の組み合わせで決まる事が普通です。
何から優先させて決めるか、その中でベストの選択をするかは、最初の個人の能力と決定が及ぼす比率が大きいです。
その中に、部品共用化の思想があるかどうかです。

日本の機器の設計がコスト競争力を失っていると言われています。
少し前は、労働力コストの差と言われていました。
また、為替を含めた流通の問題とも言われました。
これらに加えて、設計時の低コスト設計力が弱いという指摘もあります。
コストの安い設計とは、無駄な安全性を持たせない・特殊な加工や部品を使用しない・製造設備が特殊でないか量産性の高い・・・。
そして、部品数の低下と部品共用化となります。
これらは不良率の低下と、調達・在庫・管理費用の低下と程度によっては、調達(購入)費用の低下に繋がります。
それならば、どこでも行えるだろうとなりますが、新技術・新部品の導入と既存技術・既存部品の使用との判断は実は非常に難しい事です。
最終製品の販売数や製品寿命や、競合製品の予想など広い知識や先読みが必要です。

需要者にとって、部品調達の安定性は重要です。
その場合は複数社からの購入を計ります。
ただ、必ずしも複数社から同一性能以上の部品が入手出来ませんし、可能でも規格は満足していても、正確には異なる性能です。
勿論、部品単位と同様に組み立て後の製品機器でも性能テストは行います。
部品共用化の有効性は、度々述べて来ましたが、部品の複数社購入の場合は購入先の数だけ、最終製品の組み立て品試験も必要です。
部品共用化でも、省けない確認作業等はいくつもありますので、その事の作業は無くなりません。

部品共用化の一つの姿は、半製品部品を共用する方法です。
そして、最終加工を行ってわずかな機能を異なる部品に変える方法です。
これは部品と言っても、モジュール的な物が対象です。
ただし、コスト的にも中間的です。
部品共用化は、在庫管理と大量発注とが狙いですから、ビジネスの種類で効果の有無が変わります。
そして、モジュールでも複数購入先をいつも考えている必要があります。

パソコン関係の具体的な部品共用化の例は、USB端末があります。
主に2種類の端末部品に統一されて、複数個が付属します。
ソフト的にもハード的にも、急に使い易くなりました。
また、ディスプレイも標準化されています。
分離型では、本体のみ買い換えも可能です。
ただし、こちらはアナログからデジタルの切り替えが行われていますので、現在は注意が必要です。
コネクターの色と種類を変えていますが、ディスプレイを保有品を使うつもりならば、その方式を選ぶ必要があります。
市場を見ると、無理矢理にデジタルへの切り替えが進んでいます。
テレビの地上波デジタルとの絡みでしょう。
マルチメディア対応が、デジタルならばディスプレイもデジタルも無難です。
ただし、用途によっては全くメリットが無いか実感しない事も多いです。


ストア・モデル

タブレット端末やスマートフォーンの普及は、ハード+ソフトに加えて、アプリやコンテンツのストアを設けたビジネスモデルが大きいとされています。
手ごろに個人差が大きい好みのアプリやコンテンツを簡単に購入できる事が、これらの機器とソフトとの整合の良いビジネスモデルです。
利用者に好まれるビジネスモデルは、利用も多く大きなビジネスになります。
それ故に、これらは全て揃う事ではじめて機能して、全体の普及に繋がります。

ストアは利用者にも多くのメリットがあります。
個人情報の一元化がひとつです。
次に、ストア販売物の品質保証の問題です。
次に、バグやバージョンアップ等のサポートの問題です。
また、ハード機器を変更した時の再ダウンロードへの対応です。
公式ストア経由は、面倒な事もありますが、メリットも多いです。
提供者のメリットもまた多いです。

ストア・モデルでは、巨大なデータベースか複数のデータベースを横断する検索が出来る事が普通であり、必須に近いです。
ショップの集まりだけでは、丁度需要が一致した時のみになります。
日常の生活に溶け込むには、実物を見ない事を越えるメリットが必要です。
ストアは、数的メリットをまず出して、それから展開して他のメリットを出すと考えるモデルでしょう。

ストア・モデルでは、独占・寡占がまず浮かびますが情報関係では、必ずしもマイナスではありません。
完全にウイルス・マルウエアからフリーのハードは、ローカル以外は難しいです。
しかし、ハード+OS+追加アプリケーションを制御できれば、ネットに接続していてもかなり、これらの被害を制約出来ます。
それには、追加アプリケーションの品質確認を厳密に行い、フリーなソフトの配布を制限する必要があります。
ネットの自由と、どちらを取るかの選択です。
アップル・ストアが、寡占・厳密な方を選んでいます。
評価はわかれますが、ウイルス・マルウエア感染は圧倒的に少ないです。

ストアの利点のひとつは、これから急増するであろう端末種類の増加に対応しやすい事です。
システムの構築とソフトの開発は多くの労力が必要です。
しかし、それを利用する販売・サービス提供者が多く、利用者も多いならば効率は非常に高く、質もメンテナンスも高く出来ます。
そして、開発効率等が高ければ、複数の端末用に開発が可能になります。
端末には、ブラウザの種類も含まれますし、タブレット端末のアプリも含まれます。
顧客の機器を広く出来るのは、ウインドウズ系の独占から動き始めているパソコンや携帯端末の普及に対応が容易になります。

ストア・モデルはダウンロード商品に於いて、ハード機器と基本ソフトとセットになる事で成功しています。
そして、同じビジネス・モデルが次々と生まれています。
ただし、3つの親和性が深いと成功していますが、そうでない場合はまだこれから結果が出てくる状態でしょう。
今までに成功しているものは、オンリー・ワンといえるビジネス・モデルでした。
これが競合状態になると何が起きるのか。
改良ストア・モデルが要求される可能性が高いです。


スマートフォーン対応

ウエブサイトは、パソコン対応で作られていましたが、携帯電話が登場した事で、携帯モードのサイトが作られる様になりました。
あっさりと、別々にサイトを作るのがすっきりしていますが、更新が激しいものは対応が大変で、「パソコン+携帯電話サイト双方対応」が作られる様になりました。
方法としては、双方のページを作りアクセス機器で自動表示切り替えが最初ですが、これでは更新は二重です。
次に、片方を更新すれば自動的に他方のページも更新されるシステムか、あるいは、携帯電話では部分的に表示するシステムです。
いずれも複雑なスクリプトを含むものは対応が難しいです。
そして、携帯電話はスマートフォーンに移行し始めています。

スマートフォーンは、無線電話回線が中心ですが、もしもWiFi等で常時接続が可能になったり、通信費用が常時接続で費用が安い設定になればシステムも変わる可能性があります。
スマートフォーンは、自身の機器の記憶容量が少ないですので、ネット上のかホストパソコンの記憶容量を利用します。
通常はクラウドと呼ばれるシステムです。
実は、スマートフォーンで対応しないスクリプトをクラウド環境で動作させれば機能的には同等に近づけられます。
画面サイズや動作速度という、基本的な課題は残りますが、動作・機能に限れば実現は可能です。
これは、ブラウザの機能の問題であり、ウエブサイトはパソコン用と同じになります。

スマートフォーンの機能は、事実上の1社生産のアップルの「iOS」と、グーグルの「Andoroid」OSでは異なります、そしてここに「Windows Phone」が加わろうとしています。
「Andoroid」OSでは、機能追加とハードには自由度が存在できます。
それ故に、多機能にしたくなる設計と、シンプルな普及版を作る設計との方向性に別れ、最終的には膨大な種類が生まれています。
ここで問題となるのが、高機能追加であり、その仕様が次第に統一されてゆく事です。
一般には特殊な高機能よりも、互換性を重視する方向です。
いわゆるデフォルト・スタンダードです。
この流れに乗りきれないのが日本製の悩みの様です。

スマートフォーン対応ウエブサイトとして、html5関連への移行が動いています。
フラッシュやジャバ等の、スクリプト言語には対応しない方向の考え方です。
スクリプトはサポートが機種で異なったり、ウイルスソフトの稼働に影響を与えたり現在でも、問題視はあります。
しかし現実は、サイトデザイン上で必要とされていますし、多くのサイトが使用しています。
スマートフォーン対応ウエブサイトにも、類似の機能は要求されるでしょう。
その具体的手法としての提案がhtml5関連なのでしょう。

スマートフォーン対応に向けたOSの開発が進んでいます。
勿論、ブラウザが先行する事もあり得ます。
ただ、一部のOSではブラウザとの親和性も高いです。
スマートフォーン対応が、ソフトレベルかブラウザレベルかOSレベルかハード機器レベルなのか?。
どのように進むのかが、現在の注目となっています。
ハードごとに異なる対応になる可能性もあります。


ノートパソコンの需要より、スマートフォーンとタブレット端末が近いうちに越えるという予想が出るようになりました。
デスクトップや高級・開発用途はパソコンで行うとしても、利用のアプリケーションはノートパソコンは不要になるという予想です。
アプリの中には、ネット関係のアクセス用途も含まれています。
そうすると、日本独自の機能に対するその必要性が、再度大きなテーマとなるでしょう。

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