項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:47

ライブ中継

主としてスポーツやイベント等のライブ中継は大きなコンテンツになり、時代に応じてラジオ>テレビと変わって来た。
今は地域・国で変わるが衛星放送テレビやケーブル放送テレビが主体で、そこにインターネットが加わっている、方向としては有料放送であり期間契約と都度課金の併用が可能な事が目標となると予想する。
これは、無線通信での携帯電話やスマホの料金体系からの経験的な推測予測と、現状ネット放送と動画配信サイトの料金体系の動きからの予測を合わせた推測だ。
媒体としては、ハイライトと録画機能を持つ全ライブ中継が可能な事が必要だろう、これで上記の全てはサポートする。

スポーツ以外でもライブ中継は盛んになりつつある。
ネット放送局では多様な番組が組まれるし、報道やニュースも取り込んでいる。
ニュース類は放送時間に制約がない事で意外と独自性が生まれている。
例えば、記者会見や国会中継やロケット打上中継などがある。
予定時間はあっても、実放映時間は決まっていない、テレビ中継はあっても予定時間になると終わる事が殆どだ、ネットのライブ中継は多チャンネルと同じだからエンドレスで対応出来る。
テレビでは司会や解説者が付きものだが、国会中継などはどちらもなしで映像と実音声だけを流すだけで、長時間視る人はいるようだ、むしろ司会が邪魔と思う人や余計な編集が不要と思う人がいる。
定点観測という、1地点の映像の発信も存在する。

ライブ中継を多数あつめ、また技術提供する事で視聴者を集めるビジネスモデルが存在する。
全ては広告から始まり、有料化比率の向上で成功に向かうが、それはライブと録画とハイライト編集とか他にも広がる。
コンテンツ限定で無料放送も行われそれが体験版や試し利用になるが、登録制なので広告利用には絡む。
動画サイトとの区別が付かない面もあるが、提供内容の比率の違いで区別されるが、ある・なしと言う単純な区別や、量的な区別のみではビジネスモデルを隠しがちになる。
他のビジネスと同様に、変化と統合と提携と廃業が激しい分野だろう。

ライブ中継の課題として、人間の関与の必要性の有無または程度がある。
カメラで写しあるいは音声を入力して、ネット配信する事は可能だ、実際に火山や自然風景やお天気カメラ等が自動で配信し続けている。
そこに何か人工で追加情報を加えると、人は無限に続けられないので、交代制を含め時間と内容に制限が必要になる。
コンテンツとして、自動だけで可能なものがどれ程に視聴者に期待されるかは、かなり制約はありそうで、ネットのライブ中継に時間制限がないと言うのはテレビ等との比較で絶対的なものではないと言える。
人物等が絡むと肖像権や商標権や著作権が絡む、ライブ中継に誤って映り込む可能性はあるので、自由に行える訳でもない。

ライブ中継の多くは著作権・独占放映権などが存在するが、それはネットでのライブ中継をも制限する。
簡単に言えばネットの有料ライブ中継化であり、進めて一般化すればテレビ等と同時のネット放送化の問題だ。
ライブ中継を含めて、テレビ放映後の有料・無料ネット配信が広がりつつある、それはテレビ放映全体のネットライブ配信とも考えられる、そこでは多チャンネルを利用しての時間制限というテレビ放映でのライブ中継の制限を緩和する手段も考えられる。
日本ではテレビ放映が、極一部の有料放送と、多数のコマーシャル配信下での無料放送という歪んだ構造が、ネットにも持ち込まれる可能性が高く課題は大きい。

ネットとテレビの親和性を考える時に、何故に日本ではケーブルテレビ・インターネットが大きく普及しないのかと考える。
そもそも、日本ではケーブルテレビ自体が普及していない、理由はアメリカの有料ケーブルテレビと比較すれば、1局の強制有料放送と民間無料放送という地上波の組み合わせが他を阻んでいるかの様に見える。
ケーブルテレビとケーブルテレビ・インターネットの双方共に普及が少ない事と、ケーブルテレビの有料放送の多彩なコンテンツのひとつがライブ中継である事や、通販専用チャンネル(基本的にはライブ中継)も人気コンテンツである事は確かなので、多チャンネルと制度見直しが課題なのかも知れない。


おサイフケータイ

「おサイフケータイ」と言う言葉は、情報業界ではお馴染みの商標だ、ひらがなとカタカナが奇妙だと漢字にすると意味が変わる、登録商標はNTTドコモが保有する。
おサイフケータイの元々の意味(今も変わらない)は、FeliCaチップ(ICチップ)を搭載した携帯電話を使ったサービスだが、そのサービスに対応した携帯電話機と携帯端末をも指す様だ。
これも情報業界では普通にあるが、普及の為に他社にもライセンス契約を拡げて一般的な機能として普及させた(日本国内では)。
元々の「おサイフケータイ」で提供されるサービスは、Edy等の電子マネーや会員証やポイントカードや鉄道やバス・旅客機の乗車カードやクレジットカードとして利用されている。

おサイフケータイのより詳しい使用例は、電子マネーとして店舗・自動販売機・インターネット通信販売支払いと乗車券・チケットの売買とポイント・会員証等広い用途がある。
特に乗車カードSuica対応は普及し事業者にはカード保有者を増やすメリットが、決済の簡素化はユーザーニーズが有り、携帯電話ではカードに画面表示が増えるイメージで目視確認が可能になった。
FeliCaチップに個別に内蔵される独自情報利用で、高いセキュリティ機能を実現できるので、おサイフケータイ対応携帯電話にクレジットカードのサブの機能を付ける利用方法もあった、この決済方法はクレジットカード番号を入力しないので高セキュリティとされた。
パソコン上でのサービスはカードリーダー/ライターが必要だ。

おサイフケータイは従来型携帯電話から始まったサービスだが、それが携帯電話を使用しない形も含めた決済システムとして広がった。
スマホが登場して、従来型携帯電話のかなりの部分が置き換わっても決済システム機能搭載の要望は消えない、日本独自の機能でガラパゴスと言われた携帯電話が世界標準(実際はアメリカ発だが)的に置き換わっても、使い慣れた機能は望む物だ。
実際はおサイフケータイ機能搭載スマホと、非搭載スマホの併存となったが、アップル製スマホにFeliCaチップ搭載によって方向性が変わりつつある、あくまでもシステムなので対応チップ搭載だけで直ぐに対応にはならないとしてもだ。

おサイフケータイは携帯電話の電波が入らない場所でも基本機能が利用できる設計で回線を停止しても登録されたクレジットカード・プリペイドカード・交通券等の機能は同時に停止しない。
利用者が使用停止の手続きを行う事になるが、FeliCaの機能をロックする機能を持たせる事もある、また普段はICカードロックをかけて使用時だけ解除する機能や事前設定時間後に自動でロックの機能もある。
カード文化が異なる日本で独自に広がった機能だけに、欧米起源の機能とは異なる思想と設計が多い。
日本向けにハードを対応させても、ソフトとシステムが如何に対応するかは別の課題となる。

おサイフケータイのFeliCaチップは携帯電話に固定され取り外せなく、例えばSIMやmicroSDカードのようには単体での持ち運びは出来ないので、修理等の時にはFeliCa内のデータはサービス会社に預けて修理後等にデータを戻して貰う必要がある。
個人情報・クレジットカードの再登録が必要な事もあり手続きと扱いは難しいがそれは他の決済手段も同じだ。
携帯電話からスマホに移行した時には、アップルのiPhoneでは当然サポート外だったが、日本市場の比重が増えた事もあり、2016年発売のiPhone 7 / iPhone 7 Plusの日本向けモデルがFeliCaチップを搭載して、Apple Payが利用できる方向になった。

電子決済はビジネスモデルとして成長しているが、ネット外を含めた既存のサービスの存在は無視できない。
日本独自の決済システムでも、無接触での交通カードや決済カードとして普及している物の置き換えは、多額の移行費用と利用者のメリットが必要だ、代替システムを提案しても受け入れられるかどうかは疑問だ。
海外でも使える事がどれほどのメリットかと言うと、経験的に成功例は少ない、僅かなメリットよりも、使い慣れたシステムの移行のリスクが高い。
日本国内限定仕様製品を作るかどうかは、日本国内シェアを考えた費用対効果の問題となり、それは刻々と変わる。
おサイフケータイは無視出来ない程に普及した決済システムに成長しており、ユーザーが選ぶないしは対応を評価するシステムだと言える。


配信ビジネス

電子書籍・プログラムソフトやアプリ・音楽・映像等の提供方法として、ダウンロード方式が最初に普及した。
その次に配信方式が登場して普及して来ている、ローカルにダウンロードする事は繰り返し使用・利用する場合には便利だが、使用頻度または期間が限られる場合は必要とも言えない。
情報の配信は1度のみ使用のレンタルやテレビ等での録画しない視聴や有線放送に似た性格がある。
個々の情報の性質と利用する側の要望で決まる、当然ながら「買取」とレンタル」的な比較になり、費用・料金が異なる事や時間的な制約が選択要素となる。

音楽と映像でレンタルビジネスが普及した時に、レコード・ビデオ・CD・DVDが商品と思っていたが実際は、記録されたコンテンツが商品だったと気づいたと説明された。
コンテンツとは物質として手で触るものではない情報だとされている、ならば記憶媒体は必須ではなく手段に過ぎないと認識された。
そこから情報を提供するビジネスが考えられ、ひとつがレンタルとなった、情報は提供するが媒体は返却する、繰り返しコンテンツが必要ならばその時だけは購入してもらう。
記録媒体の輸送を利用しない方法として、ダウンロードがあるがこれは情報を購入する3つ目のビジネス方法だ、媒体の輸送を伴わない情報のレンタル形式が4つ目もビジネスであり配信方式だ。

配信ビジネスでは課金方法・方式が大きな比重を占める、それが利用スタイルを決め、ビジネスのスタイルを決めるからだ。
シンプルなのが1商品単位で課金する方式で勿論利用されているがコンテンツの読み捨て・使い捨て・聞き捨て的な利用者には重く感じる方法だ。
使い捨て的な用途の中には実際に使用する・見る・聞く事ではじめてコンテンツが利用者に満足する物か判断出来る性格がある、全てが1度使用かそれ以下の使い捨てか、あるいは複数回利用するかの差は名称だけでは判らない。
そこで利用時間に応じた課金方法が考えられた、それの発展形が月極め料金だ。

レンタルは貸し出し時間を決めるが、情報・コンテンツの貸し出しも同様と考えれば時間設定課金は普通の発想だ。
例えば、音楽ならば最大利用量は期間中に絶えず流す時の量(曲数)だ、ただし個人使用なら1日で聞く時間はかなり少なくなる、そこは統計的な判断で使用量を予測して月極め価格設定する。
物品のレンタルでは希望が集中すると不足になるが、音楽配信では利用者の基地局アクセスの帯域がオーバーする可能性は否定出来ないが、デジタルコピーと重複配信が通信能力よりネックになる状況は想像しにくい。
データ通信の利点を生かす配信ビジネスは発展する要素を初期から含む。

配信ビジネスの利用者はそれが月極めの様な定額性ならば、初期には時間内に最大時間利用を考えかちだ、定額性はそのような性格がありインターネットの使用時間も似た性格があった。
インターネットの定額性が破れたのは通信費用の安価化と常時接続化で、そこではもはや時間一杯を無理に使用する考えが無くなり、必要な時間を使う事に変わった。
同じ事が定額の配信ビジネスでも言える、高価な費用設定では時間一杯に使用する事を考えるが、それが安価になると必要な時間だけ使用する方法に変わる。
逆に言えば時間一杯使用出来る人だけのサービスか、必要な時間だけ使用するサービスになり、後者は利用者の急増が期待出来る。

配信ビジネスの利用者は配信サービス運営者に使用料を払うと同時に、通信会社に通信料金も支払うので、普及には双方の料金を含めたサービス内容が判断対象となる。
それゆえに基本は、常時接続のWIFIが現在は大きな境目となる、実際にダウンロードやネットへのバックアップはWIFI接続時のみの設定も存在する。
使用時間で変わる従量制の通信料金は、配信ビジネスの主流の月極めとの相性は悪い、利用者も配信サービス運営者も得をせずに通信会社に利点の可能性がある事になり、伸びる事は期待出来ない。
ダウンロード販売も通信料金は影響するが個別に利用者がコントロールする事になる、これが月極めとなるとコントロール範囲が広くなり利用者には負担だ、あえて利用したいとは思わないだろう。
実際のビジネスでは、ダウンロード販売の次に併行して登場して普及しているのは月極め配信サービスとなった。

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