項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:62

モバイル・音声アシスタント

音声アシスタントはスマートスピーカー・AIスピーカーの機器として日常生活に登場して一気に身近になり注目された。
だが音声アシスタントは、スマートスピーカーよりももっと早くから登場して開発されており、ソフトウエアとしては登場していた、それはスマートホンの音声アシスタント機能である、またはパソコン用OSにも搭載されてきた、ただし登場した初期には精度や速度的に不充分な面があった。
それが携帯通信会社等の本体サーバとの常時接続と高速通信とソフトウエアの進化により、例えばスマホ端末の音声入力から通信で本体サーバに送られて高速で処理されて実用的な短時間で元の端末に応答出来る様になった、そして実用的な精度が確保されてきた。
スマートホン等の機器にデフォルトで搭載されているスマホの音声アシスタント・アプリは、たとえ万能では無くとも、気軽に話しかけてかなりの高精度で意図を解釈をしてて多くは正しい回答を返してくれるので、入力装置としても有用になっている。

音声アシスタントは早期からスマートホンにデフォルトで搭載されていたが、スマホの普及と音声アシスタント技術の進歩から、精度が向上して実用性が高くなってきた。
スマートスピーカーの持つ機能の中で中心となる音声認識の部分は、スマホにも機能が搭載されているので技術レベルと実用性も同様に進んで来た。
スマホではアップルがそのOSの「iOS」に「iOS 5」から音声アシスタントを搭載したが、当初は精度が低く実用性よりは意外性の会話を楽しむ使い方に近かったとされる、アップルは改善を進めた事でその後に機能は大幅に向上して、現在では実用に耐える音声アシスタントへと進化して来た。
グーグルも音声アシスタントに力を入れており、従来は音声でのウエブサイト検索から始めており、早くから音声認識分野では定評があった。
音声アシスタント機能は少し遅れたが、スマホ用OS「アンドロイド」の機能向上の中でスマホ向けに音声アシスタント「Googleアシスタント」の搭載を始めた、この分野では後発でも音声認識では先行しており後発故に進化する部分もありこちらも実用性が高くなっている。

前述のアップルとグーグルの音声アシスタント以外にも、複数の音声アシスタントが登場してきた、その主要な音声アシスタントを列挙する。
世界的の音声アシスタント
 アップル・Siri(シーリイ)(2011年-)
 アマゾン・Alexa(アレクサ)(2014年-)
 マイクロソフト・Cortana(コルタナ)(2015年-)
 グーグル社・Google Assistant(2016年-)
 サムスン電子・「Bixby(ビックスビー)」
日本の音声アシスタント、
 NTTドコモ・しゃべってコンシェル(2012年-)
 ヤフー・Yahoo音声アシスト(2012年-)
 LINE・Clova(2016年-)

現在進化中の機能と技術故に、その登場年と実用化年とスマホ等への搭載と普及年は明確には区別が難しい。

アップルとグーグルはそれぞれがスマートホン用のOSを掌握していて、音声アシスタントをそのOSに搭載する事で拡がっており2社の寡占化状態となっている。
それ故に他の音声アシスタントもスマホへの搭載を目指しているようだ、マイクロソフト・CortanaはパソコンOS「Windows10」の標準搭載で普及しているが自社スマホではこれからの状態だ。
アマゾンはAIスピーカー「Amazon Echo」に音声アシスタント「Alexa」を搭載したが、その後はスマホメーカーと協力してのAlexaのスマホ搭載の動きを行っている、中国・ファーウェイや台湾・HTCが「Goolgleアシスタント」に加えて「Alexa」に対応して、複数の音声アシスタント搭載方式を採用した、
 複数の音声アシスタントの採用は疑問視もあり今後の課題となるだろう。
世界最大のスマホメーカーの韓国・サムスン電子は、一部機種に自社開発の音声アシスタント「Bixby」を搭載した、現在は「Bixby」は韓国語中心の状態だがサムスンのスマホ市場への影響力は大きく注目されている。
音声アシスタントがスマホ用途で普及する事は明確のようだ。

スマ-トホーン以外では、外国語の自動翻訳機や音声翻訳機が注目されている、海外旅行・出張や、日本国内での国際的なイベントや、海外旅行客の増加での持ち運び可能なモバイル自動翻訳機の用途が広まってきた。
少し前までは、自動翻訳機は翻訳精度が低く、翻訳スピードも遅かったが、AIなどの技術進歩で自動翻訳機は急激に進化した。
従来は自動翻訳の時に、日本語>外国語のみに対応した一方向タイプだったが、双方向タイプになり日本語>外国語と外国語>日本語の2パターンの翻訳が可能となった。
一方向タイプの場合は、相手の外国語を自分で聞き取る必要があったが、双方向タイプでは外国語の聞き取りができなくともコミュニケーションは出来る、海外客対応や長期海外旅行・出張等、外国人とのコミュニケーションには双方向タイプが適する。
翻訳機能は、ネット環境を使わないで内蔵の翻訳エンジンを使用するオフライン翻訳から、Wi-Fi等のネット環境を利用するオンライン翻訳へと変わってきた。
 メリット:翻訳精度が高い、対応言語が多い、小型化デメリット:ネット環境がないと使用できないコストと通信問題が改善されてきた。

AIスピーカーに対する注目度は高いが、一般のユーザーにとってはスマートホンを使用している時間が長い、故にスマホ上での音声アシスタントが全体のシェアトップになる事が予想される、同時にそこの競争を勝ち抜いた企業が人工知能(AI)でも優位になる可能性も高い。
スマホに音声アシスタントを搭載するという動きは一般的だが、SNSアプリのフェイスブックやLINEなどの提供企業がAIを活用したチャット専用のロボットに力を入れはじめて、そこで音声認識を取り入れて音声アシスタントに近くなる可能性が高い。
多くの企業がスマホ上の音声アシスタント使用を目指して開発競争に参加している、ただし1台のスマホに複数の音声アシスタントが搭載されても用途的に使用者が混乱すると予想される、従って音声アシスタントを競う各社は、性能や機能の改善競争と併行して、最初にスマホに搭載されて最初に使用されて馴染んで貰いそこから知名度とシェアを獲得する戦略が必要だ、そこではプロモーション活動も必要だ。


音楽コンテンツ

音楽の楽しみ方や提供の仕方は色々だが、演奏された音楽を録音して利用者(聴取者)に提供する(通常はコピー)、コンテンツとしての利用とビジネスがある。
音と音声の録音技術と媒体が誕生してからは、再生機器と録音した音楽の提供・販売はビジネスとして大きな市場となって来た、そこでの製造・販売コストは、知的権利と機器と販売方法が絡み複雑だが、技術進歩とともに変わって来ている。
テレビやラジオ等から1回だけ聴く方法と、レコードやCDを購入して繰り返し聴く方法が中心で進んできた、そこにレンタルと言う文化・手段が加わった、通信手段が増えてくると状況が変わり、特にインターネットが普及するとレコードやCDと言う媒体が必須では無くなった。
そこに生まれたのがネット通信を利用した音楽提供ビジネスであり、繰り返して聞きたい人には通信でのダウンロード販売があり、1回だけ聴く利用者には音楽配信サービスがあった。
関連事項として録音機器と技術、デジタル技術の発展による、コピー問題と知的所有権問題があり、関連性は高いが必要な場合に述べる。

音楽コンテンツはインターネット普及前はレコードや磁気テープ(カセットテープ)を媒体として販売・配布されていた、どちらもアナログ音源のアナログ記録の方法だった。
再生機の小型化とモバイル化が行われて視聴方法には変化はあった。
デジタル記録技術の開発でCDが登場したが音楽品質が優れていたので、短期間でレコードからの置き換えが進んだ、CDはコンピュータ等のデジタル情報機器らとの相性が良いので、パソコンを中心にしたPCオーディオの分野が育ち1990年代後半には圧縮音源のMP3フォーマットが定着した。
そこではMP3の再生ソフトやCDに記録したMP3を聴く事が可能なポータブルプレーヤーが登場して普及した、その頃はインターネットは登場していたが、まだブロードバンドの普及前だったのでネットからはデータ量の軽いデータのダウンロードでの利用が中心だった。
2000年代以降、ブロードバンドの普及で音楽音源の入手方法としてCD・DVDの買取購入が減少した、同時にファイル共有ソフトや海賊版問題が拡大した。
2003年にアップルが米国でiTunes Music Storeを開始してストリーミングが始まり、その後はCD・DVD購入やダウンロードでの購入が急減してきた。

音楽コンテンツの提供方法の歴史には全く異なる手法もあり、その一つに有線ラジオ放送または有線音楽放送がある、その当初の意味は有線電気通信設備を用いた音声やその他の音響の放送だ、無線で電波を使用するラジオ放送やテレビ放送とは有線使用で大きく異なる。
有線ラジオ放送は、一般には多くのチャンネルを有していて、ジャンルは多岐に渡り、リクエストを受け付けるチャンネルもありそこでは聴きたい曲を電話でリクエストできる、ラジオとは異なり音声での曲紹介は行わない。
有線放送はラジオやテレビとは異なるが法律に規定されて運用されている、その有線経路はその後にインターネットの経路として使用された事から密接な関係を持ってゆく。
日本独自のカラオケは業務用有線放送のサービスとなったが、個人用にも広げて来た。
有線放送の特徴としては、オンライン・多チャンネル・リクエスト対応・定額聞き放題があり、有線カラオケでは個々の利用者のリクエスト対応だった。
その特徴にはその後にインターネットで登場した、ストリーミングや音楽配信サービスとの類似点が多い。

音楽ダウンロード配信は、インターネット等の通信回線を使用して ネットに接続された配信ストアから音楽楽曲を1曲単位やアルバム単位で購入して、その楽曲データをダウンロードする、ダウンロードしたデータはパソコンや音楽再生機器(例えばiPod)や、スマートホン等の機器に保存できる。
音楽ダウンロード配信はCDを購入してそれを音楽再生機器やスマホに録音して聴く人には結果としては同じになるが、入手や取扱が容易になる可能性があるので利用が伸びた時期があった。
一旦、ローカル環境にダウンロードしてから利用する方法は、通信回線が遅い場合や不安定な場合や、通信料金が従量制で高額の時には有効な手段だったが、常時接続環境の整備や高速通信が普及すると、利点は少なくなった。
世界的に音楽ダウンロード配信の売上は2012年がピークでそれ以降は下降しているとされている、日本では機器としてのiPodの普及が多く音楽ダウンロード配信の販売量が多かったと言われている。
だがピークを過ぎてからは、音楽配信では代わて定額制音楽配信が伸びた。

インターネットと常時接続サービスが普及するとそれを利用した、音楽コンテンツのオンライン配信が始まった、その一つに「定額制音楽配信サービス」がある、それは月額料金を支払うと多数の音楽コンテンツ・楽曲を何時間でも聴ける定額制(サブスクリプション)サービスだ。
そこには利用者の音楽コンテンツ利用スタイルが関係する、同じ楽曲を繰り返して聴いて楽しむ人には向いていない、異なる楽曲を聴きたい人には向いていると言える。
ダウンロード販売は楽曲を購入するとその後追加料金は一切無くてしかも好きなデバイスで聴けるが記録容量は必要だ、一方の定額制音楽配信サービスは楽曲を聴く権利を一定期間得る事が出来るシステムでありサービスの利用をやめると聴けなくなる、基本はストリーミングなので記憶容量は不要だが通信容量は必要だ。
定額月決め配信・定額制(サブスクリプション)は、各社がさまざまなサービスを行っている、そして曲数と使いやすさやサービス内容を競っている。

音楽コンテンツ販売は最初は、レコードやCD等のメディアでの販売が行われた、ダウンロード販売もその延長の考え方だ、それが中心だった頃にレンタルのサービスが登場して普及した、それは上記のメディアを一定期間限定で貸すサービスだ、ダウンロード販売と期間限定の暗証キーの組み合わせのサービスもありレンタルに近い、レンタルの普及はメディア販売量の低下につながり参入者とレンタル小売店舗が急増した時期もあった。
書籍でも昭和時代に貸本の全盛期があったが、音楽と映画等映像でもレンタルが普及した時期があった、書籍が図書館では現在でも普通に借りられる様に、音楽・映像でもインターネットの普及以降でもネットサービスとして巨大な在庫を持ってのビジネスモデルとして継続している。
ただしレンタルの位置ずけは、「定額制音楽配信サービス」が登場して普及すると微妙になった、それは技術革新によりデータ転送通信時間が減少して、容量が急増した影響が大きい、定額制音楽配信では通信料金とローカルの機器は別途必要になるので、これを含めたコストと視聴者自身の時間と手間の合計で選ばれる事になる。

株式会社ハイホー

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