項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:4

SWAT分析

ビジネスや社会の未来予想は、多変数方程式であらわせ、多変量解析で理論上 は解ける筈です。変数の設定の精度は別にしても、まだ時間的に要因が多く 実用には無理な面があります。

変数が2ヶでは平面で、3ヶでは立体で表す事が出来ます。平面の方が分かり 易いので、直感的に分かるために利用されます。

通常は、横軸に内部・外部要因を、縦軸に評価等を取り4つの部分に分けます。

  S I O   S:strongness:強み W:weakness:弱み

  ----   O:opotunity:機会  T:thread :脅威

  W I T

        分析するビジネスがどの部分に属するかを判断します。

ビジネスにより、具体的内容は異なりますが内部的な力と、外部的要因を重 ね合わす事で位置ずけを知る事ができます。


技術経営

前回は経営戦略分析の1例をあげました。そもそも、なぜこのようなものが重 要視されるになったかを過去の経過と、日本と主としてアメリカ等の国との 比較で見てゆきたいと思います。

結論的にゆえば、技術経営への時代の流れが有ることです。そして、まだ習熟 していない日本では、以前に取り上げた成果主義を用いる事でこれに対応し ようとする動きが目立ちます。しかし、それには沢山の課題があります。

技術経営とは、「技術力によるマネージメント」という事です。技術力と言う 重要なポイントがあります。

高度成長期には、技術力は軽視されていました。それが無くてもビジネスは成 長したからです。ただ、その危険性と将来の問題を予言していた人はいます。 高度成長期が終わったときの、日本の落ち込みと、早い回復力を持ったアメ リカを比較するときに、技術経営の重要性にようやく気がついたというべき です。日本には「弱み(weakness)」があったのです。

差はなにかと言うと、大企業主体の日本と、大企業とベンチャー企業の双方で 成り立っているアメリカ型との差です。現在に至ってもまだ日本でのベンチ ャー企業の認知度は低いと言わざるを得ないでしょう。

しかし、反対意見もあると思います。日本の品質管理技術や生産技術の優秀さ を重視する考えです。しかし、新規の研究開発では遅れが目立ちます。これ を回復させることが、技術経営の出発点です。

日本で技術経営が遅れた理由のひとつに、最終的に製造・販売に結びつく研究 ・開発が少ない事があります。これは当然であると言う意見もありますが、 段階を踏む事で継続・中止の正確な判断が出来れば効率は高くなります。

基礎研究から進行と判断方法を決めて、効率良く製品化を行う為の仕組み作り と実行をマネージメントと呼ぶ事が多くなっています。手順自体は、ISOや QSの手順としても文書化されます。

経営は、外部状況を無視しては成り立ちません。従って、基礎研究・開発のテ ーマの決定は非常に重要です。これには、色々な調査や情報の収集や、これ らの分析が重要となります。

上記の作業を含めて、ビジネス側とユーザー側を結ぶ作業を「マーケテイング ・リサーチ」と呼びます。言葉は聞いていてもその目的・重要性・具体的作 業そして技術経営との繋がりを理解している人は多くはないと推測します。 これが無ければ、ビジネス側とユーザー側とが結びつかなくなります。 これについては、次回へ。


マーケテイングリサーチ

マーケテイングリサーチは市場調査ともいわれ、目的は生産者または販売者が 消費者が何を求めているのか、必要としているのかを調査して掴む事にあり ます。そしてこれを基に如何に、求められている事に対応するかを素早く正 確に判断して反映させることにです。

今ではあたりまえになりましたが、作れば売れる時代ではほとんど注目されて いませんでした。言い換えれば、供給側と消費側のコミュニケーションを如 何にとるのかが重要になったといえます。

ここではビジネスからみていますが、市場調査と言うのは政府・公共団体・調 査機関・マスコミなども行いますので非常に幅が広い分野です。

具体的内容は、目的で異なりますが、一般的なビジネスではある程度まとまっ ています。実際は規模と目的で内容を限定してゆくことも多くあります。

マーケテイングリサーチは目的ではなく手段ですが、精度が低ければ役に立ち ません。従ってその方法論も発達してきています。

なお、当然ながら個人情報の取り扱いには多大な注意が必要です。

代表的なものの一つに「エリアマーケテイング」があります。なぜかと言うと 地域差が大きい場合が普通であることや、特性を正確に見つけるにはエリア を限定しないと難しいという理由があります。広域・一般化は、正確・高精 度と相いれないのが普通と現在は考えられています。

集めるデータは目的で異なりますが、1)市場性・2)競合状況・3)自社 の実績や能力、が有ります。以前取り上げたSWOT分析に使用できるデータと 考えて良いでしょう。

「エリアマーケテイング」では、これも当然ながら複数エリアでデータを集 め結果を比較する事が重要です。これを行わなければ、エリアに分けた意味 がありません。

個別エリアとそれの比較とで、全体像を得て精度の高いデータとするのが、 「エリアマーケテイング」であり代表的な方法とされています。

マーケテイングリサーチは現在では常識ですが、調査の後には分析を行い、戦  略を作る事が必要です。あくまでも手段です。

エリア分析が主流と前回述べましたが、あくまでも目標・ターゲットを正しく 決める事が大事です。ですから、あくまでも細分化したエリア・商品別に分 析してゆきます。分かれたものを一つにするのは容易ですが、一度まとめて しまったものを、個別に分ける事は困難です。自然科学のエントロピー増大 の法則と類似しています。最終的にはSWAT分析(ポートフォリオと呼ぶ事が 多いです)にかけて戦略を練る事になります。分析に時間をかけるのは、現 状認識を間違えると戦略も間違うからです。

マーケテイングリサーチはデータ収集・分析方法が多く提案されており、使い こなすのは難しいですが、実際に関係しなければ、全体の流れと、細分化し て精度を上げる事を理解する程度でよいのではないかと思います。

これは、他の事にも通用する考え方と思います。

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