項目別バックナンバー[3]:ビジネス情報:13
ゲーム機
パソコンは汎用で、ゲーム機は専用というのが普通の分け方ですが、お互いに 機能を上げる事・それぞれが得意分野の所が他の機器に参入する事などが生 じると、機能が似てきます。
最近、たて続けに新機種・後継機種が発表されていますが、その内容はどれも 戦略的でどのようなビジネスが成り立つのかは、予断を許しません。
ゲーム機に使用されているチップ類はコンピュータ用とは異なり、機能が特化 していますが能力も非常に大きいものです。また、パソコンがビジネス用途 に浸透する事でターゲットユーザーやソフト類も業務用が必須となって来て います。したがって、ハード・ソフト共に棲み分けが行われていた面があり ます。
これが、パソコンOS・ソフトのトップのマイクロソフトが参入し、規格が未統 一の次世代DVD(ブルーレイ)をソニーが次世代機で搭載する等、色々なビジ ネスが動き始めています。
ゲーム機がゲーム専用であればその機能上と価格で、パソコンと住み分けて来 ました。
ところが、機能を上げる・追加する、結果として価格が上がる、パソコンとゲ ーム上も同じソフトを動作させる、等が行われるとゲーム機という独立した 分野ではなくパソコンを含めた広い範囲のビジネスのひとつとなります。
ひとつは、インターネット機能です。ネットゲーム対応及びネットパソコンと して使用可能にするとそこに競合が生じます。
ふたつめは、マイクロソフトの参入です。パソコンOS自体にゲーム機とコンパ チの機能を搭載するとも言われています。これはビジネスチャンスか、リス クかは微妙です。
そして、規格が統一されていない次世代DVD・ソニーゲーム機へのブルーレイの 搭載です。ゲーム機が映像機器にもなるのでその普及度に大きい影響が考え られます。ただし、ゲーム機本体価格が高くなるので、ゲーム機自体の販売 台数への影響も無視できません。
現在主流のマイクロソフトのウインドウズOSにゲームが含まれている事は知ら れています。そればかりか、機能は小さいが色々な小物ソフトが付属してい ます。それが、ソフトを大きくしている訳ではありませんがOSとしては全員 は使用しないので不要と思います。あるいは、CD-ROMでの支給でよいでしょ う。
現在、プラウザがOSに載っていることがしばしば問題になっています。
ここに、Xボックス(ゲーム機)の(あるいは同等?)機能を載せる事はかなり のリスクがあります。
昔のパソコンは、ゲーム機として使用する事がかなりありました。現在も一部 の人はそうでしょうが、別の用途として使用する人が圧倒的に多いと思いま す。今現在での、パソコンのゲーム機能強化はかなりのリスクと感じます。
デジタルテレビ
現在のテレビ放送の主流はアナログ放送です。デジタル放送は始まっています が対応受像機の普及も進んでいなく、放送局も少ないので利用者は限られて います。
しかし、2011年にアナログ放送は中止で全てデジタル放送になる予定です。 ただし、この事自体がまだ広く知られておらず、当然ながら機器の普及も進 んでいません。
テレビ受信機の普及度の高さを考えれば、アナログ放送用からデジタル放送対 応への切り替えは非常に大きな市場です。しかし、それが本当に実施可能か どうかは現在の所ではまだ不透明です。
テレビ放送は法律でかなり規制されています。また著作権の扱いも定められて います。
ネット配信・インターネットテレビ等が登場していますが、その広がりは予想 が困難なぐらい広く早いです。ただネット絡みでは、法律規制がまだ整備さ れていません。最悪は、一歩ずつ遅れてゆくことも予想されます。
現在でも、テレビ用のコンテンツのネット配信は可能ですが、テレビ放送がデ ジタル化されると、放送とネット配信の境がほとんどなくなる事が予想され ます。デジタル化が情報量の増加と、周辺のデジタル機器との相性にとどま らず、双方向性・多重放送性・マルチチャネルなどに絡むとそれは、ネット の世界そのままになります。
放送業界・ネット業界ともに、ビジネスが変わるでしょうし、中間のケーブル テレビ・有線放送などにも影響が出るでしょう。
そして、全て機器やソフトが絡みますので、関連製造業界も大きな影響が予想 されます。
デジタル放送化は既に決定していますが、現実に期日までに受信機器の普及と 配信コンテンツの整備が間に合わなければどうするのか?。
この場合のシナリオは、急激な通信関係の進歩が有るために現時点でさえ、確 実に予想は困難です。
放送の公共性(例えば災害等の連絡、選挙時の政見放送等)からは、不十分な 状態での全面切り替えは出来ないと考えます。
一定期間のアナログ・デジタルの併用と、緊急放送用のアナログ放送枠の確保 は間に合わなかった時の要件でしょう。
とにかく、アナログ受信機の処分方法・デジタル受信機器の低価格化は必然と いえるでしょう。
状況が予測しにくい時がビジネスチャンスですが、リスクも大きいです。
国内回帰
製造業の海外移転で日本国内の空洞化が強調されていた時期が続いていました。
最近、高技術製品を中心に国内生産への回帰現象が増えています。
簡単に言えば、海外生産のメリットとデメリットが明らかになってきた事と、 多数の企業の海外生産により差別化がなくなり見直しが行われている事等が 理由です(これはデメリットともいえます)。
技術の海外・他企業への流出の問題が非常に大きいです。主に生産拠点として 進出した地域(限られませんが)を中心にコピー商品や、特許等の不正使用 製品の増加は、販売機会のみならず開発費用の未回収・ブランド名の低下・ コピーから出発した競合企業の成長などを招きます。
元々、安い労力を必要とするのは自動化されていない大量生産品の生産向きで す。これが少量多品種生産が主流になると、見直しが必要になります。
大量生産は、製造システムのライン化により実現されて来ました。しかし、こ の方式は他品種少量生産では向きません。
他品種少量生産は、工程ごとに分けられた作業単位を製品が個別に異なった順 ・必要工程のみまわる事で実現します。
いわゆる、柔軟な生産方式による対応です。
この場合は、個別作業単位の工程能力・材料や部品在庫管理・品種ごとの必要 工程の管理が必要です。
これは、全く新しい生産システムと生産管理システムを作る事を意味します。 同時に、コンピュータ化による合理化や多くのノウハウの蓄積の必要性も意 味します。
そしてこの条件では、日本国内生産が可能になりしかも技術流出防止にも繋が ります。
技術開発が早い製品では、技術拠点と製造拠点が近いことが必要です。
また、製造能力の先行準備も必要です。そして製造技術は、ノウハウと経験と の積み重ねです。これらの蓄積は非常に大切で、いわゆる重要機密です。
海外生産をこれらの内容で行うと、技術拠点も海外に必要、先行投資・先行技 術が海外に流れる、技術等の蓄積が流出しやすく同時に受け継がれてゆき難 くなる 等のデメリットが発生します。
国内製造拠点のデメリットの、人件費・工場建設費等を含めて考えて、海外生 産によりメリットがあった時代・製品も当然ありますが、国内製造拠点の方 がメリットがある製品が増えてきたのが最近の国内回帰現象といえると思い ます。