項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:71

動的生体認証

生体認証には
・静的生体認証方法
・動的生体認証方法 がある。

動的認証は行動的特徴(動的な情報)を利用するものであり、既に述べて来たように静的生体認証方法とされる中にも動的に近い方法もある。

生体認証のメリット
1.ハイレベルなセキュリティの実現
2.ユーザーの利便性向上
3.スムーズな照合による生産性向上
 これらからはパスワードによる認証よりもメリットがある方式として、静的な認証がまず考えられたが、その試行と実施の中でメリットの実現の為に動的認証にも関心が増えていった。

動的認証は行動的特徴(動的な情報)を利用するもので、静的生体認証方法には動的に近い方法もある。

筆跡  筆記時の軌跡・速度・筆圧の変化などの癖を利用する方法だ。
 腕首の回転や指の長さを推定する認証方法についての研究も行われている。
日本語で筆跡とかサインとかでは単に筆記後の筆跡画像だけを対象にする見方もあったが、それのみを見る方法では生体認証とは見なされない、理由は動的なマネや個人識別可能な癖等が含まれ難いと考えられている。
日本においては認証手段としては印鑑を多用していた事から、署名を行う習慣が少ないそれ故に単に筆記後の筆跡画像をのみ対象とする方法を含めて、あまり普及してこなかった。
 ただし、デジタル化推進の社会的な動きのなかで捺印が急激に減少して来ている。
 その代用として、サインが使用される事が増えている。

動的認証は行動的特徴(動的な情報)を利用するもので、静的生体認証方法には動的に近い方法もある。

キーストローク認証
 パソコンのキーボード入力時の癖や特徴を識別して、個人を認証する技術だ、キーを押してから離すまでの時間や、次のキーを押すまでのリズムなど、事前に登録された打ち方データと照合して本人確認を行う。
 日本ではNTTが、この技術を利用した本人性確認サービス「キータッチパス」を開発し、2010年6月に北里大学と共同でe-ラーニング(遠隔講義)への適用性を検証する実証実験を開始して、その後に国内初となるキーストローク・ダイナミックス認証技術の商用サービス提供開始を目指した。
 e-ラーニング受講時やオンライン試験での「なりすまし」などを防止する効果のほか、コピーした文章を張り付けるコピー・アンド・ペーストなどの不正行為も見抜けるとされる。
 また指紋認証やICカードなどと違って特別な機器は必要なく、パソコンにソフトをインストールするだけで利用できるため、利便性とコスト面でも利点が有る。
リップムーブメント
 発話時の唇の動きの癖を用いる方法だ。

動的認証は行動的特徴(動的な情報)を利用するもので、静的生体認証方法には動的に近い方法もある。

まばたき認証  まばたきによる黒目領域の変化量を測定する方法だ。
 無意識にしているまばたきの動作は高速であり、他人が真似をするのは困難といわれている。
 顔認証との組み合わせで携帯電話に採用された例もある。
 生体認証では、指紋認証に加え、登録した顔画像を利用して認証する。
 利用者はまず、スマートホンにアプリをダウンロードし、アプリに顔画像を登録する、認証の際にはアプリでは顔全体を写しだし、ユーザーはそこでまばたきを行うことで認証が行われる。
 顔全体が動いたり、まばたきをすることで、生きている人間の顔、なおかつ本人であると認証される仕組みだ。
 具体的な利用としては、モバイルバンキングや送金の認証等のパスワードの代替などを想定した。
 パスワードやICカードなど、他の認証方式と組み合わせる二段階認証にも対応している。
 プライバシー問題からモバイル端末に情報を格納するため方式もある。

動的認証は行動的特徴(動的な情報)を利用するもので、静的生体認証方法には動的に近い方法もある。

歩行:人の歩行を用いた認証方法(歩容認証)
 多くの人が、顔が見えないくらい遠くにいる家族や友人を、その姿や歩き方で識別できるように、歩容にはその人の個性が備わっている。
 歩き方には、腕の振り・歩幅の違い・姿勢の違い・動きの左右非対称性などに明確な違いが見られる。
 歩行は骨格や筋肉などの体格的特性や、歩き方などの動的な特性があり、監視カメラの顔認識システムと組み合わせて使用する。
 ただし、骨折などの重い怪我や長期入院などを経た場合には、認識率が低下する。
 歩容認証は、映像から歩き方(歩容)の個性を低周波の周波数領域特徴として抽出し、生体認証を行う。
 実世界の様々な条件下で高い性能を実現している。
 その技術は、大きな歩容データベースを構築する事で統計的信頼性の高い結果を得れ。大規模データにより歩容からの性別認証・年齢推定の可能性、歩行ゆらぎの性質などの新たな知見も得られる。
 実応用としては、2009年に日本の警察で科学捜査技術として活用され、さらに2013年に、世界初の歩容鑑定システムとなり、警察庁科学警察研究所ではシステムの実務評価が行われた。

生体認証には、静的生体認証と動的生体認証があり、さらにはその中間的な生体認証方法もあり、種類は多岐に渡っている。
多岐に渡る方法にはそれぞれに利点も欠点もある、単独の方法では十分でかつ確実な認識率を得られない場合も多い、さらにはセキュリティ上でなりすましや認証破り等の不正手段への対応も必要になる。
その課題や問題点に対しては、中心となる生体認証方法に、他の生体認証方法を組み合わせて使用される事も多い。
単独あるいは複数の生体認証だけでシステムを構成しなくて、さらに個人認証カードやパスワード方式の利用や暗証番号等の生体認証以外の方法と組み合わせる使用方法も多くある。
例えば金融機関のウエブサイトへ、IDとパスワードでログインして、金銭の振り込みや引き出しにはワンタイム暗証番号生成器を使用する、さらには高額引き落とし等には生体認証方式を使用する等の例がある。


スマートホン

スマートホン(Smartphone、日本語の略称「スマホ」)は、モバイル向けオペレーティングシステムを備えた携帯電話の総称を指す。
スマホのうち画面が大きいものは「タブレット」と呼ばれる事が多く、スマホとタブレットの中間くらいの大きさのものを「ファブレット」と呼ぶ事もある。
スマホや、タブレットや、ファブレットやスマートウォッチなどの、インターネット接続機能を持ち、さらに電子決済機能などを持つ機器を総称して、スマートデバイスと呼ぶ。
スマホは現在では一般的に、折り畳み式を含んだ従来型の携帯電話(フィーチャー・フォン)等と区別されて使用されている。
スマホは1996年のノキアの電話機能付きPDA端末の発売から始まったとされ、2007年のiPhone発売と2008年のAndroid端末の発売により、それ以降に世界的に広く普及した。

モバイル通信の歩みには、高性能化・デジタル化・多機能化・パソコン化等があった。
そこから登場した機器としては、携帯電話や携帯情報端末やノートパソコンがあった。
携帯電話は、無線通信電話として始まり、そこから移動可能な電話として広まった、そこから持ち運ぶモバイル通信用機器としても目指す動きが生まれて行った。
日本では遅れて、モバイル機器としての携帯電話の時代から始まり、それが機能と性能を増して高機能携帯電話となりフィーチャー・ホンと呼ばれた、それは21世紀でも続きスマートホン(スマホ)登場後には通称「ガラケー」と呼ばれた。
一方ではノートパソコンを小型化した携帯型パソコンのハンドヘルドコンピュータがあり、さらには携帯情報端末(PDA)も使われていた。
従来型の高機能携帯電話(フィーチャー・ホン)に、ハンドヘルドコンピュータやPDAの機能を取り込んで、よりアプリに比重を移して、パソコン的な機能を持たしたスマートホン(スマホ)が登場した。
スマートホンの用語に対する明確な定義は無い説もあるが、その歴史背景から、携帯電話+モバイルパソコン+PDA的な機器でありソフトだと言える。

1980年代から1990年代のアナログ式携帯電話では通話しかできなかった。
その次の、1990年代後半から2000年代にかけて普及していたフィーチャーフォンはデジタル方式であり、そこにはSMS機能やインターネット閲覧機能を備える機種があり、その機能は向上した。
 ただし、メールやカレンダーなどの基本アプリ以外には使えるアプリが少なく、インターネットも限定的にのみ使用出来た。
 フィーチャーフォン時代は基本ソフト(OS)がハードウェアと一体化され、また基本アプリもOSと一体化されていた。
 それ故に、パソコンやスマートホンのようにソフトウェアやアプリを自由にダウンロードしたり消したりバージョンアップしたりできなく、ミドルウェアと呼ばれた。
日本で普及した「Iモード」と類似のサービスは、携帯電話通信会社内でのみのサービスであり、高機能化したが最終的にはフィーチャーフォン時代と考えられる。

2007年に発表された初代iPhoneは現代的なスマートホンの最初だった、その後にグーグルからスマホ用OS・アンドロイドが登場して、両者は急激に普及した。
特徴は
・インターネットを自由に使える。
・ソフトウエアであるアプリが自由にダウンロードしたり消去したり、バージョンアップすることができる。
・OSをバージョンアップすることも簡単にできる。
・携帯電話のモバイル回線を使用するので、電話回線とインターネット回線の双方を1回で契約できる、無線故に工事なしにさらに付属機器なしに接続できる(初期にはパソコンが必要だった時もある)。
・携帯電話回線以外に、Wi-Fi機能も使える事が一般的だ。
・ブラウザアプリで、フルブラウザ版のウエブサイトを閲覧できるので、原則はパソコン用のサイトにアクセスできる。
・ただし機器やソフトからの制約もある、それ故にスマホ用のソフトであるアプリが開発され、そのアプリは機能向上と開発競争で一気に充実した。
・携帯電話会社との契約が必要であり、さらに費用の引き落とし口座登録が一般的な事から、携帯電話会社による個人認証機能があると考えられている、それ故にキャッシュレスのスマホ決済サービスや、色々な電子化サービスの端末としても普及して来た。

日本の携帯電話では回線接続サービス提供事業者の影響がハード機器とソフトウエア共にその影響が強かった、それは他の事業者や機器との接続やサービスを制限していた、それ故に海外向けに於いても制限となっていた、パソコンとそのインターネットでは原則は世界的に接続可能であったのでそれとの差は大きかった。
アメリカで登場したスマートホンはパソコンの思想が取り入れられてデジタル通信であり、原則はハードもソフトも、通信事業者や国・地域も超えて接続が可能な設計であった、当然ながら言語的な対応についてやアプリやソフトウエアが個別に開発されて対応している必要はある。
携帯電話では画面サイズが小さくさらには操作用の入力キーが存在していた、それに対してスマホでは画面サイズを機器サイズの限界近く大きくしておりさらにはキーを原則無くして、タッチパネルでの入力となった、それはモバイル性とインターネット環境を向上して、モバイル・インターネットを一気に進めた。
スマホは急速に普及して、2010年代中盤以降では、高速通信(LTE)機能を持ち、さらには人工知能(AI)を使った音声認識機能を備える事になった。
OSは前述のように、iPhoneのiOSと、その他のほとんどの製品のグーグルのアンドロイドが一般的だ、それ以外にもあるし携帯電話会社でアンドロイドを独自にカスタマイズしたものも多くある、だがいずれでも必要機能のアプリ化とレスポンス性への回線速度への要求が厳しくある。

世界でのスマートホンの普及率は、2013年に携帯電話(従来型のフィーチャーホンの普及率を上回った。
同様に、日本でも2013年にスマホがフィーチャーホンの普及率を上回った、そして3年後にはスマホの普及率は全年代で70%を超えた、特に20代では90%を大きく超えた。
そしてでスマホは2010年代において最も一般的な携帯電話の形態となった。
同時に、パソコンは使用しないがスマホを使用する人が圧倒的に多くなった、パソコンは用途や機能的には置き換えられ難い内容も多いが、一般のユーザーの多くはスマホのアプリで提供される機能で十分である場合も多かった。
特にパソコンでは初期設定やインターネットとの契約や接続工事とさらには接続設定が必要で複雑だった、さらには設定後もアップデートやメンテナンスが必要でそれにも知識が必要だった。
スマホでは一般的には、ハード機器と基本ソフトとアプリと無線通信とそれでのインターネット契約が同時に行える、さらに初期設定や接続が簡単に自動的に行える、それが困難でも初期設定サービスが充実している。
日本での携帯電話キャリアの一括サービスは囲い込みと言われ通信費が高いと言われた事もあった、それ故に個別の販売等での分離も進んで来たが、それでもパソコンと比較して設定と操作は容易だとされる。
スマホの世界的普及により、内蔵される半導体やセンサーやモーターや液晶ディスプレイなどの小型電子デバイス類が量産効果による低価格化が進んだ、そして全体的にもデジタル機器の低価格化が起きた。

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