項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:2

IC,LSI

パソコンの発展は電子素子・電子回路と密接です。特にトランジスタの発明以 後に急速に発展した固体素子と、その小型化が重要です。単体の素子が小さ くなると、これらを複数まとめて素子とすることで一層の小型化を図る事が 始まりました。これを集積と呼びます。

IC:integrated circuit:集積回路とは、トランジスタや抵抗・キャパシタンス を1枚の小型回路板に集積させて、1つの素子を形成したものです。これら の組み合わせで、回路の3要素の等価なものが作れます。(限界はあります) ICを作るには、全く新しい技術が開発されました。そして改良の積み重ねで 急激な価格低下と高集積化・高機能化が実現されました。

このことで、真空管で作られていた物が急速にIC化移行しました。 LSI:large scale IC:境目は単位面積当たりのトランジスタ数などで分ける事 もありますが、イメージとしてはより高密度に集積されていると考えるだけ で良いと思います。はじめのコンピュータが部屋一杯・キャビネットサイズ 等と言われましたが、これが今では指の大きさよりも小さくなっています。 そして、価格も急激に安くなりました。

これらを使って始めて、現在のパソコンが実現しています。

チップセット:パソコンの仕様を見るとしばしば、この言葉を見ます。これは パソコンの心臓部を少数のLSIで作り上げており、実用的に使用する時の組み 合わせセットを表しています。パソコンを分解すると、回路基板の上に意外 と少数の素子しか載っていない事に気づくでしょう。その中で目立つ大きな 素子がこれです。最近では放熱の関係で、とげの様な放熱板がついている事 が多いです。


プログラム言語

パソコンはソフトがないとただの箱といわれます。そのソフトを記述するプロ グラムは重要視されてきました。現在でもプログラマー等の専門の技術者に は変わっていません。ただ、一般の使用者には大きな変化が現れています。

それはパソコンの普及には、言語等を使用者に意識させない事が必要となっ て来ているからです。必要なソフトを購入してきて、CD-ROMで読み込ませて ソフトが勝手にセットして、最後に再起動して直ぐに使用出来るのが普通に なってきています。ただ、開発用にいくつかの言語が販売されています。

2進法・16進法・機械語:通常のパソコンは(デジタル機器は)5ボルトと 0ボルトで、1と0を保持・伝達します。この為にパソコンが本来理解でき るのは機械語とよばれ、2進法で記述されます。これは上記の機器の制約と デジタル情報の効率からと言われています。ちなみに数学的には[e]指数が 一番情報効率が良いそうです。2.8ぐらいですから3進法が一番でしょうが 2進法は次に近い数字です。電気的に安価に3状態を作る事は簡単ではあり ません。2つの状態といっても通常は、2.5-5Vと0-0.5Vぐらいを指します。 厳密にすると雑音に弱くなります。0.5-2.5Vは不定=エラーになります。

2進法は0と1のみですが、非常に記述が長くなるので2のn乗を使用するの が実状的です。現実は16進法が使用されています。機械語はよほど慣れた 人以外は近寄らない方が無難でしょう。

機械語は非常にシンプルなものです。これを使用して人間にも理解できる高 級言語が作られます。

高級言語の作成:初期は機械語で直接に高級言語を記述していました。しかし パソコンではあまりにも面倒です。特にCPUごとに機械語は異なるのですから 大変な作業です。

有名なC言語からは、やや低い高級言語でより進歩した高級言語を記述する 方法が主流になりました。ちょっと分かり難いですが、機械語で簡単な言語 プログラムを書く、勿論機械語に翻訳できる言語です。次に、完成した言語 でより複雑な事ができる高級言語を記述する。これを繰り返す事で人間にと り使いやすい言語が完成します。この方法ですと、機械語が異なる機種や変 更がある時には、一番最初の物のみを作りなおす事で全て変更が出来ます。

プロトコルと同様の考え方ですが、複雑なものを作る時の方法としては効率 メンテナンス・品質等で優れた方法です。知らなくても良い話しが多いです が、困難を分割して作業を行う考え方はコンピュータでは普通ですし、一般 の社会でも参考になる事が多いです。憶えておいて損はないと思います。

非OS言語:初期の高級言語には、「BASIC」「COBOL」「PASCAL」をはじめ多数 あります。パソコンではBASICとフリーソフトの小型言語が主流でした。まだ OSがなく言語自体がOS的な役目を果たしていました。そしてそれはROM書かれ ており変更出来ないものでした。

クリーンコンピュータ:誤解し易い呼び方ですが実際にこの様に当時は呼ばれ ました。現在のパソコンは基本的にこれです。少数のROM以外は全てRAMで初 期には何もありません。HDDからソフトを読み込んで動作します。何に使用す るか不明ですから効率はよいです。このようになったのは、HDDの普及と密接 に関係します。現在のWindowsの前身のMs-dosは、OSではなくdos(デイスク・ オペレーションシステム)だった事でもわかります。

言語の主流の交代:C言語があらわれて、直ぐに主流になりました。特徴は高 級言語であるが、低いレベルも記述できる事です。他には、Pascal,True-bas icなどがつかわれました。

一方、cpu 依存性を無くすためにJavaの提案も進んでいます(種類・用途も 広いので、混乱しない注意が必要です)

ヴィジュアル系:Windowsの時代になってからは、表示のプログラムを簡素化す る方に向かっています。C,BASIC,PASCAL(DELPHI),C++,JAVA等多数で頭にVISU ALがつきます。

もう一般の人にはプログラムの機会は少なくなったと思います。ただし、表計算 ソフトのマクロなどで上記の言語に出会う事はあります。


OS

OS(オペレーションシステム)は基本ソフトとも呼ばれて、コンピュータの多 くの機能を管理します。その機能の上で動作するソフトをアプリケーション と呼びます。OSは、アプリケーションの操作性にある程度の統一を持たす 事や、良く使用する機能を標準で持ちソフトの作成をより早くする事も目的 です。OSには沢山の種類がありますが、現在のパソコンレベルでは、 Windows が主流です。ただ、OSメーカーがアプリケーションも主流製品を 作っている事から色々な問題が提起される事があります。

他には、MacOS,Unix,Linax,Tron等が使われています。特にUnix,Linanはフリー ソフトで共同で開発できるので広まる可能性は高いですが、現実はどうして も改良者の方言?がはいり互換性が弱くなる傾向が続き、まだ急激な広がりは 見せていません。

なお、OS自体は外部記憶装置を限定していませんが、フロッピー時代はF-DOS ハードデイスク時代は、DOS等と呼ばれていました。MS-DOSは後者です。


表計算ソフト

ソフトをアプリケーションとユ-テイリテイ等と呼ぶことがあります。後者は 役に立つプログラムの意味で広いです。前者は応用の意味で決まった用途が あるものを指します。

表計算:アプリケーションの中でも歴史が古いのが表計算ソフトです。有名な アップルコンピュータ用に、VisiCalc が作られたのが急激に広まった理由 でしょう。ワープロ専用機はあっても、表計算専用機はありません。表計算 ソフトを使う為にコンピュータを購入した人もいるとも言われます。この優 れたアイデアは次々と色々な機種用につくられました。速度さえ無視すれば BASIC言語でも書くことは可能です。ただコンピュータを使って行う事のメリ ットを最大限にいかしています。表計算という面では、その後のソフトに革命 的な進歩はありません。カラー化され・豊富なメモリーを使い・他のソフトと のファイル交換を可能にし、数々の飾りつけが可能になりました。

ただ本質には、大きな変化はありません。改良ではなく機能の追加に終わっ ています。

世の中には「何が出来るか」の人と「何だけ出来れば良い」という異なる意 見があります。さしあたってその後の表計算は前者に終始しました。 そのアイデアに於いて、最初のソフトを越えることがなかったのです。

マクロ:表計算ソフト自体は使い方は易しいですが、最近は性能よりも機能にゆ きがちです。雑誌等で機能比較をするなど、あたかも機能が大事と思わせる 弊害です。たぶん一度も使わないだろう機能が増えても少しもうれしくあり ません。最近のソフトでは、マクロが使えます。これは非常に便利です。基 本は小さなプログラムです。度々同じ作業を行う場合に一度その手順をプロ グラムしておくと、作業性があがります。ただ、true-basic,C,Pascal等の小 型のセットになっていますのでプログラムの知識は要求されます。なお、マ クロは実行ファイルではないので、パソコンウイルスの危険性があります。 注意が必要です。

ソルバー:非常に便利ですがほとんど使われない機能にソルバーがあります。

元の制作が同じですので、どのメーカーの表計算ソフトでもほとんど使い方 に差はありません。これは、技術情報で述べている数値解析の線型計画法を 行う事ができます。これまた、一度組んでおくと直ぐにつかえて便利です。 ただし、線型計画法自体やその有効性を知らない人にはこれも不要の機能に なります。

表計算は基本的な機能といえます。パソコンでなくてもグラフや罫線を使用し ます。そこに自動計算を組み込んだ訳です。 従って、計算以外の用途に使用する人も多いです。現在のコンピュータソフ トの重要なひとつにデータベースがあります。ただ、個人で小規模に使用す るのには複雑な面もあります。また、データベースの出力の方法として表計 算ソフト類似の画面を使用したり、パーソナルデータベースでは、表計算ソ フトとの間でデータのやりとりをする事が多くあります。

計算という言葉が付くと、あたかも数字を扱う様に感じますが、電子化小型デ ータ整理用に使用される事が多いです。数々のソフトの中で何が一番使い易 いかというのは個人で異なりますが、データベース的な要素があれば、表計 算ソフトがお薦めです。

ただし注意があります。それは、ソフトのヴァージョンアップや種類の異な るソフトの間の互換性です。最近のソフトは互換モードを持っています。た だしソフト固有の特殊機能は互換ではありません。もしデータベース的に、 使用して長期の使用を前提にするならば、基本機能のみを使用する事をお薦 めします。

私個人は、小説の作者別読書リストを古くから作っています。パソコンが7 機種・ソフトが3機種・ヴァージョンアップが5回ぐらいありましたが、単 にノート代わりですので、継続して使用しています。発表年順にソートする 等のメリットは別にあります。

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