項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:29

プリンタ

プリンターという言葉は印刷全体ですが、カタカナ語でプリンターという時は 最近はコンピューターや情報関係の機器を言う事が多いです。
ここ最近は、方式の変化は緩やかになりました。
しかし、個人・企業等向けパソコン用に使用され始めた頃は、多彩な方式が出ました。
初期の主流は、インパクト式という単純に接触で印刷する方式です。
その後に、非接触方式のノンインパクト方式が出ると急激に普及して、現在ではほとんどがノンインパクト方式です。
個人向けに多いのが、インクジェット方式で、企業等向けはレーザープリンター方式です。

プリンターの歴史は、使用する用紙の歴史でもあります。
現在は普通紙対応になっていますが、印刷画質を考慮するといくつかの種類が使用されています。
印刷という作業自体が、インクのにじみや印刷性が必要でありパソコン用のプリンターのみの問題ではありません。
初期は、スプロケットホールという巻き取り穴が付いているロール紙が主流でした。
紙も、感熱方式・カーボン紙転写方式などがありました。
どちらかと言うと、インクの転写方式が未開発だったと言えます。

プリンターの最初の使用方法は、テキスト文字の印字でした。
文字の印字は、表示画面(ブラウン管・液晶等)と似ています。
初期は、出力先の切り替えのみでプログラムは共用のものも有りました。
その結果は、ドット方式が先行して広まりました。
これは、ドットの組み合わせでテキストやその他の画像を出力する方式です。
画像・テキストを画く方式には、ベクトル方式があります。
これは、習字で書くように順番に線を重ねて書いてゆきます。
ギザギザがなく大きな文字でも、綺麗に書けますが速度は遅いです。
一度は、パソコンプリンターでは使用されなくなりましたが、プリンター等の ハードの進歩と共に、ドット・フォントとベクトル・フォントの双方を持ち 文字の大きさで使い分ける様になり品質を向上させています。

パソコン用プリンタは、ドット・インパクト型からはじまりました。
ドット・インパクト型の性能は、一度に接触するドットの数と、速度で決まりました。
ウッドペッカーと呼ばれた1ドットからはじまり、漢字対応になると多ドットになりました。
この方式の欠点は、音が大きい・印刷紙が傷む・カラー化が難しい等です。
接触という性質から、避けにくい欠点ですので、改良よりは非接触タイプの開発と普及の方向に向かいました。
インク・ジェット方式です。

非接触方式でも、2次元で動作するプリンターはあります。
ただ、装置的に大きくなりがちです。
個人や小規模部署での使用は、方式が限られます。
最初に広がったのは、ドット穴からインクを吹き付ける方式です。
商品名からみで、インクジェットとかバブルジェット等の名前で呼ばれています。
これは、ドット・インパクト型を非接触に変えた方法ともいえます。
なぜならば、1方向がテーブルの移動で、他の方向がインク吹き出し端子の移動で印刷位置を決める方式ですから。
インク吹き出しの穴の大きさや精度が印刷品質に大きな影響があります。
その機械加工技術は重視されました。
もう一つは、インクを吹き出す方法です。
熱で溶かして、溶けた場所だけだ吹き出す方法や、溶けたインクを圧電素子で押し出す方法が使用されています。

非接触方式で、急激に進歩・普及したのが、レーザープリンターです。
基本原理は、複写機と同じです。
印刷部を帯電させて、その上だけにトナーを残します。
それを糊で固定する方式です。
帯電部は、印刷イメージに合わせてレーザー照射します。
ページ単位で処理を行うために、ページプリンターとも呼ばれます。
ページプリンターとは、処理単位での分類で印刷方式ではありません。
装置が大がかりで、トナーの供給と回収が必要ですので、初期は高価でした。
これが次第に、価格低下する事で普及しました。
ただ、インクジェット方式との価格差は存在するので、用途によって棲み分けています。

プリンターは、黒印刷から始まり、次にカラー印刷へと進歩しています。
特に、非接触タイプでは色混合方法でカラー化が可能ですので進歩が早いですし、印刷品質の競争が激しいです。
3原色=赤・青・緑の混合で、理論的には全ての色が作れます。
現実は、全混合で黒は完全ではなくしかも使用量が多いです。
従って、初期は3色、その後は黒を加えた4色が標準です。
ただ、原色が厳密ではないので黄色を加えて、品質を向上させる傾向もあります。
色混合は、インクジェットではインク吹き出し口を、1ドットあたり色数使用 して作ります。カラーテレビのシャドーマスクと似ています。
レーザープリンタでは、トナーの色数で決まります。


64ビットOS

マイクロソフトのOSは、Windows vista以前は32ビットでしたが、Windows7からは64ビットになりました。
当然ながら、全ての32ビットのソフトが動作が保証されていませんし、非対応があっても当然でしょう。
その対策として、Windows XP互換モードが設けられました。
ただし、プロフェッショナル・タイプが必要です。ホームやプレミアムではその機能はありません。
なぜ、64ビットになったのかは簡単で、メインメモリーが4Gバイトが標準(推奨)になったからです。
32ビットで管理出来るのは、3Gバイト(正確には端数がつきます)までで、そ れ以上のメインメモリーを使用するためには32ビットでは無理なのです。

基本的に、64ビットOSとなるWindows7は、既存のソフトの動作が保証されませ  ん。
サードパーティでは、いち早く動作確認を行って公表しています。
また、64ビット版の開発・公開が始まっています。
ただし、長年使用していたフリーソフトのいくつかは、既にサポートを終えていて動作確認は不明です。
Windows7のユーザーは(マイクロソフトのサポートを考えると移行せざるを得 ない状況になっています)今は、非常に悩ましい状況です。
これはどの様に進展するかは、幾人かの意見では2011年後半ぐらいになら ないと不明と言っています。
その頃は、クラウドシステムの普及・情報端末の普及・タッチパネルパソコン の普及・画面と本体の一体パソコンの普及・地上波デジタルの状況とパソコ ンに機能が求められるかの判断・ブルーレイ機能の必要性・そして最大の課 題であるウィンドウズOSの独占状態の継続の有無などが、判断出来る様になるだろうと言う予想です。
すなわち、64ビットOSとなるWindows7の順調な普及が不確かだと言います。

企業等の大量使用の所では、自主開発のソフトを持っています。
これらの稼働が保証されているかどうかは、重要テーマです。
OSのサポートの有無よりも優先するでしょう。
しかし、動作保証は現実はどこも出来ないのが実状です。
実験稼働は行いますが、全切り替えのシュミレーションとは言えません。
OSに32ビットモードも乗せるのは、あくまでも暫定的対策です。
ソフトの移行ツールの提供があってはじめて、切り替えが進むのでしょう。
64ビット化はいつかは必要ですが、そのタイミングは微妙です。
ユーザーは、OS自体の切り替えも視野に納めます。
現実に、そのような動きも小さく見えています。

OSの必要性から生まれたともいえる64ビットですが、通常のアプリケーション ソフトでは、その必要性はほとんどありません。
バージョンアップの容易な、小さなアプリケーションでは、対応しても大型の アプリケーションソフトでは、メリットがなくリスクの多い変更は、個別企 業の自主開発ソフトと同様の事情になります。
すなわち、32ビット環境で走らす事になります。
理由は簡単で、古いOSユーザーでも同じソフトを動作させる必要があるからで す。対応OSを狭くする事は、自滅に近い行為ですので、よほどのことが無い限り変わらないでしょう。
従って、切り替えではなく、動作モードの追加と考えた方が実状にあうでしょう。


クラウドOS

かなり以前から次世代とも言われていた「クラウド」が始まります。
現在のインターネットのセキュリティでは、リスクが高い、との意見もありま したが、需要も多くスタートします。
既に、ネットディスクが普及し始めています。
クラウド方式を前提とした、情報端末の普及が急速です。
そして、それを前提にしたOSとサーバーシステムとハードウェアとのセットが 登場すると公表されました。
パソコンの能力的に必要かとの意見は、現行のwindowsのOSからの離脱をター ゲットにしての登場する事になりそうです。

ハードウェアの巨大化とともに進化したwindowsモデルですが、壁に当たっています。
対応に際して、異なるモデルが登場しているのです。
一つが、携帯端末・スマートフォーンとメインパソコンとの連携機能の充実、 つまり個人パソコンがサーバー的な、データ倉庫にもなる方式です。
もう一つが、クラウドOSです。
ネット上のサーバーと、パソコン・携帯端末・スマートフォーン全てをつなげてしまう試みです。
個人のハードウェアの巨大化を防ぐために、端末の機能を分割してしまう方式です。
そして、データやプログラムはどこに置くかという選択問題です。
二つのモデルは矛盾もあり、一方では随時移行も出来ますが、パソコンの機能 ・端末の機能設計段階から対応した方が効率は良いです。

携帯端末・スマートフォーン等のOSは、普及し始めたばかりですが「Windows phone」・「iOS」・「Andoroid」等が競っています。
「Andoroid」は、リナックスを元にしたフリーソフトを起源としています。
OSもその様な扱いです。
インターネット上をクラウドとして扱う事を、明言しているのはこのOSです。
提供先のグーグルは、初参入のパソコン用のOSも同じ起源で同じ思想で、作っています。
そして、ハードを含めた新しいパソコンのモデルを提供する予定があるとしています。
急激に「クラウド」というシステムが、個人レベルになる可能性が出てきました。

ローカルにデータを持たないネット・コンテンツは既に多数あります。
ソフトに関しては急激に少なくなりますが、やはり存在します。
ただ、パソコン等の利用方法が、完全ネットになっている利用者の割合がどの位かはこの方式に影響します。
クラウドOSでは、基本的には常時インターネット接続状態か、オート接続で色々な作業を行います。
ローカルでのみで行う事は、少数に限定されます。
ローカルにデータやソフトを持つ事と、ネット上に持つ事のメリット・デメリ ットは多岐に渡りますし、普及時の規模を考えると難しい問題になります。

ネット・コンテンツというのは、現実にはサーバー上に存在するものです。
これは、家庭用のサーバーでも勿論可能です。
現実に費用対効果で、使用が少ないだけです。
パソコンにデータ等を保存して、情報端末等でアクセスして利用する方式は、考え方は似ています。
サーバーには、アクセス権が設定出来ますから使い方で同じになります。
ただし、現状のレンタルサーバーは、殆どがデータ保管用途の使用を禁止しています。
同時に、インターネット・ディスクが普及し始めています。
個人使用もクラウドに含めるかどうかは、定義の問題です。
企業等のクラウド化は、普通に使用される用語ですから人数制限の定義は難しいでしょう。

クラウドは、OSで運用する必要はありません。
個別のソフトで運用する事は可能ですし、既に行われています。
ただし、ハード機器の製作・販売に於いては、システム全体が対応しているかどうかは重要です。
個別対応では、ハードが非クラウド仕様で設計せざるを得ないからです。
これでは、ハード機器の軽さ・機能のメリットは出しにくいです。
情報端末等では、機能と記憶容量の制限から、自然とクラウド方式が利用されています。
OSとハードの機能の結果として、必要だからです。
ハードやOSの普及は、それの機能を使用出来るソフトを生みます。

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