項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:43

数字キー

デスクトップ・パソコンでは、日本語対応の標準キーボードが一般に使用された。
ノートパソコン登場からキーボードのスペースが充分に確保されなくなり、そこに携帯電話が登場した。
スマホやタブレット端末は、標準はソフトウェア・キーボードだが、場面に広いスペースは存在しない。
キーボードを多用しない設計が特徴だが必要な時もあるし、オプションでサイズに合った外付けキーボードが提供されている。
ただし、スペースが少なくなるとフルのキーボードの配置は無理で、極端な配置や入力方法の変更や、標準キーボードからのなんらかのキーの省略が行われる。

「数字キー」とは初期のキーボードのキー以外の意味で、以降に追加された多くのキーを指す。
代表的に「テン・キー」とか「数字入力キー」とか、主に11個のキーで数字を早く入力する機能を求める用途があり、それがフル・キーボードの右端に設けられたり、専用の「テン・キー」が発売されている。
数字入力は、タッチタイピングで入力出来る位置に存在し、数字のみを早く入力する用途がなければ必要ない、ただしタッチタイピングしない人はかなり使用する。
とにかく、これを代表にしてスペースが減ると省くキーは大体決まっている。
ノート・パソコンでは、むしろ「数字キー」が無いのが普通で、出来るだけ全体を変更したくないなら「数字キー」を無くすのが合理的と考えた。

タッチタイピングで数字入力は日本人は少数派と思うが、それは日本語キーボードがかな入力対応で、キーに割り当てられる文字が増えているからだろう。
「数字キー」は数字と、方向移動キー機能くらいだが、通常のキーボードの数字キーは2-3文字が割り当てられているし、特に「0」が特別に大きい事もなければそばに小数点も無く、間違いやすい「O(アルファベットのオー)がそばにある、入力ミスの経験は多いだろう。
経理や測定データ入力などでは、「数字キー」の存在は必須的に有用だ。
「数字キー」の配置は簡素タイプの電卓と似ている、合わせたと言うより数字入力の利便性が導くのだろう。

携帯電話は基本は数字キーだが、並びはパソコンとは上下が逆だ。
発祥が異なる為や、直ぐに用途が重なると予測出来なかったようだ。
タイプライターから繋がるパソコン用のキーボードと、固定電話のプッシュホーンから繋がる携帯電話のキー配列は、開発主導メーカーの差もあり独自に進んだ。
ただし、携帯電話は数字キーに多くの文字が割り当てられる変更に直ぐに進み、数字キーの性格を短い期間で変えた。
それは、電卓がシンプル機能から関数電卓等の多機能へと開発された経緯と似ているし、その後は併用されている経過とも似ている。

携帯電話と電卓を似ている様に感じたかも知れないが、移動使用でのキーの片手操作性を重視する携帯電話と、卓上以外は重視しない電卓は異なる。
携帯電話では消費電力は重要だが、画面の明るさや暗い場所でのキー操作可能な明るさの為の電力消費は妥協する。
一時の電卓で暗い所で使用しないとの設計があったのと対象的だ、パソコンでも灯り付きのキーボードは殆どない。
総合的に見て、現在の携帯電話のキーボードは独自の設計と言える、影響の有無は別にして、それ以前のキーボードとは異なる使用方法で、パソコン経験の有無とは使用の慣れはダイレクトに一致しない。
それは違う機器として認識され発展した為だが、その影響がどの程度かは不明だが、次に登場したスマホはどちらのタイプでも無かった。

スマホ(スマートフォン)と同時期のタブレット端末は、ハードのキーボードレスと表示画面の指タッチ操作と、ソフトウェアキーボードが特徴だ。
基本設計は、文字や数字の多数の早い入力はパソコン程には意識していない。
ただし、携帯電話や電子メールやSNS入力レベルは確保する設計だ。
文字・数字入力は新しい標準になり、またハードの用途設計が、文字・数字入力用途を目指していない事もあり、単純な比較は意味がない。
同時に、ソフトウェアキーボードはキーの有無を簡単に、変更できるので、特定のキーの有無を論じる・比較する事に意味がなくなった。
ただしオプションのキーボードは販売されている、またパソコンとスマホ・タブレット端末の双方に使用出来る設計のハードも登場している。
キーボードや数字キーを重視する用途から如何に見るかはまだ判断出来る状況でない、そして新製品が登場する。


内部機器拡張

個人用パソコンでのノートタイプやタブレット端末の普及に対して、デスクトップの優位性として内部機器拡張性を言われる事が多い。
スペース的に余裕があるから可能と思いがちだが、現実はどうかは実は簡単ではない。
ノートパソコンと同じ思想で、外部拡張機能を多く持つ=ドライバーソフトのサポートとUSB端子数が多いだけとも言えるのだが、との比較と併用は重要だ。
外部拡張機能は一般に汎用で、無理な設計はされていなく、電源供給を含め機能を装置自身でおこない本体に負担をかけにくい設計になっている。

内部機器拡張はスロット数や各拡張スペースやインターフェイスが備わって、可能となるのでその範囲では容易と期待する、だが実際はハードの設計が内部機器拡張をどれだけ考慮されているかが問題になる。
また、拡張機器が純正かそれ以外かも影響する可能性もある、簡単に言えば拡張状態の動作確認の問題だ。
パソコンは、稼働状態は多様で、放熱の多いCPUやメインLSIの稼働と放熱は大きい、同時にそれに伴う電力消費も大きく変わる。
内部機器拡張の電力は、パソコンのハードの電源から供給される=>電源のみ外部から取る場合を内部機器拡張とは呼びにくい。
外部拡張機器との決定的な差は、放熱と電力だと言える。

内部機器拡張と外部拡張機器との差は、放熱と電力だがそれは機器の設計次第では致命的問題となりうる。
たとえそれに問題があっても、問題が表面化する事は色々の悪条件が重なった時だけになり、それは再現性が乏しく、結果的に原因不明の誤動作トラブルに悩まされる事となる。
問題は、電源の容量不足と、放熱能力不足の内部機器の温度上昇だ。
それは、通常は長期使用や使用環境や季節や、機器や部品の稼働率が重なる。
その条件を作って作れない事は無いが、異常の発生はばらつく、そして最大の問題は対策と修理だ。
再現性の少ない異常に対応するメーカーは少ないし、たとえ判っていても再現しないと回答される事となる。

内部機器拡張の結果で動作不良が発生し、メーカーサポートで直らない場合は個人の場合は現実には対応は難しい。
内部機器拡張を元に戻せるならば元に戻して様子を見るか、熱が原因と見れば放熱装置を追加する等の手当てをする、実に不合理で不愉快だがメーカーが放置ならば、出来る事は少ない。
長年のパソコン歴で経験が増えると、内部機器拡張や機器のバラツキに敏感になる、それはメーカーやスペックや価格だけでない次回機種選定に繋げる。
例えば、メモリーカードの枚数増設には慎重になり、購入時に枚数ではない容量でのメモリー増加を選択する。
ハードディスクの大容量よりも、中容量の複数化特に片方の外部化を考える。
完全な最新機種よりも、1-2季前で実績のあるものを選ぶ。
ただしそれも、メイン機器かサブ機器かで変わる。

内部機器拡張でトラブルが起きない為には、それを含めた余裕設計が必要だがそれは普通にコストアップになる。
同時に、購入者・利用者の中で大きな内部機器拡張をする人は多くないという実状もある、この少数の為に余裕設計をするのが日本のメーカー・技術者の思想だったしそれは正しい。
そこに、発展途上国や新規情報産業への参入国が市場参入し、日本でも大メーカー以外の参入が増えた。
知名度が低い、実績がない、技術力は不明、ブランド力がないという、後発参入の戦略はほぼコストダウンに向かう。
そこには、設計余裕をギリギリまでそぎ落とすという技術というか割り切りというか戦略があって、そこに安い人件費が掛け合って実現する。
安い人件費だけでも良いだろうという考えは、同じ戦略同士で敗れる。
設計余裕をギリギリまでそぎ落とした製品の登場は、パソコンの様な多数の部品で構成された商品では必然的な性能のバラツキ内に内部機器拡張時に動作異常を起こすリスクが含まれる事となる。

内部機器拡張は無くなる事は無いがサポート体制が必要で、個人向けには必ずしも向かないが、法人向けには必須の内容だ。
メーカーのサポートや設計や戦略も、それに対応する方向になった。
個人使用では高級機以外は、内部機器拡張機能はあっても使用するのは一部であると割り切れば問題は起きにくい。
単純に買い換えの時代となった、新機種には下取りやリサイクルサービスが付属する事になり、長期間サポートがオプションで増えた、丁度保険の思想に感じる。
一方では、閉じた機器とも言える、スマホやタブレット端末が登場・普及して内部機器拡張の思想が希薄になった、コンパクトで軽量小型には内部機器拡張は限定的にしか合わないのだ。


メーカー提供ソフト

メーカー提供は有償品が当たり前だが、主にハード機器メーカーを指す。
ハード機器は、パソコン本体がメインでバイオスとドライバーだけ提供は減少し、独自のプリインストール・ソフトの付属が普通になった。
ただし、サービス提供と個人情報収集はシームレスに近く、プリインストールで勝手にセットされる事には反対意見もある。
パソコン本体以外の機器に付属のソフトも高い機能と、登録・バージョンアップ機能が付くと同じ事情が生じる。

ハードメーカーの機器の多くは、プリインストールソフトが付属する。
使用自由と試用期間無料と有償使用が混ざる。
実際は大きな記憶容量の場合は、全てプリインストールされていて、後者はマスクされて見えなく使用出来ない設定になっている。
有償使用は、登録する事で使用可能になり同時にネットからアップデートのデータ等が更新されて最新状態で使用可になる。
試用も同様な方式で、期間が過ぎるとアラームが出る、登録しない時に使用不可になるか自動有償になるかは個々に違うので、最初の使用条件・契約を確認する必要がある。
プリインストールソフトの中の本体ハード機器メーカー製作以外をメーカー提供と呼ぶのは正確ではないが、削除にリスクがあり登録・試用・有償購入が行いやすい事を考えれば、利用者はハード機器メーカー提供的な扱いをする。

OSを中心にソフトメーカーはバージョンアップやサポートを表に出して、利用者に登録をさせて囲い込みを図る。 ハードメーカーも建前は同じだが、売りきりで後はソフトメーカー任せ的な所が多い、保証期間は逃げられないがサポートは貧弱な事が多い。
かって、互換機を販売したエプソンは非常に緻密なサポートをした事があるが互換機では互換性のない部分が見つかると致命的なのとオリジナルメーカーとの差別を求めるなら価格かサポートしかない現実があった。
サポート費用は初期販売価格に入っているというまともな考えは、寿命の短く競合が価格争いする情報機器では単なる建前となっているメーカーも多い。
問題があれば登場するのが、苦情引き受けビジネスだ。
一つはハード機器メーカーが診断ソフトを組み込み管理するシステムだ、利用者のトラブルを集め、個々ではなく全体に情報を送ったり対応ソフトを送ったりしてサポートする。ただしこれには、個人情報と言う壁があり別のトラブルの可能性がある。
他には販売会社が独自の中期保証期間サポートをしたり、セットアップ・サービスやその後の独自サービスを有償加算で行う方式だ。

パソコン時代の初期は、日本ではシステムソフトはハードメーカーがソフトメーカーからライセンス購入し、独自仕様を追加して、ハード機器と共に販売していた。
該当品が存在しない場合は独自開発か注文製作となった。
OSが統一されて(日本語版でも)提供される様に変わってから、始めてハードメーカーの提供ソフトは減った。
これ以後は、OSに独自仕様の追加はなく、アプリケーションソフト・ツールとして提供する様になった、OSは専用製作メーカーに任せる形だ。
独自提供ソフトはOSの弱いと感じる部分を補うものや、独自にもシステムを監視・管理するものが多い。
ハード構成に合った独自にバックアップを取ったり、キーボードにその機能を割り当てたりハードメーカーらしさを出そうとする。

サードパーティのハード機器メーカーは、パソコン機器の純正品に対してコストや機能でメリットを持つ必要があるが、まずは互換性が必要だ。
元々純正品がない機器は、互換性問題はないが、インターフェイスとなるドライバーソフトが必要で、通常は同時に提供する。
その場合にサービス・ツールや本格有償ソフトのサンプル版が付属する事もまた多い。
サードパーティのハード機器は、複数のパソコン機種対応の事も普通に多く、切り替えスィッチや導入ソフトがそれぞれ付属している、最近はパソコン以外の用途と共用の場合もあり、マニュアル等が複雑になる。
サードパーティのハード機器でユーザー登録からサポートという事は意外と少ない。

ハード機器・付属ソフト・関連ソフト全般共に製品寿命がある。
具体的には部品の保持や、修理やサポート期間の事だ。
メーカーサポートが切れても自力で対応して修理や改造して動作出来る人は少数だし、その時間は通常ないし、サポート期間中から準備する事は現実的でない。
ハード・ソフトに関わらずに改造すると、自動的にサポート対象外になる事は商品のサポート条件の定番規約だが、結局はサポートとしてのメーカー提供ソフトの比重は大きい。
結局は、メーカーがサポートをコントロールする事になるが、売上げ・シェアというビジネス的な制約から、利用者無視の行動は競合がある時は実際は実施は難しい。

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