項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:53

パームトップパソコン

パームトップパソコンとは、パソコンのサイズ上の分類のひとつであり、ノートパソコンよりも小型化されて、手のひら(palmtop)に乗るサイズになった携帯型のパソコン端末を指す。
パームと言う言葉には、パームトップパソコンの代表的な製品の固有名詞である1992年設立のPalm社とその製品の機器と、それに搭載されたオペレーティングシステムのPalm OSを指す意味もある、Palm社の製品はPDA(携帯情報端末)と呼ぶ事も多い。
PDA(携帯情報端末)としては電子手帳が存在したが、パームトップパソコンでも機能や入出力機器と方法の制約が多いと、パソコンよりもPDAに近い機器として扱われる事もあった。
パームトップパソコンは手のひらにのるほど小型のコンピューターとして、大きさがB6サイズ以下で重さが1キログラム以下のパソコンを指す事が多い、これは多くの電子手帳や電卓類よりは大きいが、小型ノートパソコンよりは小型だった。
1990年代に誕生して流行していったが、PDAや電子手帳には安価品のイメージがあり高級なノートパソコンとは棲み分けた、ノートパソコンの安価品の登場でサイズが小さい機能限定機器のイメージが出来た、その後に携帯電話が高機能化したスマートホンやタッチパネル型のタブレット型端末が登場した事により日本では姿を消した。

パームトップパソコンの機器構成や機能や操作については以下のイメージがある、
体前面の大部分を占める感圧センサーを備えた液晶画面(タッチパネル)
タッチパネルの操作は、専用スタイラスペンか指かキャップをしたボールペン等で行う
タッチパネル画面は、下部のグラフィティ専用領域と、左側の文字入力領域と、右側の数字入力領域に割り当てられる
タッチパネル画面は初期はハード的に割り当てられたが、後にはソフトウェア的に割り当てられた
本体前面最下部にボタン群があり、基本仕様は上下のスクロールボタンと、4アプリケーションボタン(ユーザーが変更可能)
着脱式の入力用スタイラスペンと、それの格納スペース
本体裏面のリセットボタン

この基本構成に個々に追加機能・追加ハードが増えた。
日本製のPDAも同じ構成が多かった、それは通常のパソコンとは異なる、現在のスマホやタブレットでのソフトウエアキーボード入力使用時の、画面構成と類似する。

Palm(パーム)は元々は、ホーキンスによって開発されて1996年から販売されたPDAの名称で、同時に製造・販売する会社Palm社とそのPDAに搭載されるオペレーティングシステムのPalm OSを指した。
それが、Palm OSを搭載したPDA全般を指して呼ぶまでに拡がった、Palm社はオペレーティングシステムのPalm OSを他社にもライセンス供与したので、複数社から互換機が発売された。
Palmが登場した時代では、電卓風なシンプルなハードウェアとアーキテクチャでシンプルなユーザインタフェースとシンプルなソフトウェアを掌サイズのハード機器で駆動するというコンセプトは有効であった、それは支持され成功を収めたが、その後はハードウェアの進化に比べてOSの進化が遅れる事となり、例えば他のOS上にPalm OSのエミュレーターを載せる試みが行われた事もあるが、最終的にはPalm OSは開発を終了した。
掌サイズの機器は、携帯電話とその後のスマホの登場に受け継ぐ形となった。

パームトップパソコンは入出力装置の制限が大きく、用途的には高機能電卓や電子辞書やあるいは計算機能以外を持たせた電子手帳に近づき、それらの類似用途的に用いられることが多かった。
パームトップパソコンと電子手帳は、それに通信機能を搭載して携帯性維持を重視すると次第にPDA(携帯情報端末)と機能が似ていった、パームトップパソコンは一方ではノートパソコンの小型化とも近づいていった。
日本ではPDA(携帯情報端末)の市場と用途は、携帯電話の登場でそれと重なり始め、その後に携帯電話が高機能携帯電話化としてimodeを搭載する事になるとPDA市場は縮小傾向となり、同時にパームトップパソコンの撤退に繋がった。
アメリカではPalmOSを採用した携帯電話が登場してその後のスマホとタブレットへと繋がって行った、日本では海外のパームトップパソコンが撤退した後はスマホとタブレットが普及し、パームトップ系列のスマホが登場した頃はスマホが既に普及を始めていた。

パームトップコンピューターがアメリカでPDA(携帯情報端末)やスマホの形態となって使用されたが子機としての意味があった。
パソコン等の機器の性能が高くなっても記憶容量や入出力装置への要求は何時までも続き、同時にハードウエア機器のモバイル性と用途も求められた。
モバイル用途ではサイズや重量などが優先されてノート型パソコンやスマートホ-ンやタブレット端末等が開発されて来た。
インターネット等のネットワークに接続して使用する機器では、ネットワークを介して接続された資源を使用する事が可能で有りその機能が搭載されている、ネット経由の資源としてはサーバ上のクラウド領域や使用者自身の他のパソコンがある。
単独の利用者が複数のパソコン等からアクセスする場合にメイン機器(親機)とサブまたはモバイル機器(子機)の関係で使用する事もある、子機は例えばクラウド領域を介しての親機との通信を行いデータを共有する。
固定電話の親機と子機の関係もひとつの形であり、パソコンでは子機に機能を持たせる事も多く、パソコンが接続するネットワークに接続可能な機器は子機的な使用方法が可能だ。
Wi-Fi接続のパソコンではルータ等のアクセスポイントと接続しているが、アクセスポイントに無線LAN機能があればそれを親機として、無線LANを搭載したパソコン等を子機として使用可能だ、異なるWi-Fiのアクセスポイントや無線通信で接続して使用する事も可能だ。

子機やモバイル専用機という考え方や使用方法は絶えずある、代表的な1例は入出力機器が判りやすい、人間が操作し易い入力装置や見やすい出力装置はある程度は大型だ、それは持ち運びに適さないので2タイプの機器の共存が予想される。
デスクトップパソコンに対してノートパソコンが登場した、その後にノートパソコンの普及が進むと、小型ノートパソコンやハンドヘルドパソコンが登場した、パームトップパソコンと機能を増やしたPDAもその子機的な用途でも使用された。
スマートホーンとタブレット端末が登場した後は、それを単独で使用する人が増えた事で急激に普及した、パソコンを使用する人でスマホとタブレットをパソコンの子機的に使用する人もいた、アメリカでパームトップパソコンがスマホに機能を組込まれた事もこの流れと思われる。
腕時計タイプのスマートウォッチや眼鏡タイプの情報機器が作られているが、多くはスマホとの併用が行われていてスマホの子機と言える。
最初はスマホは片手操作やポケットに入れやすい形状とされたが、次第に画面の大型化に変わってきた、タブレットはミニタイプが登場したが最近は画面の大型化で2ウエイパソコンやノートパソコンに近づいている。
そこではスマホの子機が登場してきた、大型化するスマホのモバイル性を子機でカバーしいうとする考えだ、スマートウォッチとの比較もあり今後は流動的な変化が予想される。


SSD

SSDとは Solid State Drive の略語であり、固形状態のドライブという意味になり、それの登場以前から使用されている磁気ディスクの内蔵型のHDDと比較すると、記憶装置の記憶媒体が半導体メモリだと言うことが特徴だ。
半導体メモリはパソコンの演算用の記録媒体として初期から使用されて来たが、電気の供給を止めても記録が消失しない不揮発性メモリが開発された事で、一部のBIOS等の記録用に使用されていた。
不揮発性半導体メモリの利点は多数あるが、コストが高いという制約とアクセス寿命の制限が大きく、容量の小さな用途に限って使用されていた、例えばデジタルカメラやICレコーダーや携帯機器のフラッシュメモリだった。
半導体フラッシュメモリはパソコン等の外部インターフェースのUSBに接続可能な記憶機器のUSBメモリとして、パソコン等の外部記憶用途にも次第に拡がった。
いつも比較されるHDD(ハードディスク)は円盤状のディスクに磁性体を塗布して回転して記録して行く装置であり、メカニズムと記憶密度の改良が急激に進み単位記録容量当たりのコストが小さい特徴がある。
半導体フラッシュメモリが単位記録容量当たりのコストでHDDを追い越す事は難しいが、現在では実用的な容量とコストには達して、高容量用途が広がって来た。

HDD(ハードディスク)がデスクトップパソコンに標準搭載され始めると急激に普及して同時に開発競争が行われた、その結果は記憶容量の急速な増加となり、ディスクサイズの小型化と軽量化と、それに伴うアクセス速度の向上が行われ、トータルコストの急激な低下をもたらした。
パソコンのCPUが使用する半導体メモリーも同様に急激な技術開発で、小型高容量化が行われた、その課題としてはコストの低減と、ダイナミック方式の電源がオン状態のみでの記憶保持の必要性への対策があった。
その結果は、パソコンではHDD記憶容量と半導体メモリー記憶容量の双方が併行して同時に増加してコストダウンして行った。
パソコンでバッテリー駆動のノートタイプが登場してモバイル用途が生まれると、HDDの小型軽量化と対衝撃性と、半導体メモリーのより集積化と電源オフ時の記憶保持は、共に大きな課題となった。
電源オフ時でも記憶保持が可能なタイプの半導体メモリーは、登場初期から既に不揮発性半導体メモリーとして登場していたがそれは少数回数の書き込みのみ可能だった、それが実用レベルの回数の書き換えが可能な性能を持つ様になりランダムアクセス性が確保されて、HDD用途にもダイナミック方式の半導体メモリー用途とも代替可能になっていった。

パソコン用では演算領域としてのダイナミックタイプの半導体メモリーと主記憶装置としてのハードディスク(HDD)の使用は開発当時は一般的だったが、他の用途の着脱して保管・移動するタイプのメモリーでは、FDとCD-ROMと各種の光ディスクとDVD-ROM等が順次使用されたが、その用途では半導体メモリーはUSBメモリーとして早期に普及した。
記憶容量がパソコン用途より少なくても可能で、コストよりも不揮発性と軽量性と小型性と耐衝撃性が優先される用途ではUSBメモリーあるいはそれに類似した半導体メモリーが、例えばSDメモリーとして各種の携帯電子機器で使用された。
例えばICレコーダーであり携帯用の音楽プレーヤーであり携帯電話等であった、これらの機器が扱う情報量が増加するとより多くの記憶容量が必要とされ、バックアップの必要性も生じた、バックアップ機器としてはパソコンのHDDがあるが、インターネットとサーバと常時接続の普及でネット空間(クラウド)に保管する事が行われた。
HDDの一部を置き換えた用途をHDDに対してSSDと呼ぶ、HDDを使用せずにクラウドのみを使用する高性能情報機器としてスマートホンとタブレット端末が開発された、見かけは演算領域のみの構成だが、パソコンへも影響を与えた。

インターネットにウエブサイトを構築するスペースとしてのサービスに共用サーバーがありアクセス数の限られた個人用として利用されている、そこでは1台のサーバーの記憶領域(通常はHDD)とOS等を、複数の利用者に分割している。
共用サーバーでは個々の利用者はハード的にもソフト的にも設定や性能を変えられないので、アクセス数が多く変動も多いウエブサイトを構築するには、サーバー1台をまるごと利用する専用サーバを利用する事になるが、その費用は高価になる。
VPS(Virtual Private Server)は「仮想専用サーバー」と呼ばれ、1台のサーバを複数のユーザーで共有する事は共用サーバーと同じだが、VPSでは仮想的に専用サーバーと同様の自由度・性能を利用できる設定がある。
VPSではホストOSの上に利用者ごとに、そのゲストOSが用意されるので設計上はゲストOS同士は干渉しなく他のユーザーの利用の影響は軽減されるし、メモリやCPUもゲストOS用の性能が確保される、共用サーバーより負荷のかかる用途に適し自由にソフトウェアも使える。
VPSでは主なメモリー構成はHDDであるが、そこでもSSDの使用と併用が行われて来ている、データ格納する共用サーバー用途と、速度を向上させたソフトウェアとの使い分けが1方法だ、容量と費用が許せばSSDの比重が高くなって行く事が予想される、サービスの仕様として「SSD/HDD」並んで表記される事が多く見られる。

小型軽量のモバイル機器では半導体メモリーが使用されていたが、その記憶容量が大きくなった事とコストが安価になった事で、高性能な情報機器のスマートホンへと繋がった。
SSDはSolid State Driveの言葉からは、スマホのオール半導体メモリーではHDDの代替の意味は弱いが、パソコンでの記憶用のHDD+作業用の半導体メモリー構成の全てを、半導体メモリーで効率良く使用すると言える。
パソコンでは作業用の半導体メモリーの領域やそこの管理はOSが行い利用者は意識しない・意識させない、それに反してHDDへの記憶は指定しない時のデフォルトの設定は存在するが、実用的には利用者がアクセス領域を管理して指定する、具体的にはドライブ名であり、ドライブ上のフォルダ名でありファイル名だ。
利用者がアクセス領域とフォルダ名とファイル名を管理するには、ハード的なドライブやOSの理解が必要だ、これがパソコンの利用者の壁ともなっていた、利用者にメモリーと記憶領域の管理を要求しないスマホとタブレットではディスクドライブという増設単位を無くし全てをOSに管理させて利用者の壁を低くした、ただし増設性は減っている、従ってドライブではなくSSDとは正確には異なる。

ハードディスクドライブは日常の記憶エリアとファイル名管理以外に、購入した最初に初期設定としてディスク・フォーマットが必要だ、これもパソコンの使用上の拡張性の1つだが同時に壁になっていた。
スマホとタブレットが登場してオール半導体メモリであり全てOSが管理する方法をとった事でパソコンを使用していないユーザーにも広く普及した。
従ってスマホとタブレットと、ノートタイプパソコンは機能や用途的に棲み分けていると考えられる、需要の伸びが少ないパソコンでは新機種としてタブレットとパソコンの2形態で使用出来る2ウエイパソコンを作り、両方のいいとこ取りだと広告している。
2ウエイパソコンではHDDではなくSSDを搭載し、キーボード部を取り外せる合体タイプと、一体形で2形態になる変形タイプが作られている。
CPUの能力が高いものは冷却が必要でありそれは薄型のディスプレイ部に載せにくいので変形タイプになる、その為にタブレットとしての軽量性を重視すると合体タイプが有利になる、ただし双方のタイプ共にSSD使用が主体だ。
2ウエイパソコンのメリットは2形態の中間的になり、大きな置き換え機種にはなり難く普及は限定的だった、そこにタッチペンタイプのタブレットが登場してノートパソコンに近いタブレット用途を目指すタイプとなりそれはSSDの構成を取らない半導体メモリー搭載機器となっている。

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