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4Gフィーチャーホン

3Gフィーチャーホン(ガラケー)のサービス終了で機器切り替えが必要になり、その過程でスマートホンへの切り替えが提案されて来てその比較とメリットが示されて来た。
そこに4Gフィーチャーホン(ガラホ)が選択肢として登場した、最近ではガラホの略称はあまり使わられず、「二つ折り携帯電話」の呼び方がある。
ガラケーには、音声通話用途と、それにインターネット接続機能(iモード等)を加えた高機能タイプがあった。
実はそれに加えて、以前から標準よりは使用方法や操作方法を単純化したタイプが使われて来た、画面に3ボタンが表示されて3電話番号のみが特別に簡単に使える機種で「シンプルタイプ」と呼ばれた、一般のガラケーでも操作が苦手な人(例えば高齢者向け)向けに使用されていた。
事業者(キャリア)がガラケーからの乗り換えを提案する時には、シンプルタイプの人にはスマホは可能性が低く一般のガラホでも難しい、故に現実的にはガラホでしかも使用方法がシンプルタイプが有望だ。
一般的なガラホでもシンプルタイプを含む設計がされて、利用者が選ぶ方式もある、通常使用の人は3ボタンは電話番号以外の用途(アプリ、機能)のボタンとして設定が可能だ。

スマホ移行を望まない人には、価格面の理由があるがそれには、格安スマホの選択肢がある。
ただし、使用頻度が低い人、スマホの機能を使わない人には、いずれも基本料金と機器費用を払う意味では格安スマホの選択も弱い。

従来型の3Gフィーチャーホン(ガラケー)と、4Gフィーチャーホン(ガラホ)の大きな違いはOSだ、ガラホにはスマートホンと同じOS(具体的にはアンドロイドが中心)が搭載されるので、外観はガラケーでも機能面ではスマホに似る。
インターネットへの接続方式は、ガラケーでは携帯電話キャリア毎に独自の回線網とサービスを経由していた、だがガラホではスマホと同じ形式でネットに接続される、従ってスマホと同じウエブサイトを閲覧できる。
アプリに関してもスマホと同じアプリが使える事もある(タッチパネル方式のスマホに対して、ボタンキー方式のガラホではその制約はある)、それ故に使用したいアプリとその機能がガラホで使用可能な場合もある、その場合はガラホでも急いでスマホへ変更しなくても使い続けられる事もある。
可能性のある例としては、LINEのアプリがあり、Wi-Fiやテザリングができるガラホ機種もある。

音声通信に限っては、あるいは簡単なアプリの利用に限っては、4Gフィーチャーホン(ガラホ)は非常に使い勝手が良い端末だ。
3Gフィーチャーホン(ガラケー)の新機種が発売されない現在の状況では、ガラホのデメリットが語られる時は、スマートホンと比較した内容となる。

ガラホのデメリットには、スマホと比較した場合には以下がある。
・例えばGoogle Playが使えないので、全部のアプリを使用できない。
・PCメール(パソコンメール)やGmailアプリが出来ない場合は、ビジネス用途などでは使い勝手が悪い事がある。
・ガラホはボタンでの操作となり、タッチパネルには対応していない。
・スマホとOSは同じだが、対応していない機能は多い。

ガラケーと比較した場合のデメリットには以下がある。
・インターネットはキャリア毎の独自サービスから、共通のインターネットへの接続になった、それはメリットは多いが操作性を含めた変更が生じた。
・バッテリーの消費が早くなり、ガラケーとスマホの中間程度になる。
・使用内容によれば料金が高くなるケースもある。

3Gフィーチャーホン(ガラケー)から4Gフィーチャーホン(ガラホ)への切り替えに関して述べて来たが、スマートホンでも一部の旧機種は3Gの停波とサービス終了で使用できなくなる。
ここでは2022年に終了するauを例に上記の例を列記する。

auが最初の「Androidスマホ」を発売した2010年には、世界中のモバイル回線の主流は3Gで4G回線は登場していなかった、故にauが4G回線を運用した2012年までのスマホは3Gのみの対応でこれは3Gの停波で使用不能になる。
ただし一般的なユーザーは、ほぼ4G対応のスマホに乗り換えている。
auの「iPhone5シリーズ」は4G対応スマホだが、音声通話が3Gにしか対応していなかった。
auは4G回線運用開始後には音声通話は4G回線の「au VoLTE」で運用しているのだが、これ以前の非対応のスマホやガラケーが使用不能になると発表されている。
「iPhone5シリーズ」はすでに最新iOSに非対応(iOS10まで)の機種で、稼働数はわずかと思えるので、一般ユーザーには大きな影響はないだろう。

3Gフィーチャーホン(ガラケー)から4Gフィーチャーホン(ガラホ)あるいはスマートホンへの切り替え時には、使用しているデータ(例えば電話番号帳・カメラ機能で撮影した画像等)の移行の可否も考慮したい。
切り替えの前には、旧機種になるガラケーのバックアップを取っておく必要がある、そもそも定期的にバックアップを取る習慣事態が望ましい。
データのバックアップには、microSDカードへ保存する方法と、キャリアの通信サービスを利用する方法の二通りがある。

・microSDカードを利用したバックアップ
 ガラケーにmicroSDカードを挿入してそこにデータを保存する方法だ。
 カメラ機能での撮影写真を、パソコンに移動させて保存したり加工したり利 用する手段としても使用される方法だ。
 切り替え時にも、ガラケーでデータ保存したmicroSDカードを抜いて、その後に新しいガラホ・スマホにカードを挿入して、今までのデータを新しい端末へ移行できる、移行マニュアル等に方法は記載されており注意点も書かれている。
・携帯電話キャリアの通信サービスを利用したバックアップ
 音声通話以外にデータ通信サービスを利用している場合は、同じキャリアでガラケーからガラホ・スマホに機種変更をする場合には、キャリアが提供するバックアップデータ移行用のサービスが利用できる。
 手順は各キャリアで異なり、詳しいバックアップ方法はマニュアルかWEBサイトでの確認が必要だ。

メーカーがスマートホンへの乗り換えをアピールする理由には、スマホのほうが利益に繋がるという事情がある、だが3Gフィーチャーホン(ガラケー)のユーザーも無視は出来ないので、4Gフィーチャーホン(ガラホ)を4G回線で稼働させてサポートして、ガラケーからガラホへの乗り換えも行っている。
現在3キャリアで販売しているフィーチャーホンは、ガラケーではなくガラホであり、すべて4G回線に対応している。
それ故に新規販売機種は、2022年から始まる各キャリアの3G回線停波には影響を受けなく、機器が破損しなければ回線サービス的には4Gが稼働している期間は長く使用可能と予想される。

スマホとガラホのデメリット比較と選定の目安
・操作性の問題>ガラホ
・使えない機能は不要の問題>ガラホ
・費用の問題>ガラホ
・情報サービス用途の問題>スマホ
・バッテリ充電頻度と時間の問題>ガラホ
・2台持ちの問題>ガラホ・スマホ
・PC・タブレットとの共用問題>?
・通信サービス終了の問題>ガラホ・スマホ


タッチペン

コンピュータへの入力装置としてのポインティングデバイスの歴史は古く、種類も多い。
パソコン用としては初期段階でもOSが標準サポートした事もありマウスが一般的に使用開始されて、それは現在でも主流となっている。
ノートパソコン等のモバイルタイプのパソコンでは、本体と一体となった入力装置としてのタッチパッドやトグルが多く採用された、ユーザーは卓上の使用ではマウスを追加接続して使用する選択も行われて来た。
並行しては、小型のモバイル情報端末に於いては小型のタッチパネルにタッチペンで入力する方式も使われた。
さらには、スマートホンとタブレット端末が登場したが、そこではタッチパネルに指でタッチ入力する方法が取られており、それが急速に普及してきた、スマホ等では当初からも接触面積が広い指の代用にペンでタッチする方法も一部であった。
最近は、これに加えてタッチペンに多機能と高性能を持たせたタイプが登場しており、それが標準の入力方法として加わって来た。
これらが入力方式としてのタッチペンの現状だ。

初期のコンピュータの入力用のポインティングデバイスには、キャドで図面から情報を読み取る目的の装置があったが、それは高精度が必要であった。
コンピュータでディスプレイ画面とキーボードの組み合わせが標準となったが、そこでは図面以外の情報入力デバイスも登場した、その中にはペンタイプもあった。
パソコンが登場してそれを中心にスクリーンエディタや表計算ソフト等が登場した後には、画面の位置ポインタ(カーソル)を制御する機器としてのポインティングが必要となった。
ディスクトップタイプパソコンではマウス・トラックボールが中心だったが、ノートタイプパソコンの登場により、本体一体型のタッチパッドやトグルが上記に加わった。
本体と分離して使用するタイプのポインティング機器では、電力を必要としないタイプと給電が必要なタイプがあり、後者では有線のケーブルが接続されていた。
近距離無線通信がパソコンでも一般使用され始めた事で、無線通信・給電タイプのポインティング機器が使用され始めた。
ディスプレイ画面にタッチパネルが使用され始めたが、その方式に感圧タイプと静電タイプがあり、後者の代表としてスマートホンとタブレット端末があったがそこでは指タッチ方式が使われた。
スマホ等では初期にも指の代わりにペンを使用する方法もあった、その後に特に能力が向上したタブレットでは精度向上の為にタッチペンを多用するタイプも登場した。

ポインティングデバイスの歴史から、タッチペンに関する歴史を抜き出す。
コンピュータキャド(図面作成・補助)における、工業用デジタイザは一般には十字目盛りが付いたツールを使用するが、その理由は静止動作が通常は必要な事がある。
コンピュータでディスプレイ画面とキーボードの組み合わせが普及したが、卓上タイプのメニューを使用する方法としてタッチペン入力が使用された、それは有線の電磁方式の精度が高いものだった。
キャドは高精度製図用だが、イラスト等の手書き入力がパソコンで使用されると、それにはペンとタブレットとでの入力方法も使用された、理由は必ずしも高い精度ではなく、マウス入力と類似した簡易タイプの安価な入力方法で可能だったからだ、そのペンは感圧方式で電気的には繋がっていない。
公共の場所では、画面のタッチパネル型入力が使われたが、そこでは大型のメニュー画面での指タッチ方式が使用された、ペンより簡易でかつ紛失しない理由がある。
ただしメニュー画面が小さくなる場合には指タッチでは精度が悪くなるので、ペン入力方法が採用された、それは小型の情報端末であった。

モバイル性を追及した結果生まれた小型情報端末では、メニュー画面が小さくなるので指タッチでは精度が悪い為にペン入力方法が採用された。
その時代ではまだディスプレイの解像度と表示密度は向上段階であり、搭載メモリー容量は多くはなく、通信機能も弱くソフト面での制約も多かった、それらから指タッチ動作での精度は難しかった事が理由だ。
ディスプレイとしては感圧スイッチ機能のある、柔軟性のあるフィルムタイプが使用されていたので押す側には画面を傷つけない物が要求され、先端が尖っておらず画面を痛めない形状のペンが使用された。
それは指よりもタッチ面積が小さく、非電気(非電磁容量)タイプのペンで柔らかい感圧画面タイプだった。
その後にスマートホンが登場したが、標準入力方法は指でのタッチパネル入力だった、高精度のガラス面のディスプレイを使用して、指の導電性を使った電気(静電)容量を利用した方式だった。
タッチ動作としてはソフト的に多彩な機能を持たせていて、1点で単純に押す動作以外に、指の多彩な動きを識別し、さらには複数の指の動きも識別した。
スマホの登場は、そのモバイル性との相性の良さと、携帯電話との相性良さが生かされていたが、加えて音声入力との相性もあった、その中のモバイル性は指タッチの影響が大きい。
スマホ用にタッチペンを使用する場合は、感圧ではなく電気的な方式が必要だった。

スマートホンで標準として指タッチ方式のタッチパネルが採用された事には、小型軽量でのモバイル性の重視があり、表示画面を入力機器に使用して余分な外部機器を使用しない事があり、そのメリットは複数ある。
あくまでも標準入力方式であり、当初からオプションとしての外部接続キーボードやタッチペンの使用も考えられていた。
従来の情報端末では必要だった接触面積の小さいタッチペンに代わり、スマホでは指タッチを採用できた理由には、ハード機器とソフト面での技術向上とインターネット通信環境の向上がある。
ハード面での表示パネルの高解像化があり、高速だがきめ細かい表示の切り替えと拡大・縮小が可能になった、それを利用してのソフトウエアキーボード方式での多様な入力方式への切り替え対応がある、さらには多目的で使用するタッチボタンを導入した(機器で異なる)。
さらには指タッチでのタッチパネルにタッチパッドとしての、多彩な指ジャスチャーに対応させた、1本指・2本指・3本指等多本数タッチ動作が可能で、タッチ・長押し・スワップ・ドロー・その他の動作に対応した。
入力方式には音声入力を標準サポートしており、その技術革新は早く現在ではその能力は急速に向上している。

タッチパネル+指タッチには、特別な入力ハード機器が不要というメリットがあり、それはモバイル性が高い利点にも繋がる。
一方ではデメリットとして、タッチ面積が広い問題や、指や指紋で画面を汚れさせる問題や、手の他の部分でも画面に触れてしまう問題もある、スマートホンの指タッチ方式のパネルではガラス面に対する静電方式が使用された、それはタッチ位置の精度が高い特徴があった。
静電方式でより位置精度を高める目的や、汚染対策等から、タッチペンの使用もオプションとして考えられた、それは給電が必要であり有線での接続か電池・バッテリでの給電が必要になる。
スマホの登場後に、タブレット端末も登場した、さらにはタブレット端末とノートパソコンとの二つの方法での使用可能な2ウエィパソコンが登場した、この二つの機器はスマホとノートパソコンの中間的な位置ずけだった。
タブレット端末は独自の発展を進めたが、高性能化によってノートパソコンの用途をカバーする機能を持ち始めた、そこでは操作性と機能上の理由で高機能のタッチペン使用が導入された。

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社

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