項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:28
モバイルPC
ノートパソコンが、モバイルと呼ばれていましたが現実は省スペース対応面が主体でした。
モバイル使用の人は、少数派でした。
その原因は、重量・バッテリー時間・無線インターネット通信費等です。
携帯電話インターネットの登場は、これらを大きく変えましたが、パソコンイ
ンターネットのウエブサイトへのアクセス性を持つフルブラウザ対応の登場で微妙な状況です。
ノートパソコンからモバイルへの対応として、ネットブックが登場しました。
携帯電話からモバイルへの対応として、スマートフォン等が登場しました。
今、モバイル機器・PCとは?何という動きの最中と言えます。
移動使用機器にも、実際に移動中に使用する機器と、機器は移動するが使用す
る時は、静置して使用する物があります。
前者は、無線通信それも機器自体がその機能を持つ事が前提です。そして、軽
量やバッテリー等全てがハンドリングに対応できる事が前提です。
容易にできるか?無理すれば可能かは、普及度に影響します。この代表は、携
帯電話でありそこから派生したものに同じ方向性があります。
後者は、ノートパソコンとして存在して来ましたが明らかに容易に持ち運べるとは言えません。
もっと軽い機器で、操作・動作共に容易に使用される方向へと向かう機器があ
ります。そして、どれだけの機能が必要かが焦点になっています。
ネットブック・ipad等が対象です。
モバイルPCを語る時に、登場するのがクラウドコンピューティングです。
ネット上にソフト類を置いて、ローカルの機器からアクセスする事で利用します。
現在のパソコンは、ローカルに多くの容量のソフトを積んで実行しています。
この方式では、ローカルに当たる機器にもかなりの記憶容量が必要です。
モバイルPCの軽量化・長時間充電動作には、HDD等の機器の搭載を制限する必要があります。
そのひとつが、ネットブックであり、よりコンパクト化がipad方式です。
これらはローカルは小さなソフトで動作します。
同時に、軽量化・長時間充電動作に向かっています。
端末としての機能で良いのか?、パソコンとしての機能も欲しいか?まだ、こ
れから課題と提案が続々登場するでしょう。
モバイルPCでは、記憶容量の問題とウイルス等の対策の問題と動作の安定等か
ら、動作環境の制限があります。
パソコンでは、多数の言語・システムが開発されて動作します。
これは、多数の記憶容量の消費・動的ウイルスの感染と改竄・システムの不統
一による動作の不安定を招きます。
このため、モバイルPCでは上記に制限を行っています。
具体的には、動作システムで異なります。
パソコンウィルス被害を見るにつれ、機能制限の強度については、双方(賛否)の意見があります。
動作システムが異なると色々な事の制限が変わるといえます。
機能の制限は、開発環境の制限に繋がる事もあり、それは認可制にもなります。
これも賛否があります。
現在の具体的対象は、アップル向けアプリと、グーグルのアンドロイド向けでしょう。
認可制のアップルに対して、よりオープンのアンドロイドを押す声もあります
し、採用する機器も増えつつあります。
ただし、より自由な開発環境が、多くのアプリの登場と破壊的アプリの開発を
止められるかは予測は難しいでしょう。
自由は、可能性とリスクを合わせて持つ傾向があります。
中途半端と見られたネットブックですが、後発のモバイル系が独自のOSや方式
を持った事で、馴染みの薄かったクラウド方式が普通になりつつあります。
クラウド方式のネットブックならば、独自の設計をする余地があります。
新しいというよりも、元々の思想とも言えるネットブックが登場するでしょう。
事実、新発表のノートパソコンの一部に、新モバイルPCかと思わせる設計も見られます。
限られた機器にどのような独自の機能を持たすかが課題であり、従来の部分集
合的なPCでは主流にはならないと思えます。
マルチコア
パソコンのLSIの集積度は、ムーアの法則に従って細密になって来ました。
しかし、分子の世界に近づくと物理的・量子論的な限界があります。
そこでムーアの法則は飽和してゆきます。
パソコンの頭脳であるCPUは、一番集積度が高い半導体チップですが、それが
飽和すると、機能自体も飽和してゆきます。
そこで、現在盛んに広がっているのが、マルチコアCPUです。
1台が飽和すれば、台数を増やすという考え方です。
ノイマン式のパソコンでは、頭脳に当たるCPUは1つです。
複数のCPUを動作させるには、それらを管理するものが必要です。
結局は、上位で管理するCPUは1つになります。
そして、管理にはソフトウエアが必要です。
マルチCPUは、管理CPUと管理ソフトの問題に収斂されます。
それならば、はじめからCPUチップの中に上記機能を組み込む発想が、生まれます。
それが、マルチコアです。
CPUチップは、能力が高くなり、それの利用者はマルチコアを意識せずに使用出来ます。
マルチコアは、チップレベルの多CPU化とも言えるでしょう。
ただ一番違うのは、マルチコアの管理ソフトもCPUに含まれるので、遅くも早
くもCPU能力に含まれる事です。
通常は、コアの数に能力が比例する事はありません。
如何に、個々が管理プログラムに効率よく仕事を割り当てられるかによります。
コア数は多ければ良いかは、管理技術によるでしょう。
ハードに費用をかけても、ソフト的に利用しきれなければ、意味はありません。
目標の稼働効率を設定して、それを越える場合にコア数を増やすのが意味が大きいと思います。
半導体の集積度の限界を、マルチコアでカバーしてCPUの能力を上げているか
に見えますが、技術内容が変化していますから試行錯誤段階とも言えます。
とりあえずは、マルチコア数を増やす事で能力アップをアピールしている様に思えます。
ソフトウエア技術の延長では、次第に効果が少なくなってきそうに思えます。
何か、この状態を打開する新しい方法が必要になって来ていると思います。
従来と異なる企業の組み合わせでの統合や合併や買収が増えていますが、試行
錯誤に必要なのでしょう。
OSレベル以上のソフトウエアの度々のバージョンアップや細部のバッチプログ
ラム配布を見ると、ソフトウエアは絶えず改良が出て来る事が判ります。
CPU等のROMのマイクロプログラムもたぶん同様と思われます。
ただ、更新したくとも出来ない状況です。
そこに何かアイデアがないかという段階でしょう。
CPUとその周りも複数のチップセットで構成されるようになってから、既に長いです。
これは、組み合わせの個々の部品のバージョンアップ問題対応と、開発のリスク分散が目的と思います。
集積度が高くなるほど、チップ内の速度はあがりますが、設計・製造の難易度は上がります。
どこかで、コストと機能の折り合いが必要です。
マルチコアの可能性が限界に達する頃には、ソフト的にも限界状態でしょう。
コンピュータ自体の方式に眼が向けられるか、自由度が高い設計ルールの提案
があるかどちらかでしょう。
フラッシュメモリー
ROM(リード・オンリー・メモリー)が最初です。読むだけです。
次が、RAM(ランダム・アクセス・メモリー)で、読み書き可能で電源オフで
記録が失われるタイプを当時は指しました。
そして、PROM(プログラム・ROM)が登場しました。色々なタイプが登場しま
した。一番多いのは、「1回のみ書き込み可能」タイプです。
複数回書きこむには、記憶を消去する必要があるものが多いです。
紫外線消去や、高い電圧での消去タイプが多いでした。
最初は書き換え回数が少ないでしたが、技術改良で次第に多い回数になりました。
電圧での消去タイプが、進歩してフラッシュメモリーと呼ばれるタイプが登場します。
昔は書き変え可能ROMとか、メインROMのバージョンアップ用の素子でした。
とても、実用的な他数回の書き換え可能素子ではなかったです。
ただ、電源がなくても消えないメモリーは絶えず需要は、ありました。
低電力でバッテリーバックアップするシステムもありました。
次に、頻繁には書き換えないという用途のメモリーが登場しました。
この時点から、通常のメイン記憶として使用出来て、電源オフでも消えないと
いうフラッシュメモリーが静かに生産されはじめました。
静かにというのは、寿命の制約とコストが高いという制約が、用途を制限していたからです。
初期のフラッシュメモリーは製造が難しく、使用量が少なく、コストが高い部品でした。
いわゆるニッチ製品ですし、特化した少数メーカーが対応していました。
所が、用途が広がりニッチからメイン部品に変わって来ました。
需要側には、コストダウンは有り難いですが、生産側は急に競争が激しくなり
値崩れ傾向に動いています。
しばらくは、モバイルパソコンはフラッシュメモリーと内蔵HDDタイプが主流
で、外付けHDDタイプ・フラッシュメモリー単独タイプが混在して登場するのでは無いかと予想します。
フラッシュメモリー単独タイプとは、ipadタイプです。
値崩れしたHDDと値崩れ中のフラッシュメモリーとは、やや決着は時間が必要です。
フラッシュメモリーは、パソコン本体以外の方が明確に使用用途があります。
USBメモリー・ボイスメモ・携帯電話・情報端末・デジタル家電等です。
従って、パソコンの使用量の行く末にかかわらず、用途はあり拡大しています。
その状況で、コストダウンが始まった事は用途拡大を加速するでしょう。
製造・供給者には、メモリーの種類の比率がどのように変わってゆき、どこが
市場シェアを広げてゆくかは大きな影響があります。
フラッシュメモリーの寿命問題は、まだ大きく残っています。
用途的に記憶保存部としては一応のレベルでしょうが、データベース等の様に
繰り返し読み書きする用途は向きません。
通常の使用では、どちらかに分かれてしまう事が多いです。
これは寿命に悪いので、全てのフラッシュメモリーを均等に読み書きするよう
に制御する方法が主流の方向です。
一部のみが、寿命でシステム全体が動作しない事を避ける方法です。
また、フラッシュメモリーの書き込み記憶自体も寿命があります。
そして、それは磁気記憶よりも短いとされています。