項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:49

キーボード

日本語の特性からそれはキーボードとは馴染まなく文化的に離れていた、欧米で大型コンピュータと類似のキーボード形状・配列を備えたパーソナルコンピュータが登場して、それが日本にも持ち込まれた。
キーボードとしてはアルファベットと数字と記号を全て扱うフルキーボードと、数字入力に限られた数字キーボードが導入された。
コンピュータ用のキーボードとしては、フルキーボードだけの小型のものと、フルキーボードに数字キーボードを並べて設置した大型のものが併行して導入された、後者は数字入力は2種類のキーに割り当てられている。
初期のコンピュータは、コンピュータが扱う2進数の表現である16進数を扱うために10進キーボードを16進キーボードとして使用した、16進数はその後もプログラム的には使用されたが、パーソナルコンピュータとしては姿を消して行った。

日本語を如何に扱うかは、パソコンソフト開発と、機器を含めた日本語ワードプロセッサーの開発とで進んだ。
現在の主流の漢字入力方法は「日本語かなキーボード」からのカナ漢字変換と、「英字キーボード」からのローマ字>カナ>漢字変換と、手書き文字入力とを合わせ持ったカナ漢字変換方式になっている。
これは「英字キーボード」「日本語かなキーボード」「ポインタ入力」と日本語変換ソフトからなる、「日本語かなキーボード」は「英字キーボード」に追加でカナを振り当てたものであり双方の入力に対応する。
それは標準パソコンのキーボードであり、パソコンが日本語変換ソフトを搭載すれば日本語が入力可能となる事を示す、同時に入力機器のキーボードについてはそのパソコン本体への信号が同一ならばキー配列は問わない事も意味する。
その具体例として、親指変換キーボードが長くある程度の利用者を集めている事、また例えば「トロン・コンピュータ」開発では特殊なキー配列が人間工学的に最適だと提唱されたが販売されたトロンOSソフトでは通常のパソコンとキーボードで使用可能だった事がある、キーボードはその性格から互換性は確保は可能だ。

コンピュータ由来のパソコン用のキーボードはその後も大きな位置を占めている、それはタッチタイピングと言う操作方法の継続に関わる事と、欧米発祥のパソコン用OSに由来する事が理由だと考えられる。
携帯電話とそのiモード用のキーボードでは、どちらもその制約とはならなかった、それ故にパソコン用の数字キーボードとは異なる、固定電話機から由来する数字配列のキーボードが使用された、そこに仮名文字と記号が割り当てられた。
その従来型携帯電話のキーボードで日本語入力するには、多くのシフト動作を含む変則入力となり(パソコン用のキーボードとの比較)片手操作か両手操作かも課題となる、それはパソコン用とは異なるキーボード文化と言えた。
それはスマホの登場でまた変わる事となった。

日本でのスマホの普及はアップル社のiPhoneとその後のAndoroid OS搭載機器からで、そのキーボードは、1:ソフトウェアキーボード、2:フルキーボード配列、3:指タッチ操作 と言う特徴がある。
それはパソコンと従来型携帯電話から比較すると大きな変化だった。
だしその後のスマホの急激な普及と若年層中心のパソコン離れを見ると、パソコンと従来型携帯電話を使用する人がスマホを使用する事もあるが、スマホが最初に使用する通信情報機器である場合が増えた、新しいキーボード文化が生まれたと言える。
ソフトウェアキーボードは、ディスプレイにキーボードを表示してそれをポイントデバイスで操作する入力方法だ。
通常のキーボードでは1つのキーに複数の文字を割り当てて「シフトキー」「コントロールキー」「エスケープキー」等を組み合わせて切り替えて選ぶが、ソフトウェアキーボードでは文字種別に表示キーセットを切り替えて使用する。
スマホでは、その表示キーセットは「英字のフルキーボード配列」を基本として「日本語ローマ字」「日本語かな」等が設けられている。

ソフトウェアキーボードの使用例として例えば、マウス等のポイントデバイスの操作で文字・記号入力する用途がある、ポイントデバイスはディスプレイに表示したキーボードを操作するがその用途では一度に1点のみをポイントする。
スマホでは例えば指タッチ方式で使用されたソフトウェアキーボードでは複数点タッチは可能であり条件は変わるが、多くは似た操作方法だ。
ソフトウェアキーボードはキー配置を自由に変える事が可能な事が特徴だ、それ故に入力情報のセキュリティ確保目的の用途でも使用される、第三者が入力信号や入力履歴を盗聴したり侵入した場合でも、毎回キー配置を変えるソフトウェアキーボード方式では入力文字情報を盗む事は難しい。
ソフトウェアキーボードは表示ディスプレイを必要な時のみに使用するので専用のハードが不要になる、それは特にモバイル用途に有利だ。
ソフトウェアキーボード用のディスプレイをパソコンに付属させて、それを入力時以外ではダブル・ディスプレイとして使用するアイデアもある。

ソフトウェアキーボードの使用例としてセキュリティ確保用途は現在注目されている、多数のブラウザでは入力内容の記憶機能がある、それは便利であり多用する事が多い、一方ではパスワード認証方式のセキュリティサイトは多くそれの漏洩対策が必要とされている。
そこでは毎回に、1対1の対応文字が変わるソフトウェアキーボードが使用される、入力履歴には毎回変わる対応文字が残る事になる、大文字や記号も同時に表示されるソフトウェアキーボードも多く使用される、そこでは複数の文字種を混ぜたパスワードが使い易く、よりセキュリティが向上する。
通常の機器とソフトでは、通常入力がデフォルトなされており、セキュリティソフトウェアキーボードはオプション的に設置されている、セキュリティ向上の面からはその状態はまだ問題を残している。


カメラ

パソコンにウエブカメラを外部接続して使用する事が行われて、ライブチャットやテレビ電話やテレビ会議が普及して来た。
上記の機能をパソコンに内蔵させる事が進んだ、特にノートタイプパソコンやモバイルタイプパソコンでは、周囲の撮影にも使用された。
携帯電話が普及してそれに高い機能を持たす動きが起き、その中で一気に標準搭載へと進んだのがデジタルカメラ内蔵機能と機種だ、携帯電話にデジタルカメラ機能を搭載すると同時に、電子メール機能の標準使用が進む中で携帯電話で撮影した画像を電子メールで送信する事が相乗的に広がった。
携帯電話のデジタルカメラ内蔵は機能競争から始まり、単独のデジタルカメラ機器の使用者も部分的に奪った、それはスマートフォンの登場でも引き継がれて動画を始め性能・機能共に一気に向上した。
パソコンや携帯電話やスマホの操作者を写すウエブカメラと、機器でデジタルカメラとして外部を写す事が同時に普及している。

現在のカメラの主流は持ち運びするタイプであり軽量小型化が進んでいる、撮影した画像の記録方式はフィルム方式とインスタント現像方式と、その後に急速に普及したデジタル方式だ。
デジタル方式は各種情報記録媒体へデジタル信号として記録される、それは紙への印画を必須とはしなく、ディスプレイ画面への表示が主体として使用される、その記憶方式はパソコン等の情報処理機器と同じだ。
デジタル方式のデジタルカメラは軽量小型であり、記録媒体が書き込みと消去が可能な場合は、消去・上書きする事で記録媒体の寿命回数まで繰り返し使用出来る、情報機器の機能と能力向上がそのままデジタルカメラの機能・性能の向上となる。
デジタルカメラは性能が高くなるか軽量小型かのいずれかが進んだが、取り扱いから小型化には限界があり、小さすぎては使いつらくなる。
携帯電話も同様に情報技術の向上で高性能化と軽量小型化が進み、搭載機能に余裕が出来るとデジタルカメラが搭載された、カメラ機能のハンドリング上で適した大きさであり、表示画面をファインダーとしてや撮影した写真の表示に使用出来る、僅かなカメラ機能の追加と本体の情報処理機能でデジタルカメラ機能が搭載出来た。

コンパクト・デジタルカメラはレンズ交換が出来ない設計とされ、交換可能な一眼レフカメラと棲み分けた時期があった、現在では一眼レフカメラは押され気味だ、携帯電話やスマホやウェブカメラとしてはレンズ交換は不要か出来ないと考えるべきだ。
フィルム式のカメラ時代のファインダーは光学式だった、デジタルカメラではその方式も可能だが実際は撮影した画像データをファインダーに表示させている、この電子式ファインダーの利点はプリズムやミラーが不要で設計上の自由度が高く小型化が可能になった事だ。
電子式ファインダーは電子機器としてのデジタルカメラの操作や編集用の画面としての機能にも利用出来て、それは携帯電話やスマホの画面そのものだとも言える。
ミラーレス一眼カメラは一眼レフカメラのデジタル化であり電子式ファインダーを装備する事でミラーレスとなった。

オートフォーカス(AF)または自動焦点と呼ばれる機構が登場してそれが普及した。
方式として、レーダー等で位置を測定するアクティブ方式と、光そのものを利用するパッシブ方式があり、後者が主流になり幾つかの方式(位相差AF・像面位相差AF・像面位相差AF)が提案され実用化されている。
像面位相差AF・コントラストAFは専用のAF機構を必要としない事が最大の特徴・利点であり、それ故にコンパクトデジタルカメラやミラーレス一眼カメラに使用され、スマホ等に搭載されるカメラにも使用される。
オートフォーカスの1方法を説明すると「最低1往復の画像スキャンを行う、往側のスキャンで焦点が合う位置を見つけて、帰り側のスキャンでその位置で静止して撮影を行う」、スキャンをサブの鏡等の機構で行う事もある。
スキャン方法は機械的駆動に限らず、センサーや制御方法によるものでも可能だ、位相差AFや像面位相差AFは専用の撮像機構を使用するが、コントラストAFでは実際に撮影する画像を使用する、それは電子方式のカメラになりスマホ等に主流として使用される方式になる。

ウェブカメラは本来は生中継でのリアルタイム動作に使用する事を目的としていた、その時には撮影された画像はリアルタイムかまたは一定間隔で保存され、タイム画像転送の可能なインタフェースから転送される。
ウェブカメラは本来の用法以外に一般のビデオカメラと同様にも使用された、リアルタイム動作故に画像品質を限定していたが、それはカメラ機能が一般のビデオカメラと同様の高画質映像になる事で自然に広がった。
同時に情報機器の機能と通信環境が向上すると、色々な動画への使用目的・方法が可能となった、ビデオカメラでは記録メディアへの録画やパソコンへの取込み作業を行っていた、それを省いた使い方が可能になり、スマホ等のそれ自身は大きな記録容量を持たない機器でも動画が扱えるようになった。

現在のデジタルカメラはスマホ搭載カメラが主流になっている。
カメラでは露出量の調整が必要で有り、具体的には「シャッタースピード」「ISO感度」「絞り(F値)」の3つの組み合わせで露出値を決める、スマホ・カメラではレンズ取りはずしを行わない事が多く絞りを固定して、「シャッタースピード」「ISO感度」を変えて露出を調整する。
スマホ・カメラではF値の小さいレンズを搭載して暗い所に調整されている、また手ブレ補正機能された機種が多く、露出値の調整を拡げている。
2016年頃からスマホに「デュアルカメラ」が搭載された例は「iPhone 7 Plus」だ、「デュアルカメラ」は1枚の写真撮影に2つのカメラユニットを使う、「広角/望遠切り替え」が多く、「色情報/明度情報」同時取得で精度を上げる。
広角は35mm以下の焦点距離で数値が小さい程広い範囲を写せる、望遠は100mm以上で狭い範囲の切り取り撮影や、遠くを大きく写す圧縮効果がある、背景をぼかしたポートレート撮影にも使う。


ICレコーダー

ICレコーダーは半導体記憶素子を記録媒体として使用する音声を記録する機器を指す。 半導体記憶素子は急激な技術革新で、不揮発性メモリーでも集積度向上で小型化・高記録容量化が進み費用的にも実用レベルになった。 高記録容量化が進む以前には、記録容量の少ないテキストデータやソフトウェアが記録対象になっていた、記録容量が増加して次に容量が多い音声が対象となった。 音声は電話や会話メモ・留守番電話・音楽等のデータで実用的に使用されている、その為に直ぐにICレコーダーとしての単体機器とそれと類似の音声記録用途で広がった、そしてその機能を持つ電子機器も登場したり、既存の機器に機能が追加された、その代表は着脱式の不揮発半導体メモリーだった。 用途別の専用機では、記録機能と共にそれぞれに必要な追加機能を追加されている。

ICレコーダーの半導素子記録は、急激に記憶容量単位当たりの価格を下げてきた、それ以前の録音テープとハードディスクや光学磁気記憶ディスクには機械駆動が伴う弱点があり、同時に小型化にも制約が多かった。
ICレコーダーは急激に記録素子部分の小型化と高記録容量化が進み、その結果でモバイルと小型化用途では全て置き換えられる事が予想される、それ以外の記録方式はより高容量用途に使用されている。
半導素子記録は携帯電話・スマホ等の小型SDメモリーやパソコン中心のUSBメモリーとして独占的に使用されている、既に実記録部分の半導体チップは遙かに小さくて人間のハンドリングを越えている、それ故に人間が扱えるサイズにパッケージや接続用の端子のサイズが調整されている。
ICレコーダーのサイズも素子ではなく、実体はハンドリングとインターフェイスで決まっている。

ICレコーダーは録音機能だけでなく再生機能を持つ事が一般的だが、出力の種類は用途で異なる、イヤーホーン出力機能は普通だが通常のスピーカーや外部機器への出力機能も選択肢としてある。
通常スピーカーとしては携帯電話とスマホの音声通話機能が一つの目安だろう、モバイル用でバッテリー稼働機器としても消費電力と聞き取り性の実用性から制約がある機能だ。
イヤーホーン出力機能となると、音楽出力や映像出力機能の有無で変わる、音楽出力用としてはウォークマンから始まるMP3プレーヤー等のデジタルオーディオプレーヤーのイヤーホーン端子へのステレオ再生機能が標準モデルとなっている、イヤーホーン端子へのみならば消費電力の制約を超えて高い品質を提供している。
スマホやタブレット端末でも音楽再生機能は専用プレーヤーと同様に持つ。

データの情報を保ちデータ量を少なくして別のデータに変換することを圧縮と呼び、アナログでは帯域圧縮と言われるが、デジタルではより少ないビット数で符号化することを言う。
可逆圧縮は冗長性を除去するのみで情報が失われないが、非可逆圧縮は不必要な情報を除去して削減する。
不必要とは実用上の事で実際は情報量は失われる、例えば音声や音楽では人が聴き取れない情報を除去する。
圧縮するとデータ転送量や記憶容量を削減出来る、逆にデータ圧縮には時間を要するし、圧縮されたデータは解凍処理後に使用出来る。
データ圧縮は記憶する空間計算量を変換する時間計算量に変える事になる、用途的に資源の有効利用から判断する。
例えばハードディスクの記憶での圧縮データは、ハードディスクから機器へ転送する時間と半導体メモリー上で解凍する時間の和になる、圧縮しない場合は転送量が多くなり時間を要するが解凍は不要となる、条件で合計アクセス時間は変わる、ICレコーダーの半導体記憶は速度が速くデータ圧縮には有効だ。

ICレコーダーの録音機能には、ハードのマイクとソフトの録音モードと編集機能などがある、用途限定のレコーダー機種も作られたがオプションを含めて機能を増加させて差別化を図る方向で進んで来た。
レコーダーは基本機能でも内蔵マイクを保有するが、ケーブル接続のマイクも提供されている、スタンドとマイクのセットやタイピンマイクは接近型の会話収集用として有用だ、マイクスタンドは机等に設置して接触する面積を減らしてノイズを伝わりにくくするとされる。
また本体とは別に外部マイクにはスィッチが付属する事も多く、意味合いは異なるが電話録音用マイクも提供され、離れた録音には指向性マイクを使用する。
ソフト的な録音モードは、原音を高音質で録音しようとする「リニアPCM」と、汎用性の高い「MP3」がある、音楽演奏や品質を重視する場合は「リニアPCM」を使用し、会議等を長時間録音したい場合は「MP3」を使用する事で、用途別で使い分ける。

膨大化するデータは圧縮技術とその方式を基準化する事で用途を広げてきた。
音楽データ・音声データでは効率と実用性から非可逆圧縮も多く使われた、通常データは欠損のない可逆圧縮が使用された。
方式が乱立すると機器や媒体が変わって再生出来ないトラブルが生じて互換性が問題になるが、標準化が進む事で機器も方式も普及している。

1990:H.261:テレビ会議・テレビ電話
1993:MPEG-1:ビデオCD
1995:MPEG-2:DVD-Video・Blu-ray・SVCD
1996:H.263:テレビ会議・テレビ電話・携帯電話の動画再生
1999:MPEG-4:第3世代携帯電話・インターネット動画
2003:H.264:Blu-ray・HD・DVD・iPod Video・Apple TV・ワンセグ
2008:VC-2:インターネット動画・HDTV・UHDTV
2013:H.265/HEVC:スーパーハイビジョン

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