項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:65

スマホ型タブレット端末

2010年ごろからスマートホンが本格的に普及し始めたが、同時期にiPadをはじめとした「タブレット端末」も普及しはじめた。
初期にはOSとして同じプラットホームを使用した事で判るように、メインの機能には共通する事が多い。
板状の筐体であり、その中にコンピュータ本体、入力機器と表示機器としてのタッチパネルと少数のボタンがあり、スピーカーとカメラ等が内蔵される、原則はバッテリ駆動であり充電機能も持つ。
タブレット端末単体でインターネット接続機能と情報処理能力があり、指タッチ入力機能とソフトウエアキー入力機能がある。
半導体記憶メモリーを搭載しており(軽量・高速・耐衝撃性がある)、一般パソコンのハードディスク(またはSDD)と動作メモリーの双方の働きを行う、そこにソフトウエア(アプリ)を自由に追加して多彩な機能を持たせる事が出来る。
初期はサイズからスマホは携帯電話用途を持つ情報端末と見られた、これに対してタブレット端末はそれよりも大きなタッチパネルを持つが必ずしも無線回線インターネットとは直接には接続しない(正確には直接接続するセルラータイプと、WiFiを介して接続するタイプとが発売された)事から、スマホと比較するとモバイル性は劣るが表示能力等は高いと思われた。

スマートホンは独自のOSとハードウエアとソフトウエア(アプリ)を搭載していて、広く普及した。
タブレット端末は、登場した当時はハードウエアの本体と画面サイズが大きいが、ソフトウエアとしてのOSとアプリにはスマホと共通の物を多く使用していた、特にソフト面では、スマホに最適化していた事からタブレット端末ではハードウエアを生かしきれない面があった。
タブレット端末は画面にタッチして感覚的に操作できて、例えばビジネスで、デジタル資料を表示させる用途や、子供の学習用途や、電子書籍やネット動画の閲覧と言う娯楽・民生用途にも使われる。
スマホとの違いは通話には不向きなことがあるが、A4からB6のサイズの板状のタッチ式デジタル機器でありパソコンの基礎的な機能を備えている、故にスマホとパソコンの中間のような端末とも言われた。
その後に色々な変化に進むが、
一つの流れとしてはタブレット端末専用アプリの登場であり、iPadでのOSがiPadOSという独自OSに進化した事があった、スマホとは異なる変化が起きてきた。
他のスマホOSのアンドロイド搭載タブレットでは、多数のハード機器が存在したが逆にOSのバージョンが異なる事から、アプリ開発の障害もあった、その理由を含めてタブレット端末独自OSには至っていない。

スマホ型タブレット端末は、スマートホンとノートパソコンとの中間的な存在であり、それぞれの代用として使用する人もいる。
利用可能機能は重なっているが、スマホとタブレット端末とノートパソコンとを比較した時の、タブレット端末のメリットを考える。
タブレット端末は薄型の端末であり携帯性がよく、無線LAN(Wi-Fiなど)の通信機能を標準で持ち、ノートパソコンと比べてもモバイル環境はよく(具体的にはバッテリーの持ちがよく、起動時間が短い)、移動体通信との相性がよい。
タブレットのメリットをまとめる
・薄くて軽量でモバイル性が良い
 >タブレットはノートパソコンよりも薄くて軽く持ち運ぶ易い、タブレット端末は500g程度の軽さが多い。
・移動中でも使いやすい
 >ノートパソコンではふた(ディスプレイ部)を開いて使用するが、タブレット端末ではそのまま使用できる、タッチパネル式であり立っていても使用出来るので、移動中にも使用しやすい。
・電子書籍等の文字情報が読みやすい
 >スマホと比較して、タブレット端末は画面サイズが大きいので、スマホの文字の読みにくさがない、電子書籍等の文字資料・データを読むのに適している。
・手書きでもある程度は可能だが、タッチペンを使えばノートや画用紙的な使用方法が可能になる
 >手書きか専用のタッチペンを使って、ノート書き・メモ書き・スケッチ書き用途に使える。

スマホ型タブレット端末は、スマートホンとノートパソコンとの中間的な存在なので、それぞれの代用として使用すると比較上の差がデメリットにはなる。

タブレット端末のデメリット
・タブレット端末はパソコンよりもスペックが低い
 タブレットは処理能力やスピードやストレージの容量が、パソコンよりも劣るので、データの処理や動画編集等の負荷がかかる作業には向かない。
・タブレット端末はディスプレイ式の簡易キーボードを使う
 タブレット端末のキーボードは、ディスプレイに表示されるタイプのキーボードであり、パソコンキーボードでの入力と比較して長い文章の入力では劣る。
・タブレット端末ではパソコンよりも機能が制限される
 パソコンの基礎的な機能のみを備えているが、パソコンで出来る事でタブレット端末で出来ない事も多い(例えばファイルの同時オープンや、複数アプリの同時実行は制限される)。
・スマホに比べるとタブレット端末は大きくて持ち運びが不便
 スマホと比べると大きい画面サイズはメリットだが同時にデメリットになる。
・スマホの通話機能が多くはない(重視しない。LINEやスカイプのアプリを使っての通話は可能)。

モバイル用途のノートパソコンは、携帯・モバイルに使用する為には薄型軽量の必要があるが技術的限界から機能を限定する必要があった。
それ故に携帯性はあるが重い機器であったり、非常に高価な機器であったり、或いは子機やサブ機器的な使い方であったりした。
スマホ型タブレット端末はスマートホンとノートパソコンの中間的な位置であったが、その技術と設計をノートパソコンにとりれたモバイル性の高いタイプが登場した。

・キーボード部が取り外せるか折りたためるタイプのノートパソコンがあり、タブレット形状でも使う意味で「2ウエイパソコン」(2in1パソコン)と呼ばれる。
・主記憶装置のハードディスクドライブ(HDD)を無くしたパソコンがある、子機的な使い方をしたり、あるいはクラウドパソコンタイプでの使用がある。
 ただしその後に一般パソコンでもHDDを無くして半導体記憶素子に置き換えたSSD化が進んでいる。
・無線LAN(Wi-Fiなど)の通信機能と、キーボードやマウス等のポイント入力機器の無線接続を標準組み込みサポートして、小型化軽量化安価化を図った。
・消費電力と高容量バッテリーについては、モバイル用途の共通の課題であったが、スマホとタブレット端末用の技術開発はノートパソコンへも展開されている。

「2ウエイパソコン」(2in1パソコン)等のノートパソコンの変化とも類似性はあるのだが、スマホ型タブレット端末の機能を向上させてノートパソコンが得意だがタブレット端末が苦手だった使用方法に対応して行く動きもある。
・独自OSでスマホとは異なる機能を持つ
・外部キーボードでパソコン並みの操作性を確保する
・ポイントデバイスを使用して操作性を上げる>タッチペン
・大画面化、一般タブレットより大きい画面タイプ
・高容量メモリー、内臓メモリー容量の増加
・処理能力の向上、CPUとGPU内蔵

アップルは高性能タブレット端末と一般用タブレットと小型画面タイプを、並行しての開発と発売を展開している。
アンドロイドはタブレット端末用の独自OSが無く、高性能タイプの展開はない、高性能タイプには「2ウエイパソコン」やモバイルパソコンで対応している状態のようだ
マイクロソフトは試行錯誤で展開し、次にはWindows11をリリースして、そこではアンドロイド・アプリへの対応も目指すようだ。


フィーチャーホン

3G無線回線(第3世代)を使用する携帯電話は、スマートホンが普及した現在ではフィーチャーホンと呼ばれるが一般には通称のガラケー(ガラパゴス携帯電話)の方が有名だ。
3Gとは2000年代最初から使用されている第3移動通信システムの通称で、この3Gの電波を利用したサービスには、ドコモ「FOMA」・ソフトバンクの「SoftBank 3G」・auの「CDMA 1X WIN」等がある。
3G回線はまもなくサービスが終了して、以降は携帯電話の電波は4G・5Gが使われる、3Gの電波供給が停止されると、停止したキャリアの3G対象機種のみ電話やメール・インターネットなどの機能が利用できなくなる。
フィーチャーホンでは、利用しているキャリアや機種により、3G電波の停止時期が異なりそれを使用したフィーチャーホンが利用できる時期が異なる。

停止が早い順に下記となっている。
・au>2022年3月31日に3G電波が停止予定だ、3キャリアの中で終了の時期が最も早い、その為にauの3G回線終了の時期が全キャリアのフィーチャーホン終了との誤解もあるようだ。
・ソフトバンク>2024年1月下旬に終了予定だ。
・ドコモ>2026年3月31日に終了予定だ。

フィーチャーホンは通話機能をメインとして、カメラやインターネット接続、ワンセグ、おサイフケータイなどの機能の一部を付加的に保有している携帯電話を呼ぶ、海外と比べて日本では独自の機能を持つ事からガラケー(ガラパゴス携帯電話)とも呼ばれた、その端末では古い回線方式の3G回線を使用している(3G回線の従来型携帯電話をガラケーと呼ぶ、4G回線の従来型携帯電話についてはガラケーとは呼ばないのが一般的だが、呼称については明確ではない)。
スマートホンが普及して現在では既に主流になっている、そして各端末メーカーは3G回線のフィーチャーホン(ガラケー)の新機種を生産・発売していない。
その状況でもフィーチャーホンを使い続けている人の数は少なくなったが、まだ存在している、その理由としては幾つか考えられる。
・使い慣れているガラケー(フィーチャーホン)を変えたくない。
・音声通話だけで良い、または音声通話とメールだけで良い。
・ガラケーの使い勝手が気にいる。
・スマホは機能が多すぎて、使用が難しい。
・タッチパネルよりは、物理的なボタンの操作が良い。
・2つ折りタイプや、サイズ・重さが使い易い。
・ガラケーは機器代も、月々の利用料金も安い。

スマホとガラケーとの2台持ちの人もいる。

3G回線のフィーチャーホン(ガラケー)のサービス終了のスケジュールが3事業者からアナウンスされている、利用者は3G回線サービス終了に対する選択肢を検討する必要がある。

・スマートホンに移行する。
 ガラケーが好き・操作方法に慣れている人には、移行のハードルが高いがスマホが普及して標準的な通信端末になっているのが現状であり有力だ。
 スマホの機器費用や利用料金が高い事がネックと言う人の場合は格安スマホ等の利用や、データ通信量を抑えて、料金を抑える方法がある。
 事業者は3G回線サービス終了に対して、スマホ機器代や利用料金をガラケーと比較して似た価格に抑えるプランを出すこともある。
・4G回線のフィーチャーホンに移行する。
 4G回線のフィーチャーホンはスマホと同じOSのアンドロイドで動作しており、通信方法もスマホと似ている。
 外見はガラケーと同じ2つ折りであり、タッチパネル方式では無く物理ボタンで操作できる携帯電話であり、ガラケーとスマホの中間的な性格を持つ事からガラホと呼ばれる事もある(以下ではガラホの名称を使う)。
 ガラホはデジタル通信(オプションの場合もある)で、スマホと同じサイトを閲覧したり、LINEやSNSも利用できる。
 ただしガラケー専用のサイトは見られない。
・3G回線終了まで使用し続ける。
 キャリアごとで3G回線終了の時期が異なるので、これも有力だ。
 だが新機種・機器は既に発売しておらず古い機器には故障リスクはある。

3Gフィーチャーホン(ガラケー)を所有している人に機種変更を促すダイレクトメールなどが届いている、特に2022/03に3G廃止が近づいているキャリア(au)ではいよいよ現実的な問題となっている。
そのダイレクトメールでは、機種変更・乗り換え対象の機種としてスマートホンが提案されて来た、機器費用を安価に抑える目的で特定の機種を勧める事がスマホ業界では普通の様だが、機種が通知の毎回で変わり、ガラケー利用者には理解しにくい。
何故にキャリアはスマホへの機器変更を勧めるのか?。
・3G回線廃止は、デジタル通信中心への移行であるとの考え方がある。
・スマホのシェアが拡大して競争が激しいという事情がある。
・キャリア提供のアプリやサービスへの勧誘競争がある(SNS、非現金決済、スマホ決済、スマホでの本人認証、等)
・キャリアが提供する利用者へのサービスが、スマホまたはパソコン利用を前提としており、ガラケーまたは4Gのガラホには対応していない。
・音声通話以外のデジタル通信の使用拡大の展開を行っている、音声通話もデジタル通信で行い、デジタルデータ量で料金設定するプランが中心になっている。
ガラケー利用者には必ずしも直ぐには理解できないものもあるようだ。

4G回線に対応したフィーチャーホンがある、それは3Gフィーチャーホン(ガラケー)の流れを持つ機種であり、見た目と操作不法ははガラケーであるが、中身はスマートホンのAndroid端末なので、ガラホ(4GLTEケータイ)と呼ばれることもある。
ガラホはガラケーと同じボタンキーでの操作で行い使いやすさをガラケーと同じとして残しているが、機能面ではスマホの優れた面を合体させた形の携帯電話とされる。
ここ数年以内に廃止になる3G回線よりも高速化した現在のスマホの主流の4G回線を使用している、スマホと同じデジタル回線を使用してアプリ等の便利な機能にも対応していてインターネットとの接続も可能だ。
ガラホは音声通話が基本機能であり、デジタル通信は選択での契約になっている場合もある、利用者の用途や技能で選ぶ事になる。
従ってガラケーからの移行先としては、スマホとガラホが現実的には有効な選択肢となっている。

フィーチャーホン(ガラケー)とスマートホンの2台持ちする人もいるが、それはガラケーが4G回線フィーチャーホン(ガラホ)に変わっても意味は同じだ、後者は3G回線のサービス終了の影響を受けないので長く継続が見込める。
ガラケーまたはガラホの使用者では、スマホではなくてタブレット端末を併用する場合が多いと言われる、音声電話等にはガラホ等を使用していて、スマホが持つデジタル通信サービスをタブレットで使用する。
ガラホ等はスマホよりも使用料金は安い、タブレットはスマホと較べて安価な通信料金で使用する事も可能だ(例えば、WiFi接続)、料金の面ではガラホ等とタブレットとの組み合わせに有利な面がある。
ガラホ等とスマホの組み合わせでも、使い分け方法では、スマホ単体よりも料金面で安価になる場合もあるとも言われる(個人差、用途差は大きい)。
携帯電話3キャリアはガラケーからスマホへの変更をアピールしているが、個々に使用方法に応じて長期的な使用に限っても、「ガラホのみ」「ガラホ+スマホ」「ガラホ+タブレット」の組み合わせが有効な場合もあるので、個人で使用方法にあった方法を選ぶ必要がある。

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社

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