項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:54

バッテリー

パソコンと各種の情報機器ではバッテリーを内蔵して電源として使用する方法が増えている、繰り返して充電する蓄電池を使用する。
充電とは蓄電池・二次電池に電流を流す事でエネルギーを蓄積する事や類似の作業を意味して、反対のエネルギーの放出は放電と呼ぶ。
電子機器を使用している状態を通電と呼ぶが、その状態を充電と呼ぶこともある、その場合は充電の意味が異なり、反対の意味は放電とは言わない。
蓄電池に充電する作業は、より高い電圧の電源または電源装置を接続して、放電時とは逆の方向に電流を流す、この作業は専用の電源装置を使いそれを充電器と呼ぶ。
電池は原理や化学的な組成を含めて多数の種類があり、それぞれは専用の充電器の使用が必要だ、情報機器内部に少量の別電池や保護回路・充電回路を設ける事も増えているが、専用充電器の使用は続き、汎用化は進んではいない。
情報機器の小型化・薄型化への要請がある、それはバッテリーへも同じ要請になる、同時に充電容量と継続使用時間の拡大も望まれて来た、小型化・薄型化へは対応出来て来たが1回の充電での継続使用時間には課題が多い。
バッテリーの使用は拡大しており、蓄電池自体の性能改善が行われているが、使用方法やバックアップ方法が合わせて考えられている。

蓄電池を充電するには、電極間に一般使用時よりも高い電圧の電源を繋いで使用時とは反対の方向に電流を流す方法を取る、この作業を行う電源装置を充電器と呼んだ。
充電器は電池の多様な種類で異なるので、安全に充電できる為にそれぞれが専用の充電器を用意する、ただし蓄電池を使用する電子機器内に幾つかの必要な機能・機器・回路が組み込まれていて、それ以外の充電用の機器を外部機器として接続する方式が一般的だ。
充電作業と機器の一般的使用を併行して同時に行うような設計になっている、併行使用の場合に蓄電池を通して使用する方法もあるが、AC等の電源装置と蓄電池を切り替える方式も多く使用されている、蓄電池の効率や寿命を考慮して方式が選ばれる。
蓄電池の多くは電気を使用しない場合でも、時間が経過すると蓄えた電気が次第に失う自然放電が起きる、長期保存後に使用する場合には自然放電の回復が必要だ。

充電器を使用しての充電はAC電源や自動車のバッテリーを利用する、それは電子製品が小型軽量化したモバイル状態でも、場所と時間的には制約が多くていつも利用出来るとは言えない。
場所と時間的な制約からは予備のバッテリーの使用が生まれた、1回の充電または1次電池使用時の使用可能時間の長さで対応が変わる。
連続使用時間が長い腕時計では専門の店舗で技能者が電池の交換を行う、充電地を使用する事は少なく、低消費電力故に自動巻機構や太陽電池や光発電機構を搭載する事も一般には多い、ただしスマートウオッチが登場すると消費電力が増える事から状況は変わった。
ノートパソコンではバッテリー容量とその重量と使用可能時間の長さとをバランスして設計されて来た、卓上使用が主体ではAC電源に接続して使用する方法が意外と主流だった、バッテリーのみの駆動は短時間だったり停電状況への対応的な意味がある。
ノートパソコンでは長時間のモバイル使用では交換用バッテリー・外部接続バッテリー等の予備バッテリーが使われた、デフォルトの使用可能時間が短くとも本体では小型・軽量化を実現して、オプションで予備バッテリーを用意した。 携帯電話やスマホではそれぞれ異なる。

高性能な携帯電話やスマートホン(スマホ)が普及したが、その設計思想からは内蔵電池・バッテリーでは容量不足となる機会が通常的になり、1回の充電での使用可能時間が1日以内にもなった。
スマホの設計思想・構造としては利用者がバッテリーの交換が出来ない事があり、蓄電・充電機器での充電作業が必要だった、その充電機器の代わりに本体端子に接続する予備・交換バッテリーは可能だろうが、現状はモバイルバッテリーが登場して使用されている。
モバイルバッテリーは、ACコンセントがない場所でもスマホやタブレットの機器を充電出来るバッテリーだ、外出先に持ち運び使用する事で携帯性がある、そのモバイルバッテリーを接続してそこから充電する仕組みだ、使用感は交換型バッテリーと同じだ、実際にもモバイルバッテリーは、内蔵バッテリーと同じ種類のリチウムイオン二次電池が使用される事になった。
モバイルバッテリーは停電時の必須ツールでもあり、東日本大震災時に有用性が認識されて災害時の必要性からスマホの定番品となった。

スマホにモバイルバッテリーから充電する場合も、コンセントなどの電源から充電器を繋ぐ場合も、モバイルバッテリーを充電する場合も、全てスマホとケーブル接続して使用して来たが、スマホにもワイヤレス充電が登場している。
ワイヤレス充電方式では充電パッド(ワイヤレス充電機)にスマホを置くと(正しく中央の位置に)ケーブルなしで充電できる、ワイヤレス充電はそれ故に無線給電・非接触給電とも呼ばれる。
ワイヤレス充電はワイヤレス電力伝送方式の応用であり、そこでは距離が遠い場合に使用する「放射型」としてレーザー方式・マイクロ波方式・超音波方式等があり、電磁波で電力伝送する方法だ。
最新のスマホの方式は、近距離で使用する方式の「非放射型」であり、スマホでは「電磁誘導方式」を具体的に使用する、iPhoneは電磁誘導方式の国際規格「Qi」に対応していて、その規格は他のスマホやイヤーホン等の電子機器のワイヤレス充電にも使用されている。
「電磁誘導方式」のワイヤレス充電では「電磁誘導」を利用して、充電パッドの中のコイルに電流を流して磁界を発生させる、その磁界を受電用コイルが入ったスマホで受けてそのコイルが磁界を電力に変換する。

バッテリーには劣化と言う現象がありそれは実用的に寿命に繋がる、バッテリーは化学電池であり充電や放電を行うと電池内部の材料が化学変化して電気を流すイオンが減少する、これが起きると蓄電する能力が弱くなる、バッテリーの種類で劣化性は異なる。
電池が劣化する要因には
 サイクル劣化:充電と放電を繰り返すことで劣化する
 保存劣化:電池をフル充電や電池切れ状態で放置することで劣化する
 高温環境劣化:自然放電や自然化学反応が起きやすい環境での劣化
 が代表的だ。
バッテリーにはメモリー効果と呼ばれる現象がある、充電したバッテリーを少しだけ使ってはまた充電を繰り返すと、充電量が少なくなり結果として電池切れが早くなる効果・現象だ。
使い切ってから充電する事がメモリー効果の防止策であり、現象が発生した時は使い切り充電する事を繰り返す事で消えるとされる、スマホで使用されるリチウム電池ではメモリー効果無いと言われている。


音源出力装置

音源出力装置としては、音源>アンプ>出力装置(スピーカー等)が必要だ、コンピュータとしての必須機能ではないが、初期でもブザー音の発生装置は備える機器は多かった。
パソコンでも初期はブザー音を本体に備える事は多かったが、それ以外の音・音声・音楽機能は外部機器として増設する時期が長かった、それが大きく変わったのは映像と音声・音楽に対応したマルチメディアパソコンの登場と、それをサポートしたOSの標準化とそれに対応したハードのマルチメディア対応だった。
音声・音楽はアナログデータであり一般の機器はアナログ処理に対応していたが、コンピュータはデジタル機器だから、音をAD変換してデジタルデータとして記憶して扱う、また出力する時はDA変換して音に変える。
装置としては「音源」「アンプ」「出力装置」の機能が必要であり、それが電子機器でも備えられているが、機能も性能も機器ごとの多様の進化してきている。

マルチメディアパソコンでの構成は、音源はパソコン本体に内臓し、それ以外をオプションとして利用者が選んで接続する構成が多い、現実的にはパソコンセットとして購入(本体・表示機・入力機器等)すると外付けスピーカーが付属する事は一般的だ、だが本体のみのデスクトップタイプの購入では、音源出力機器は付属しない。
音源出力機器としてはイヤホーンがあり、専用接続端子からオーディオ用ステレオミニジャックで繋いで使用する、オーディオ機器の中には専用の高い機能を持たせた例えばマイクやリモコン機能がついたイヤホーンが有るが、パソコンでは不具合が起きる。
外付けスピーカーは一般的なマルチメディアパソコン特にデスクトップで使用する機器だが、それ用のドライバーとケーブルが必要であり、OSの設定も必要であり、正常に機能させるには知識が必要だ。
ノートパソコンでは内臓スピーカーとイヤホーンが標準装備となっている、表示機器と同様に音源出力機器の外部接続にも対応する事も標準となるが、接続作業はデスクトップと似た作業になる。

パソコン用スピーカーを自分で設置する場合は用途に応じて選ぶ。
一般的な音楽用はステレオタイプの2chスピーカーになり左右1対のセットで使用する、低音用のスピーカー(0.1ch)を付属させたタイプがむしろ多く使用されるがそれは2.1chスピーカーと呼ぶ、低音は中音以上と比較して指向性が弱いので音を左右に分けずに再生するので0.1chと数える。
一般音楽よりも高音質で映画やゲームを聞く場合は、サラウンドシステムを使用する、多数のスピーカーを前後左右に位置を変えて置いて使用する、5.1chや7.1chとして表わされる、部屋の広さや壁の材質などの環境の影響が大きい。
パソコン用スピーカーには小型のアンプが内蔵されるので、再生には電源が必要になる、電源は、1:乾電池や、2:ACアダプターなどの外部電源や、3:パソコンからのUSB電源の、3つのタイプがある。
デスクトップパソコンでは馴染みがある複数のケーブルを使用するのが一般的だ、安定供給される外部電源タイプであり電源ケーブルと信号ケーブルで本体と2つ以上のスピーカーとを繋ぐ、束ねて整理したいがノイズ面からは電源ケーブルは別にする方が良い。

PC用スピーカーにもハイレゾ対応がある、ハイレゾとはCDを超える音質の音源であり、ハイレゾとは元々はパソコン画像の高解像度を示す用語で標準よりも上回る高密度なものを指す、「密度が高い」意味からデータ化音源でもハイレゾという言葉が用いられた。
演奏家が録音したマスターテープは高いクオリティのハイレゾであり、それに対して例えばCD音源は、音楽メーカーが録音したマスター音源を加工する時に高域帯の音を約20kHzで切る事でデータ容量を節約している、人間の耳では判らないレベルだが、必ず元の音源よりも音質は低下している。
CD音源だけでなく例えば音楽配信サイトでも、音源を圧縮してデータ量を小さくして配信するケースが多い。
音源をデータにする時に高い音域をカットする時にカット率を減らして、より多くの情報を残した密度の高い音を「ハイレゾ音源」と呼ぶ。
Bluetoothで接続したスピーカーは音質も良い事から使用が増えたが、接続が面倒な事もあった、そこでケーブルを無くしたワイヤレスのスピーカーが登場して同室内では離れた位置でも使用可能となった、PC用としてはキーボード・マウスを含めてケーブルレスの無線接続の需要が増えて来たし、スマホでも同様の無線接続が多く利用されている。

スマホ用音源出力装置としては、内臓ステレオスピーカー・イヤホン・外部オプション接続があるが、特にイヤホンへの関心が大きい。
イヤホンには端子の規格問題があり、イヤホンプラグ(ケーブル先端の金属部分)が差込プラグであり、相手側がジャックとなる、音楽再生は2極(モノラル)・3極(ステレオ)・4極(3極+マイク機能)・5極が代表的だ。
4極はスマホやタブレットでイヤホンマイクとして利用できるが、大きく分けて「OMTP」と「CTIA」の2種類がある、プラグの極性配列が異なり「CTIA」がiPhone用・「OMTP」がAndroid用だがそれ以外のスマホ用もある、イヤホンの規格違いのトラブルが起きやすい、その後のイヤホンジャックが廃止されたiPhoneの機種では、Lightning接続のイヤホンかワイヤレスイヤホンを使う事になる。
イヤホンは端子の規格以外にも種類がある、耳全体を覆うヘッドホンタイプが有り、耳に差し込むタイプにもカナル型とインナーイヤー型がある。
カナル型のイヤホンは、耳栓型のイヤースピースで外れにくく密閉性が高いので音漏れが少なく細部の音が聴き取りやすいとされる、インナーイヤー型イヤホンは、耳の表面の耳介にイヤホンのパーツをひっかけて装着するタイプで、サイズが合わないと違和感の可能性もあるとされる。

Bluetooth機能はデジタル機器同士をデジタルデータで繋ぐ規格だがそれがイヤホンの接続にも利用された、デジタル用端子やケーブルを使用する場合もある、それに無線方式LANを利用するイヤホンも登場した。
無線イヤホンは、ワイヤレスであり色々な場所や用途で快適に使用できる魅力がある、欠点としては音質が劣ることがあり、また電源が必要でありモバイル用途では充電器が必要であり、度々の充電が必要になる使い方になる事もある、モバイル性の高さはスマホに向くし、イヤホンジャックがない機種では無線方式LANで接続する方法として注目される。
ゲーム用のイヤホンが作られている、ゲーミングイヤホンと普通イヤホンの違いは音質・音量でありゲームへの没入感を高める、ゲームには音の方向や距離感が重要であったり臨場感を表現するものが有る、機能設定を持つ事も特徴とされている。
また外観的なデザインや長時間使用する設計が行われ利用者は多い、ゲーム向けに特化しておりバーチャルサラウンド(仮想音源)非対応が多くバーチャルサラウンドには対応サラウンドプロセッサーが必要となる、また音楽鑑賞に向かないともされている。
無線方式のスピーカーも作られている、その中にはスマホ用の接続不要の無電源スピーカーも含まれる。

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