項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:44

ネットブック

スマホとタブレット登場前に、ノートパソコンのネット依存の高いネットブックが発売された、ノートパソコンの安価版の位置つけだ。
特長は安価で、機能はローカルでは限定されており、ネットと接続して動作するタイプが主流だった。
普及したのかは不明で、スマホとタブレットに取り替わった様な結果となったが、実際にはグーグルのクラウド・パソコンと似た設計思想だ。
日本では、グーグルのクラウド・パソコンは上陸していないので、3者間の比較はほとんどされていなく、上記の様にネットブックがスマホとタブレットに置き換わった様に見える。
その状態で、タブレット仕様に近い薄型ノートパソコンが登場した。

ネットブックの思想は単独のローカルでの使用ではない。
インターネットに接続して、初めて能力が発揮できる。
勿論、ネットとの接続はパソコン用の通信回線だった。
ネットブックの登場時の位置付けは、小型の安価でネット接続で能力を発揮する小型ノートパソコンだった。
何が抜けていたかと言うと、クラウドと無線通信の急激な普及だ。
通常のパソコンは、これらが普及しても必要ならばソフトの追加で対応出来るし、必ずしもネットへに依存が少ない用途も多い。
ネット依存度の高い初期のネットブックは、最新技術ではなくなると設計自体が致命的とも言える遅れた存在になった。

安価なモバイル用のノートパソコンの設計思想でのネットブックは、普及しなかった結果になったが、一方で従来のデスクトップパソコンや中級以上のノートパソコンと同等の機能をインターネット上で実現する設計思想が有った。
具体的にはネットワークのクラウド機能を使用するグーグルのクラウドパソコンで、ソフトもデータもネット上に置いて常時接続で動作させる。
そこには結果として価格ダウンになる期待はあるが、機能限定するとかノートパソコン向けという思想が基本の設計ではない。
ウインドウズOSの寡占状態でのクラウドOSの登場は期待されたが、アメリカで少数出たが未だ日本では発売されていない、それはスマホとタブレット端末の登場と無関係でない。

スマホとタブレット端末の普及によるモバイル用途とネットワーク対応は、必然的にクラウドの使用を進めた、なぜならばいくら小型のアプリ中心の設計でも、半導体主記憶はハードディスクとは容量が桁が少ない。
それをカバーするのはクラウドだ、また複数機器間のデータ共用や転送保管機能には最終的にはクラウドを介しての遠距離でかつ同時稼働を要求しない方法が制約が少ない。
そして、受け身の用途のスマホとタブレット端末に入力機能の強化とパソコンと同等の作業性を持たす試みが登場した、勿論キーボードの代わりは制約が多く互換なのか、中間機能なのかは試行錯誤だ。
具体的には、大型のタブレット端末での専用タッチペン作業と、着脱式の付属キーボードが今は目立つ、そして後者はタブレット端末登場時からオプションだった。

現在はネットブックは存在を忘れられた状態であり、グーグルのモバイルパソコンは日本には入って来ない(少なくとも広く使用されていない)。
どちらも戦略的に普及を止められている面と、利用者が求めていない面とが重なっている。
理由はスマホとタブレット端末の普及、特に大型画面のタブレット端末の登場と、タブレット端末とノートパソコンとの2通りの使用方法が出来るタイプのノートパソコンの登場が原因だ。
これらは、クラウド使用動作で少ない本体主記憶で、ネットブックやグーグルのモバイルパソコンと用途や設計思想が重なる。
そして、機能にもよるが価格帯も重なる物がある。

ネットブックの位置にある情報端末の今後の方向性は、実は定かでない。 画面だけにしても、ノートパソコン並みの大きな画面の要求も、モバイル性に優れた掌サイズの要求も存在する。
必ずその中間状態が存在し、単純な棲み分けにはならない。
そもそもインターネット通信方法が、携帯電話方式なのかWiFi方式かもまだ混在する、費用面からは両方を持つ場合を含めて3方式となる。
携帯電話会社はWiFi方式もサポートしているし、無線WiFiも有線接続インターネットもサポートしているが、有線のみのインターネットのプロバイダーはどちらでも良いと見過ごせない。
無線通信費用の値下げ問題や、パソコンとモバイル機器共用を視野にいれたOSWindows10の行方など不透明要素は多い。


クラウドとパソコン

クラウドパソコンは先が見えていないが、クラウドは急速に普及している。
クラウド使用を前提にしたソフトが増えている、スマホやタブレット端末ではハード構成上でクラウドを使用する事が必須のソフトやサービスが多い。
クラウド領域は、容量をレンタルするのが多い使い方で提供されるサービスだが、ハード機器やソフトやサービスに少容量のクラウド領域が付属する事が普通だ。
それは、特別なクラウド領域を保有しないユーザーでも直ぐに稼働出来る事になり、より利用したい時は有料で領域を増やすというビジネスモデルだ。

クラウドはデータとプログラムの共有が可能なのが特徴として拡がった。
サーバーとウエブサイトが、パスワード認証等で利用者制限する事と理屈は同じだ、複数のアクセス権限者がウエブデータの変更権利を持つと、共有管理となる、運営にはきっちりしたルールが求められる。
サーバー上のデータを書き換えない使い方では、管理はかなり容易になる。
クラウドを、ネット上の倉庫と見る考えもあったが、それは内容の書き換えを伴わないデータの受け渡しのみに使用する事になる、それでもネットに接続した機器間でデータの受け渡しが可能になる。
ソフト付属の無料クラウドエリアは、個人ユーザー向けで倉庫的な使用方法を前提に提供される事が多い。

スマホやタブレット端末は、ハードディスクの大容量メモリーを持たないのでローカルのハードだけで使用可能な用途は限られる。
必然的にクラウドエリアを利用するのがデフォルトだがその製品設計から、特殊なソフトも設定もなしにクラウドエリアを使用出来る設計になっている。
それ故に、使用方法もOSやソフトが決めている方法となる。
クラウドパソコンでは、プログラムもデータもクラウドに置いて、稼働させる設計だが、それはタブレット端末等のモバイル機器でも同一で、例えばローカルのOSではサポートされていないスクリプト言語のウエブサイトをクラウド上で稼働させて使用するブラウザソフトも存在する。
タブレットとクラウドパソコンの明確な区別は、その面では付かない。

レンタル・クラウドのサービスが増えているが、その機能を追求すればインターネットに繋がるフリースペースの提供になる。
用途が自由になるとすれば、その可能性は無限大となるが、同時に用途不明のものとすれば初期のパソコンが用途不明の機器と呼ばれた事と似た事が起きる可能性がある。
現実には、レンタル側が用途制限するので現実は、幅のある使用方法と言う状態だ。
あくまでもネット上に何かのデータを置く、そしてネットとローカルとでデータの行き来を行うのだから、セキュリティの問題が俄に表面化している。

クラウドエリアが、機器・ソフト・通信サービスに付属する場合が増えているがその幾つか(多くは)自動設定される。
確かに便利で、不思議な機能が実現した印象がある。
そこには、利用者が管理しないという一面があり、セキュリティの問題も同様にどの様になっているのかは知らないままでの使用となる。
もしそれが、履歴や個人情報や暗証絡みをクラウドエリアにアップする、保存して残す仕様であっても気づかない事が普通だ。
暗証番号の記憶機能は、個人使用機器では誰もが使用していると思うが、その仕組みや保存場所を考えた事はあるだろうか、便利なもの程にリスクが高い事は、クラウド時代には増加する一方だ。

インターネットの常時接続時代だが、ネット上への書き込み者はアクセス者の一部であり、それもブログやSNSの比率が多い。
レンタルサーバやネットディスクはまだまだ利用者は限られている、簡単に言えば有料スペースの利用者は少ないと言える。
クラウド使用が前提になると、ローカル稼働自体が減少し、多くがネット上にデータを置き、書き込みを行う事になる。
アクセス専用者や、SNS限定利用者には、クラウド時代は大きな変化となる。
デフォルトは自動的に利用出来る設定だろうが、主に業務用を中心により高度な利用に進む事が予想される。 クラウドを意識する人が増える時代になる。


オンラインマニュアル

重くぶ厚いマニュアルが付属していた時代がある、正確にはマニュアルが主体でソフトやハードが付属的だった。
コピープロテクト方法の1つとして、マニュアルプロテクトと言われた事もある、分厚いマニュアルはコピーする事は少ない。
そもそも全ては読まないし、辞書的にも使いづらい。
これを、ソフトデータ化してソフトと一体化すると少ないデータ容量で済む。
ソフト+マニュアルでも、大抵は少ない記憶メディアに簡単に収録できる。
あるいは、インターネットに接続したサイトに置いたり、ダウンロードしたりする事も増えた。

マニュアルのソフト化は、検索機能やツリー表示やソフト更新時にアップデートも可能になり作業性やメンテナンス性の向上が期待される。
ただし例外はインストール手順のマニュアルや、ソフトの立ち上げトラブルでソフトが稼働していない状況では使用できない。
その時の為に、最低限度のマニュアルを付属させていたが、それも省かれる傾向がある、スイッチオンで使用可能を売りにする機器・メーカーではハードのスイッチ類の説明以外はマニュアルが付属しない。
スイッチオンで稼働して、後は動作させて動かしている内に簡単な作業を覚え複雑な設定や作業は、ソフト等に付属したマニュアルかオンラインマニュアルで読める内容だ。
通信設定自体が初期設定が不要に近い機器では、いきなりオンラインマニュアルの時もある。

ハード機器とOSソフトには最低限の非オンラインマニュアルが必要と感じる。
同様にインターネット接続の為にも、非オンラインマニュアルが必要だろう、ローカルで読めるテキストソフトでも可能だが媒体の問題がある。
完全ローカル稼働ソフトは、稼働すればマニュアルも読めれば良いのだが、多くのソフトが何らかで、インターネットと繋がる設計になっている事が多くその場合は、ブラウザが立ち上がり正常に稼働する事が必要だ。

ブラウザで読むオンラインマニュアルは、ダウンロード出来る場合もある。
インターネットの接続方法にも依るが、現状では必要な時にネットで見るのが多くの人のスタイルだ。
ダウンロードする必要がないし、ましてや印刷の必要は全くない。
ネットのオンラインマニュアルは最新に更新される事もあるし、検索機能で項目を探す機能を有効に利用したい。
ソフトによっては、使用方法を調べるとブラウザが稼働しオンラインマニュアルに繋がる事も多い。

オンラインマニュアルは一般公開する場合もあるが、ソフトまたはハード機器購入者、あるいは利用登録者のみに限定する事が普通だ。
商品・購入者サービスのどちらかと考えても、利用者向けだ。
使用しない人が読まないだろうとまで言うのは、商品価値を否定するので購入者には不評だろう、広告・宣伝効果を求めるのならば別の問題だ。
データをネット上に置く事は今後の標準と予想されるし、そもそもソフト自体もネット上に置いて、作業を全てネット上で行う方向が進む事が予想される、オフラインマニュアル自体が残るかどうかが議論になると思われる。

オンラインマニュアルが普及し、内容も充実する事が可能になったが、それをどの程度利用しているかは逆に疑問になった。
情報機器が普及せず、自分で使いこなす人だけが使用する場合は、マニュアルの使用頻度は高く、重視された。
だが、情報機器が普及するとマニュアルを見なくとも操作出来る事が望まれ、マニュアルは必要だがそれは前提で、読まなくとも使用開始出来て使いこなせる事が要求されはじめた。
利用者がトラブル時や使用法に迷うときに自ら探すのでなく、機器やソフトが利用者を誘導して解決する方向に進みつつある、それは見かけはマニュアルレスの状態と同じだ。

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