項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:40
産業用パソコン
ネットでの直販を中心のパソコン販売サイトでは、個人向けと企業・法人向けに別れている事が多いです。
後者は産業用とも呼ばれていますし、新製品の発表等で産業用が先行したり、産業用のみが多い事に気づきます。
パソコンに限ったとして、ハードやソフトに変わりがあるのでしょうか。
個人向けの、ゲーム専用とかマルチメディアとかは流石に産業用には含まれない事が普通です。
しかしパソコン単体で見れば、殆ど差はありません。
しかし、実使用という広い範囲で見る必要があります。
パソコンが機器単体で販売する時期は過ぎて、導入サポートや運用サポートから定期更新や、データの丸ごと移行等多数の作業があります。
また、個別使用とローカルエリアネット接続使用では対応ソフトや管理・サポートも異なります。
産業用パソコンでは、サポートの種類が増えるとも言えますし、使用方法でシステムが代わりソフトも異なるとも言えます。
多い機器台数と大型ソフト導入とネットワーク化が主体です。
これは、個人ユーザーから要望されるサポート内容が異なります。
顧客自体も、個人ではなく部署というかそこの責任者か管理者となり、その部署に詳しい人がいる場合と、おまかせモードの所があります。
とにかく、個人ユーザーと事情は異なります。
産業用パソコンの使用環境が、インターネットではなく社内イントラネットの事もかなり多いです。
機器もネットワークも使用時間も、仕事ですからそれ以外の個人情報は原則入力はしないですし、使用方法やログも管理対象です。
会社の製造設備を個人目的で使用するのと同じ扱いです。
イントラネットの管理者は、基本は全ての機器の状態を把握出来ます。
データの出入りまで管理出来れば、ウイルスや外部侵入も有り得ませんが、使用者の不正使用の可能性は残ります。
ログは取っていても、作業前に止める事は無理です。
そのためにセキュリティソフト等の使用は必要なのが現状です。
産業用パソコンでのソフトのインストールは、現実はハードディスク単位のコピーで行われます。
すなわち1台のパソコンに必要なソフトをインストールして、個人情報以外を入力したハードディスクのシステムを、コピーします。
過去には、使用台数だけパッケージソフトが未開封で山積みされているという、関係者には普通で物流や購買担当には不思議な光景がみられました。
その後に、実状とあわせた使用人数(台数)用のソフトパックが販売されています。
メーカーも利用者も、無駄を省きコストダウンやサービスに結びつける事で、思惑が一致した結果です。
サポートやバージョンアップ等の対応は当然に、個人向けと異なります。
大企業では早くからメインフレームを導入し、それの担当部署と部員がいました。
ただし、殆どの仕事はメーカー側が担当し、使用企業の担当者が出来る事は限られていました。
パソコン時代になってもそれは残り、全社向けシステム開発が同じ手順で行われました。
それはユーザーインターフェイスが一般に悪く、開発に時間が掛かり結果的に使用する部署の望まない事が多くありました。
パソコンレベルでのソフトや小型システムを使用した人は、その変更の容易さやユーザーインターフェイスの良さになれて、古いメインフレームのソフトの使用が不便と感じました。
パソコンでかなり大きなシステムを作る事が次第に行われました。
パソコンで作られた大きなシステムを運用する時の課題は、運用管理と個人指導とハードとソフトの統一です。
完全なハードとソフトの統一は難しいですので、実質は互換性の維持です。
これは、導入時に提供側に大きなビジネスチャンスを与えますが、その後のサポートや機器の台数の増設や、全面バージョンアップに対して利用者の要求は多くなります。
ビジネスでは、原価償却の考えがありますから、パソコンにかける費用は予定されかつその確保は最低は要求されます。
加えて、不況や環境の変化で、システム更新は期間を延長したいし、開発したソフト等の資産は互換して継続使用が求められます。
目新しさと過剰機能での、買い換えはありません。
フラッシュメモリーパソコン
現在の標準的なパソコンの持つ記憶装置は、半導体メインメモリー・ハードディスクのメイン記憶・光学着脱媒体・USBメモリー(含むSDメモリー)です。
このうちのUSBメモリー(含むSDメモリー)が不揮発半導体メモリーで、フラッシュメモリーと呼ばれるものです。
古い呼び方ならば、高速書き換え可能電気式不揮発メモリーになりますが、昔はROMのイメージで、今はRAMです。
ボイスレコーダーやデジタルカメラの用途が主体でしたが、半導体携帯音楽再生機やスマホやタブレットの急激な普及で使用が増えました。
不揮発半導体メモリーの軽量で高速で消えない特性が、コスト以上に用途がありました。
そして、タブレットとノートパソコンの境界が次第に曖昧になり始めました。
モバイル用途で電源オフ時のバックアップの不揮発メモリーは長く普及しなかったです。
あくまでも、ダイナミックラムやモバイル用のC-MOSメモリーとの比較です。
消えない部分はロムで、書き換え部分は安価なダイナミックラムを使用する設計から変わらなかったです。
全体を制御するマイクロソフト・ウィンドウズの設計思想の影響は強いというかハードまで決めていました。
フラッシュメモリーはボイスレコーダーからデジタルカメラから音楽再生専用機器へ使用が広がりました。
勿論、携帯電話も大きいですが、大量使用設計はスマホとタブレット端末の登場からです。
何故にノートパソコンからハードディスクが消えなかったか、フラッシュメモリー中心の機器が生じなかったかは、ソフトの基本設計=OSの影響です。
スマホとタブレット端末は全く異なるデザイン設計とOSと全体のシステムから成り立ちます。
従って、ノートパソコンに対しても基本デザインとOS等のソフトの変更対応が出来て始めて、フラッシュメモリーパソコンが生まれます。
スマホとタブレット端末でのメモリー容量の不足の対応方法は、クラウド技術の導入と切り話せません。
フラッシュメモリーの容量とそれのコストと、機器が必要と設計された容量とコストとが接近し交わる時に改革がおこります。
それが生じた特定の用途のみが、汎用に使用される様になります。
ではパソコンはというと、そもそもUSBメモリーとしての使用は進みましたが、フラッシュメモリーの用途と優位点が明らかにならないままでした。
タブレット端末は、フラッシュメモリーの利点を突き詰めた機器ですが、パソコン側のアプローチは、タブレット端末のノートパソコン風の改良に終わっています。
1+1が2以上になる改良までは行っていないと思えます。
フラッシュメモリーパソコンの課題の、モバイル性はどう扱うかの問題が答えが出ていません。
情報機器の多くは、メモリーのみでは動作しません。
フラッシュメモリーはデータ保持では電気エネルギーを必要としなくとも、読み書きには必要ですし、それを他とやりとりしたり、人間と表示等で使用するには電気エネルギーは必要です。
フラッシュメモリーパソコンは、電源がなくともデータ保持は出来ても、そのデータの利用には電気エネルギーが必要ですし、他の機器も必要です。
従って、バッテリーや外部電源を必要とする意味では、機器システムはほぼ同じです。
フラッシュメモリーパソコンの違いは、まさしくハードディスクが内部かクラウド等の外部かの違いだけと言えます。
パソコン用のダイナミックメモリーの量産競争が、フラッシュメモリーやモバイル用の低消費電力メモリーに広がりました。
ダイナミックメモリーの量産競争は需要の頭打ちも含めて、勝敗が決まった傾向がありますが、半導体の新たな種類の需要は全体の勢力地図に微妙に影響します。
ただそれには、フラッシュメモリーがコスト的にブレークスルーが絡んで来ます。
複合パソコン再度
電子機器は機能の複合は絶えず行われては、原点に戻り機能分割が行われる事を繰り返しています。
それは、パソコンの機能と複合する機器の発展で状況が絶えず変わるからであり、また通信等の機能が増えたり、新しい機器が登場するからです。
多くの機器がコンピュータチップ内蔵する時代ですから、機能の大きいパソコンと接続する事も、パソコン側に接続を前提にした機能を事前に持たせる事も自然に行われます。
そして、その具体的内容は絶えず変わります。
パソコンがネット無しに存在意義が薄れた時に、ネットありきのスマホやタブレット端末が普及しました。
パソコンもネットありきのクラウドパソコンが登場していますが、日本の民生用には姿を見せていません。
ハード機器+OSの思想で、用途が方向性を持ち、機能が明らかになります。
それを内蔵するか、連携するかが次の方向性となります。
ハード機器+OSの進歩は、機能の内蔵と複合の考えを広げます。
情報機器は絶えず機能と性能とコストを競っています。
その中で、ソフトの互換性に注目するとハードを含めた寡占が起きました。
それが継続しているのがパソコンですが、壁に当たり販売数が下がっています。
新しいモバイル機器に置き換えられている部分は否定出来ません。
そこで、パソコンに新しいモバイル機器の機能と性能を加える試みがされていますが、成功例を見ていません。
パソコンの復合化に新しいモバイル機器を含める事はまだ距離を置いた方が良いでしょう。
モバイル性があって始めて有効な機能を、パソコンに持たせる必要性は多くないと言えます、ただしそれらとの通信機能は別で、互いに補完する関係になる事が多く、その機能に関してはパソコンに必須となるでしょう。
外付け増設用の大容量のハードディスクが増えています。
その多くは、パソコン用にも映像録画機器にも使用可能になっています。
テレビとパソコンの複合機は、当初から繰り返し登場しています。
同時にテレビと録画機の複合機も登場しています。
無理に複合させる意味は、多少は曖昧でも3つを複合させる事は普通に考えられます。
ネット接続のケーブルテレビ回線インターネットが普及している状態からは、ますます自然です。
そして、テレビと録画機とケーブルテレビがそれぞれ複合する機器や機能は、パソコンと複合すればどうなるかを考える事になります。
光書き込み読み出し媒体用の機器は、多くが音楽用・映像用に開発され、その後にパソコンのデータ用に使用されています。
音楽用・映像用の基本は統一仕様であり、パソコンに使う時もそれの継承が続くのが基本です。
それでなければ、パソコンではデータ用のみの使用に限定されて、音楽用・映像用には使用出来ません。
ただし、用途が異なれば要求仕様も変わるので、次第に出力面は同様の仕様でも機器やソフトの内容は変わっています。
パソコン用の開発当初は、音楽用の再生専用ではなく、ランダムアクセスを目指しましたが互換性が問題で、しかもコスト的に利用が普及しませんでした。
現在は、ライトワンス・リードメニー(書き込み1回・再生無限)が圧倒的に使用されています。
ランダムアクセスはハードディスクで、電源の不要な書き込み用は光学ディスク使用が一般的です。
パソコン・ノートパソコン・タブレット端末に多数のセンサーが搭載される時代です。
カメラも標準で2台も増え、指紋や音声等の生体認識も増えています。
モバイル機器では、加速度センサー・ジャイロセンサー・GPSセンサー等が搭載されて、カーナビ機能を持ったり、モーション検知も可能になって来ています。
パソコンの多様化は汎用化と、付属機能での多様な専用機器化が可能になっています。
勿論、使用しない機能は不要との考えも依然存在します。