項目別バックナンバー[2]:パソコン情報:17

タッチパネルパソコン

小型のパソコン・モバイル・ゲーム機ではキーボードが邪魔な事が多いです。 大型のパソコンでも、用途によればキーボード操作よりも画面に直接タッチす る方が操作性がよい事があります。

従って、いつの時代でも、キーボードレスの画面がタッチパネル方式のパソコ ンの需要は存在します。 最近の薄型のディスプレイへの移行と透明電極技術の進歩は、パソコンでの使 用も容易にしています。

タッチ位置検出方法は、いくつもあり透明電極方式だけではありません。ただ しコスト面を考慮すると、他の方式は不利になります。 透明電極タッチ方式の欠点の改良が、普及に繋がります。 対摩耗・キズ対策。不透明化を防ぐ対策。画面表示とタッチ部とのずれを防ぐ 技術。タッチしたときの反応性の最適化の技術。これらが次第に解決されて来ました。

タッチパネルの基本はキーボードレスです。 日本ではキーボード文化が無かったので、かなり重要な要求です。 パソコンに限ればタッチパネル式は少ないですが、パソコン以外ではかなり以 前から多く利用されています。

ATMの操作画面・自動切符販売機等の各種の金融・金券・レジ・売り場案内など が目立ちます。利用者が多数でキーボード操作に慣れていない人も含む場合 に採用されます。しかしそれでも、操作が苦手な人は多くいます。

パソコンにタッチパネル方式が採用される時の理由は、
1:機器を小さくするキーボードレスが目的、
2:キーボードを手以外のペンで操作する事で画面とタッチ面積も小さくする、
3:キーボードが不慣れな人が対象で特に用途が限定される場合。

2はPDAと呼ばれる小型情報機器で有名です。3は一般用というよりは、何かの 専用にカスタマイズされたパソコンとの印象があります。 最近、ソフトウエアキーボードを使用するケースが増えてきています。スパイ ウエアでキーボード入力情報を盗まれる事を防ぐ目的と、全ての操作をマウ スのみで行う事が目的です。これは、画面にタッチはしませんが、タッチパ ネル方式の長所と類似点があります。 従ってタッチパネル採用理由に、1項目増える事も考えられます。

タッチパネル方式は、入力が選択式の時に威力を発揮します。 従って汎用パソコンでは、必ずしも得意ではありませんでした。

しかし携帯電話の小型キーボード入力が普通になり、パソコンでのマウス使用 操作比率が多くなり、ソフトキーボードの使用が増えてくると事情が変わっ てきました。

現状よりも、キーボードの使用比率を少なくするソフトウエアは作れます。 最悪のソフトキーボードの使用もマウスのクリック機能との組み合わせで、 ハードのキーボードよりも使い易い可能性が出てきます。

あくまでも、キーボード操作の苦手な人向けですが、パソコンが普及すると、 残された顧客はキーボード操作が苦手な人がほとんどと思われます。この為 に、再度タッチパネルパソコンが検討されています。

タッチパネル方式の変形の、マウス操作のみのパソコンや音声入力方式のパソ コンを考えたいと思います。簡単に言えばキーボードレスです。 マウスレスの操作は、ほとんどのOSがサポートしています。

音声入力も、サポートソフトがあります。 従って、オールマウス操作もソフトで対応は可能です。 問題は、ハードレスのメリットと操作性のメリットとの比較になります。キー ボード操作の苦手な人と、タッチタイピングを行う人で大きく異なります。

現在のパソコンでも、キーボードの使用率は個人差が大きいといえます。 そのため、キーボードレスパソコンはソフト的に工夫しても、利用者は限定さ れると思います。慣れた人にはキーボード以上に早い入力手段がまだないか らです。タッチパネルパソコンは汎用ではなく、複数の選択のひとつとなるでしょう。


ジャバ

コンピュータ言語で文法的にはC言語に近いもので、用途としてはHTMLを補う 目的が主の言語です。 特徴は、中間コードのコンパイラで仮想のコンピュータ上でインタープリタと して動作する形になります。

動作方式から動作速度が遅いことが予想されますが、パソコンのハードウエア の速度が向上するにつれて見直されつつあります。 同時に、ネット上の動的機能を記述して実行する用途でも使用が拡がっています。

仮想のコンピュータ上でインタープリタという概念は、どのような機械語の、 パソコンでもその上でジャバを動かす小さなインタープリタを実装すれば、 ジャバ言語で書かれたソフトが動作する事を意味します。

もともとが、サンマイクロ社がミニコン用に開発したソフトですので、パソコ ンでの使用は負担が重く、安定性も欠ける部分がありました。

最近はハードのレベルが向上し、かつジャバ自体がヴァージョンアップして安 定しつつあります。 オープンソースとしてジャバを使用する計画が進み、例えばオフィスソフト等 が無償提供されています。ジャバが動作する環境ならば、機械語の種類を問 いません。 ジャバ言語で書かれたソフトは、アプレットと呼ばれ「一度書けば、どこでも 動作する」がキャッチフレーズになっています。

アプレットという言葉もしばしば出会います。 これはジャバ言語で書かれたアプリケーションの事で、どのような環境(ジャ バが動作する)でも利用できるものです。 これは、ジャバの思想を反映したもので、ジャバの開発者が奨励しています。 動作が完全なものは、「Pure Java」(100%をつける事もあります)として認 証されています。

ジャバの思想はいわゆるオープンなオブジェクト指向と一致しているので、そ こから名称的に似た、必ずしも内容的には一致しないものも登場しています。 やや混乱する傾向があります。

ジャバスクリプトという言葉もしばしば出会います。 これは文字通りHTML用のスクリプト言語です。 ただHTML言語自体が、ジャバと同様の思想で開発されており、イメージは似て いますが、実質的にはジャバ言語との共通点は少ないです。

言葉として紛らわしいと共に、類似の機能が異なるメーカーから出されて混乱 したので、現在の用語に統一されています。 どちらも、ネット上で動的な用途に使用される点では類似しており、内容も近 いと思いがちです。 使用する方も、プログラムする方と同様に区別しておいた方が、例えば自動更 新アラーム等のメッセージを正しく理解できるので必要な事項と思います。


フラッシュメモリー

パソコンの標準記憶装置構成として、メインのダイナミックラム・高容量のHDD の外部記憶装置があり、これに媒体が交換可能な記憶装置が組み合わさって きました。最後のものは、FDDからCD-ROM・DVD等と変動してきました。

半導体フラッシュメモリーは、ダイナミックラムと異なり電源を切っても記憶 内容が消去されません。当然ながら記憶容量当たりのコストは高いため使用 は限定されていました。 具体的には、デジタルカメラ・ボイスレコーダー・商品名ですがiPod等です。

これを、パソコンに搭載する構成が現れてきました。 フラッシュメモリーは、コスト的に制約はありますが、高速・着脱可能・軽量 等の特徴があります。

フラッシュメモリーのパソコンへの組み込みは、新しい進展といえます。 ダイナミックラムよりも、遅く・高価で容量が多くし難いとはいえ、速度でHDD を上まり、機械的メカでないので衝動等での故障が少なく、突然の電源オフ でも記憶が残ります。

これは、スタック・バッファ的な用途には最適です。また、着脱用のメモリー としての用途にもなります。この用途としては、現状でもある程度の容量は 確保できます。 ノートパソコンの場合は、その必要スペースの少なさ・軽量さ・対衝撃性がす ぐれており急速な普及が見込まれます。 現在のOSはあまりにも、巨大化しておりハードウエアへの負担が大きいです。 しかし、本来必要な機能のみに集約して、個々で必要な機能を追加またはア プリケーションソフトで対応すると、小さなOSで充分な機能が得られます。 もし、ハードウエアの見直しの要求が強くなったらば、それに対応するOS等 の要求が現れると予想できます。 フラッシュメモリーは、すぐれた機能故にパソコンの設計思想を変える可能性 を持っています。

フラッシュメモリーの普及は、半導体の歴史に従った急激な価格低下と容量の 増加です。これは、今後かなり期待できます。 もうひとつは、ハードウエアの進歩に頼っていたパソコン・ソフトの大きなギ アーチェンジでしょう。ハードウエアの進歩をすべて、OSを主体としたソフ トが消費するのでは、フラッシュメモリーは一部使用の範囲を超える事は、 ありません。

パソコンの主構成は、ハードディスク登場以来変わっていません。 これ以来の大きな変化が起きるかどうかは、ソフトウエア特にOS関連が握って いると考えられます。 また、日本語変換等で多容量のデータベース化が拡がっています。現実は使用 頻度は少ない機能が多く含まれているので、スリム化の余地は多数あります。

フラッシュメモリーの製造は、パソコンの主体のCPUチップセットやダイナミ ックラムメモリーと異なる面があります。 基本設計からのCPU関連、量産技術とコスト追求のダイナミックラムとは得意と する製造メーカーが微妙にずれる所があります。

単純に、市場規模がまだ比較上は小さいので基本技術をもつメーカーが新規に 参入する余地ができるとも、スタチックメモリータイプが得意な企業に有利 とも言われます。 いずれにしても、追加用途か棲み分けか、何かとの置き換えかはまだ分かりま せんが急激な技術進歩が起きる可能性が高いと期待できます。

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